京のいけず日記
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2005年01月09日(日) |
日曜日のいけず家 3本立て |
★ Topics1. チャンネル権は再び子どもたちの手へ 日曜日午後8時。それは「ワンピース」が終わった直後だった。 ikezu家の旦那Kは、いつものように、大河ドラマを見ようとして、リモコンのボタンを押した。
「お父さんっ。ビデオ取ってるんやろ。あとで見たらええやん!」
受験期の苛々のつのる長女と、まる子ちゃん。二人から睨まれたKは、チラリと、かたわらの愚妻を見た。いつもなら、ここで愚妻のツルのひと声が! 「新選組!」(低いトーンで)でカタが付くはずだったのだが…。
肝心の愚妻は、視線も虚ろに押し黙ったまま、ウンともスンとも言わない。
ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず…。(← ?_?) なんじゃ。こりゃ。
憐れ大河ファンのKは、スゴスゴと自分の食器を台所へと運び、一人2階へ消えていくのでアリマシタ。ちょうど「新選組!」が始まる前の年、武蔵を一人で淋しく見ていたように…。
義経1回目ビデオで見ました。真っ先に感じたことはテンポが違う、でした。ナレーションが辛気臭い。が、そこは元々時代劇育ち。だんだん馴染んできたのか気にならなくなりました。旦那様が気の毒なので、しばし付き合おうかなどと思ってます。でも、リアルで欠かさず見続けた、あれほどの情熱はたぶん続かないでしょう…か。
ちなみに一緒にビデオを見ていた子ども達の感想は「赤ちゃん、可愛いっ」それと頼朝役の池松くん。子どもながらに、潔さや、覚悟というものが感じられて、さすがでしたね。飛源くん@ラストサムライですよね??
★ Topics2. 官軍の台所番で豪華お昼ご飯♪
日曜日午前11時。愚妻の父の誕生日。昨年、母が亡くなって、はじめての誕生日。元気をつけてもらおうと、父を誘って食事会を計画した。
四条・祇園界隈に出ても良かったんだけど、「えべっさん」で人が多い。それで人ごみを避け、京都は伏見へと繰り出した。
で。行き着いたのがここ。 老舗京料理の店「魚三楼」 ↓

(左上)鳥羽・伏見の戦いの弾痕が残る窓格子。 (右)は、その魚三楼の玄関です。
時代を感じさせる建物は、外観はそのままで、中の方は3階建てと、きれいに補修されています。大人3人と、まる子ちゃんの4人だけだったのに、中庭の見える12畳ほどの立派な部屋に通されて、中居さんが丁寧に指を付いてご挨拶。旅館みたいですね。
気楽なのが好きな、元遊び人の父は、お尻が落ち着かないみたいでした。
頂いたのは、お昼のお弁当。お昼のお弁当にしては、お値段も立派でしたが、魚や、炊き合わせなど嫌味がなく美味しかったです。
ただ…。
私とダンナ、どちらもビンボー家庭で育ったんだけど、ダンナは「ハレ」と「ケ」を、ケジメをつける西陣の生まれ。食事に例えれば、ハレの日には豪華に仕出しを頼み、ふだんはごく質素につましく暮らしている。
片や私は。「ハレ」も「ケ」もない。強いていうなら、横着な「ケ」ばかりの暮らしぶりで。ビンボーだったけど、質素とか、つましい、という感じは、不思議となかったなぁ…。
父の気まぐれで、錦(京都の有名な市場)でわざわざ買ってきたという、一匹何千円とする笹カレイ(だけが!)がちゃぶ台の上にあったり、なければないで、お茶漬けでもするさ、的な環境の元で育った私。
こういう場所では気兼ねする父の気持ちや、京料理は格好だけだ、などと、乱暴に言ってしまう、負け惜しみ的な父の言い方が少し分かる。
そうそう。中には高いだけの、見てくればかりの京料理もあるぞ。あと何となく気分は京料理♪…みたいな雰囲気だけの店。どことはいいませんが…。
中居さんにお酌されて恐縮してしまう父を見て悲しくなった。まずったなぁ。父のための祝いの席なら、例えば、美味しい定食屋さんで、コップ酒で付き合ってあげれば十分だったんだ。(あ。私は飲めませんが)
人をもてなすって、お金を掛ければいいっていうもんじゃない。自分の気持ちを押し付けたり、見栄を通すことじゃない。その人を喜ばせること。
堪忍。お父ちゃん。父とは対照的に、場慣れして、美味しかったと満足そうにいうダンナが、ちょっと憎たらしかった。
★ Topics3. 御香宮(ごこうのみや)
帰り道、久々に(何十年振りかで)近くの御香宮さんへ。ここは鳥羽伏見の戦いの開戦時、薩摩藩が陣を構えた所。弾痕が残る魚三楼のある京町通りからは上り坂になっています。南の伏見奉行所(跡)を俯瞰する優位な位置にあり、砲火を浴びさせたとか…。
こんな不利な状況下で、刀で戦わざるを得なかった歳三さん達。その距離感や、地理がよく分かります。函館行きたいな。自分の足で歩きたい…。
Sako
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