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ボーイズ・オン・ザ・ラン - 2010年02月21日(日) 映画ボーイズ・オン・ザ・ランをふらふらと1人で観てきました。 ああ 小田急線よ 空を飛んで あの娘の胸に突き刺されと 電車に揺られヤーシブーへ。 主演は銀杏BOYZの峯田和伸 峯田さんの映画出演は二度目なのかな? 感想はまず、峯田さんの演技が役にはまっているのもあってか、違和感などどこにもなく、演技が素晴らしかった。 素晴らしいってちょっと上目線的で嫌ですね。 でも、前回見た映画のときより、演技が格段に上手くなってるなあと思いました。 実は、この映画やってるのは知ってはいたが、観に行く気がおきなかった。 たまたまこの映画のおおまかな内容を知り、観に行こうかな・・いや、今観たい!今観ないと意味がないばりに一念発起。 なんと、観たいと思ったその日、新宿の映画館では峯田のトークがあるというじゃないか。しかも当日券もあるそうな。 しかし、峯田のトークも見たいけど、売り切れになって見れなくなるのは嫌なので渋谷の映画館へ。 以下ネタバレ含む。 そして、個人的感想ですので解釈もきっと変。 ストーリーは、まんま銀杏BOYZの世界感でした。 だから、峯田の「田西くん」はこれ以上にないはまり役。 そして、内容もシンプルで分りやすく面白い。笑える。 非常にシリアスな部分もあるんだけど、下品だったり、下らなかったり、エロかったりして力が抜ける。 原作は漫画らしい。 最高にダサく、かっこ悪い男のあがきが、最高にかっこよかったです。 峯田さん良い役もらったね。 観終わったあと、田西が自分に憑依してそうで若干恐怖。 峯田の手書きメッセージが映画館に置いてあって 確か「気分が悪くなりましたか?それなら僕は幸せです」とかなんとか 書いてあった。 ボーイズオンザランならぬ、ガールズオンザランもあってはいいのではないか?と思った。 ただ、ストイックなエロ描写ないし、もっとシリアスで憎くいだろうし、醜態の表現も難しいし、ただのドロッドロになるからきっと笑えないし面白くない。 でも、このような田西の感じは女性にも勿論あるんだということを主張したいよ私は。 だから、そういうの観たい。主人公が泥まみれな感じの。 あと、主人公のタニシは29歳と私と同い年だったので、同年代としてタニシを見ることができました。 田西は、弱小企業のダメダメ営業。実家暮らしの挙動不審な29歳。誕生日はテレクラで過ごすような人間。彼女いない暦=年齢 そんな田西は同じ会社のちはるに徐々に恋心を抱く。 そして、田西と同業種ながらも大手のエリートサラリーマンである青山。 こちらは、顔よし、スタイルよし、おまけに実家は金持ち。 細身のスーツに身を包み、俺は尖ってるぜと言わんばかりの先の尖がった靴を履いているようなリーマンである。 (ちなみに私は細身のスーツと先の尖った靴を身につけているような男はナルシストっぽくて苦手) 田西は憧れのちあきと近づくチャンスが訪れ、一度は上手くゆくと思われるものの玉砕。 そのまま田西は一方的に恋心を抱き続ける中、実は、青山とちはるはできてた。(ここ最大のポイント) そんな仲を田西は知る由もなく、その事実を知ったときは、なんとちはるは青山の子どもを身ごもるも、あっさり捨てられていたという事実。 要はちはるは遊ばれていただけ。 ちはるは堕胎を決心するも、青山は現れず、代わりにサインをするのは田西。 しかも、ここでちはるの最大の性格の悪さは「こういう最悪の状況になったのはあなたのせいだ」と田西のせいにする歪んだ思考の持ち主であることだ。 田西は、好きな女が遊ばれた怒りをぶつけに青山と決闘するもボコボコにされ惨敗。 相手にしてやった攻撃と言えば、オシッコをもらして相手のスーツを汚すということだけ。 