TOM's Diary
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ガソリンの暫定税率がこのままだと期限切れを迎えそうな状況となってきた。
政府与党の方針、どうも納得がいかない。 「急激に値段が下がると国民生活が混乱する」と言う様なことを言っているようだが、なにがどう混乱するのか説明がない。たしかに多少の混乱は予想されるが、現状ガソリン価格が非常に高い状態になっていることで発生している混乱とどちらが大きいだろう? いや、国民の混乱よりも今の国会の混乱の方が大きいのではないか?
私が予想する混乱とは、便乗値上げではないが、暫定税率が廃止されても値下げをしないスタンドが出てきやしないか?と言った懸念。 暫定税率が廃止されたとしても、暫定税率は消費者に小売された段階でかけられるのではなく、元売り段階で課税されている。だから、すでに出荷済みのガソリンは4月1日以降も暫定税率が課税された価格で販売されることになる。しかし、出荷済みガソリンがどのくらい残っていて、いつから暫定税率が課税されていないガソリンに切り替わるのかは消費者にはわからない。「まだ課税対象のガソリンが売れ残っているから・・・」とウソを付いて販売されたとしても消費者にはそのことを見極めることができないのだ。
だが・・・この価格競争の激しいガソリン業界のこと。 いろんな工夫をして、場合によっては赤字覚悟で暫定税率分の値引きをしてでも、長期的な顧客を得るための営業をするだろうし、仮に混乱があったとしても比較的短期に収束するだろう。
また、輸送費高騰を理由にさまざまな商品が値上げされたが、値下げをしないのか?と言う混乱もあるかもしれない。例えばタクシーなど。タクシー運賃は国が認めた上で値上げしたのである。責任は国にもあるだろう。しかし、タクシー業界だってバカではない。その分はサービス向上などで補ってくれるに違いない。もちろんタクシー業界に限らず、市場原理で収束するべきところに自然に落ち着くはずだ。
いずれにせよ、どんな混乱が生じたとしても、その混乱は鈍化した経済成長を加速する方向に働くことはあっても、マイナス成長に働くような代物ではないだろう。 そもそもそんな混乱を政府にされる筋合いのものではないだろう。
むしろガソリン価格が今後も高騰を続けることに対する混乱の方が深刻だろう。 物価がどんどん上がり続け、消費行動が抑えられ、さらにこのところの円高の影響もあり、国内企業の経営状況は悪化し放題。当然、失業率は上昇し、消費者の実質賃金(可処分所得)は下がり続け、ますます消費行動が抑えられ・・・・
ところで道路特定財源についてのお話も政府与党の言い分はどうしても納得できない。
必要な道路は作ると言うが、道路特定財源で作れるのは大きな道路だけである。 地方に行くと、クルマは生活の必需品である。一家に2台、3台あるのは当たり前。 そんな人たちのために高速道路や大きな国道を作るのだ・・・と言う。
家内の実家は、一応地方都市に分類されるところにある。クルマは4台所有している。 そしてそのクルマで行く場所を見ると、ほとんどが生活道といわれるような、道路特定財源からは支出されない道路だけで行けてしまう。道路特定財源で作られるような道を使うのは日常の通勤や買い物以外のとき、つまり休日のレジャーや旅行に行ったり、近所では買えないようなものを買いに行くようなときに限られる。
実家の行って感じるのはそうした生活道路の狭いこと。そこでクルマ同士がミラーギリギリですれ違い、子供たちが通学し、そして遊び、事故が多発する。先日も姪っ子がクルマにぶつかり、現在足にギブスを巻いている。そんな道路を拡幅したり歩道を作るのに道路特定財源は使われないのだ。 (同じような話は別の地域でもあるらしく、先日どこかのテレビニュースで特集をやっていた)
高速道路に限って言えば、東京に住んでいる私の方がはるかに多く使っているくらいだ。まして、これだけガソリンが高いのに、高速道路なんか出来るだけ使わないようにしているのが実情だろう。このままガソリン価格高騰を放置するのであれば、ますます高速道路の需要があるのか疑問に思う。
いやいや、大きな病院に行くには高速道路が必要だろうと政府は言うが、病院にいくのに高速道路に乗るなんてナンセンスもはなはだしい。最低でも市町村に一つは公立の大きな病院があるべきではないか?そうすれば高速道路など使わずに病院に行ける。救急車だって、高速道路に乗らなきゃいけないような遠くに出動してしまったら、その間、その管轄には救急車が居ないことになってしまう。 病院を作るのが先決だろう。過疎の問題も解決できるし、急患を受け入れるパイも大きくなる。道路を作るよりも効果は大きいはずだ。
生活道も病院も道路特定財源では作れないが、一般財源化すれば作ることができるらしい。 それどころか、教育問題や福祉の問題やさまざまな問題を解決することにも繋がる。
まぁ、結局、道路族といわれるような議員が幅を効かせているからこういうことになるのだろう。
ちなみに、私はなにも、高速道路をまったく作るなと言っているわけではない。必要な高速道路や国道はたくさんはるはずだし、暫定税率を廃止しないまでも税率の見直しでも良いと思っている。本当に必要な道路を改めて算定して、その後、国民の理解を得た上で改めて新しい税率で暫定税率を復活させたって良いではないか。 特定財源だってそうだ。全部をなくさなくても良い。道路と言うことであれば、生活道なども特定財源で直せるようにしたり、本当に必要な道路を改めて算定したあとで、余った分を積極的に市町村レベルで本当に生活に必要な生活道や病院、学校などなどにお金を廻せるようにしたらよい。 日本国の主役である国民本位で物事を決めてもらいたい。
いずれにしても、決まった形でお金を確保してしまうと、汚職や使い込みや、余計な設備にお金を廻すことになってしまう。今回の暫定税率見直しのように、見直し時期のたびに活発な議論を行っていくことが何よりも大切だと思う。
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