2003年08月11日(月) 戦場のピアニスト


用事を済ませた帰りに飯田橋ギンレイホールに寄って「戦場のピアニスト」を観てきました。

この映画、私は勝手に「戦場の前線でピアノを弾き続けるピアニスト」のお話だと思っていたんだけど(何でだろう・・・)、全然違いました。
主人公は第二次世界大戦中、ドイツ占領下のポーランドに住むユダヤ人ピアニスト。
お約束の(?)ナチスドイツのユダヤ人迫害から、とにかく逃げまくります。しかも別に自分から主体的に何かをするわけではなく、知人・友人の好意により助けられつつ逃げる!逃げる!逃げる!その逃げっぷりは見事ですが、映画的な盛り上がりは見られません。

そんな逃げまくりの場面が2時間くらい続き、ラスト近くになると・・・なかなかドラマチックなシーンがあるんですけどね。(そのシーンの重要な鍵を握るドイツ人将校の男前っぷりは素敵です)

なんだか拍子抜けしたのは、主人公が自分たちユダヤ人を迫害しまくったドイツ人たちに対して、憎しみとか反抗心とかそういうのを全く感じていないように見えること。主人公の周りの人間はドイツに対し反乱とか起こしてるんですけど、肝心の主人公はそれに関わらず、ただ見てる(というか、隠れてる)のみ。とにかくドイツ人に対して怯えまくっています。友人や家族が殺されても、無関心にすら見える盛り上がらなさっぷり。何だかなあ、と思ってしまうのです。

でも、これが戦場での実際の感情なのかもしれませんね。周りが殺されようと、他人の情けにすがうと、とにかく生きたい!死にたくない!というのが普通なのかもしれません。そういう意味でリアリティーはすごくあります。まあ実話なんですからリアリティーがあって当然かもしれませんが。

くさーい「お涙頂戴もの」「感動もの」が嫌いな貴方にはオススメ。反対に「映画はやっぱりドラマチックじゃなきゃ!」という方には向きません。あと、残虐シーンが盛りだくさんなので、そういうの苦手な人も見ないほうがいいかもしれません(私はものすごい苦手なので辛かった・・・。)

とりあえず、見終わったあと「平和な時代の平和な国に生まれて良かった・・・」とつくづく思いました。帰り道の神楽坂の商店街の人ごみが妙に愛しく思えたりしてね。


なんだかんだ言って、やっぱり名作なのかも・・・。


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