しかも、重要なのは、ちはるは遊ばれていたにも関わらず、青山をかばい続けていた。 なので、ちはるに頼まれた訳でもなく、むしろ青山くんに迷惑かけないで!と止められるわで、もう田西は誰の為に戦うのか。なんだかよく分からなくなるが、それはもう自分の為である。 そして、ちはるは会社を辞め田舎に帰る。見送りにくるのは青山にボコボコにされた田西。 そこでちはるに「どうして他の人にはやらせて、俺にはやらせてくれないんだ?やらせてくれよ、口でいいから、手でいいから」と田西懇願。 田西は己の性欲を彼女にぶつける。悲しい本性の部分と本当はそうじゃないという部分が入り乱れる複雑な心境がでていてこのシーンめちゃくちゃだけど好きです。 ちはるがそんなにして欲しいならトイレで抜いてあげるよと引っ張っていこうとするが、そんなちはるを「そうじゃないんだ」と言って 先ほど言ったこととは裏腹に、ちはるを電車の中に突き飛ばす。 そして、誰もいない駅のホームで駅員に「大丈夫ですか?」とかけられ、田西の笑顔アップで映画終了。 最悪な最低な人間かもしれないけど、田西だけ最悪なんじゃなくて、周りも全員クソなのがポイント。 しかし、漫画の中の話のような気もするが、内面的なリアルがあって面白いし、人物もリアリティがある。 誰がよくて、誰が悪いなんてこの映画について言うのはナンセンスなような気がするが、 私は青山みたいな調子に乗ってる奴は大嫌いだし、自分の境遇を他人のせいにするちはるも大嫌い。 でも、青山って実は極悪そうに見えて意外にただの普通の人間で、計算高くて賢いだけだったりする。こんな人いっぱいいるじゃん。要領がいいのは一目瞭然だし。 しかも、ちはるだって、ちょっと少女マンガに憧れを抱いているような堅い頭の持ち主(違うじゃねえか!という批判ありそうだけど)でつまり処女的で不器用な人間。だって、周りが見えずに実際遊ばれちゃってるもの。 遊ばれちゃって燃え上がってんのをこれが本物の恋愛だ!と思って一途になってしまうタイプ。(ちなみに本物の恋愛って言葉自体何なの?と思うが、ひっかかる人ってこういうワード使う人多くないか?) 田西なんて、不器用過ぎて、泣ける。 ここまで不器用いるか?って思うんだけどどうなの。 でも、そんな田西に自分は色々共感するところが多くて、それなりに色々思い出して、峯田の言う通り不快な気持ちになったのでよかった。 田西は真面目だけど空回りするのがまた笑えるところなんだけど。 勝負が決まっている戦いに挑む姿とか、かっこよすぎる。 最高に惨めで、ダサいんだけど、ちはるに「やらせてよ」というくだりとか私は好きです。田西それ今言うか?馬鹿じゃねえの?と思う反面苦しくなります。 あと、冒頭シーンのテレクラ嬢に会わない?と言われ、会ったらものすんごい体系の女で その女が「てめえ、人を哀れんだ目で見てんじゃねえ!」田西「豚!!」という最悪のやりとりのシーンも気に入ってます。 そもそも、過去に銀杏ボーイズに救われた私は、この映画はドンピシャでした。 観終えた後、私にも少なからず似た経験があり、走り出したくなる気持ちになりました。 惨めでも負けてても、格好悪くても、あがこうじゃないか! ってこんな状況は、なかなかないですけどね。 自分にとっては最高にダサく、惨めな自分だったけど、よくやったよ。 田西は「あんたさーいつもそうやってヘラヘラ笑ってればどうにかなると思ってるんでしょ〜」って言われてた。 そう!もう笑ってんのは嫌なんだよ!っていう。 そんな田西は勇気を出して戦いに挑みました。 彼はきっと、自分を変えていくことが出来るでしょう。 私は田西の幸せを願ってやみません。 それは、イコール自分の幸せを祈ることと同じくらいに!! それと、田西を応援する仲間がたくさんいて良かったよ。 ...
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