TOM's Diary
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2008年03月13日(木) |
S氏UFOに襲われる?その2 |
S氏に超小型の装置を埋め込んだ回転する物体はパジャマに取り付いたまま洗濯機に放り込まれ弱アルカリ性の洗剤によって溶かされる予定だった。 しかし、S氏は環境のために自らが開発した中性洗剤を使用しているため回転物体が溶けることはなかった。
組織は回転物体が溶けたことを確認するために発信機を取り付けていたが、中性洗剤のせいで回転物体が溶けなかったために、発信機からの電波がいつまでたっても途絶えることはなかった。
あわてた組織はS氏がパジャマを洗濯していないのではないかと勘違いし、なんと言う不潔な奴だろうと脅威を覚えた。 そのことを確認しようと組織のエージェントがS氏宅へ向かった。
エージェントがそこで見たものは綺麗に洗濯され庭に干されたS氏のパジャマであった。 エージェントは双眼鏡を使ってパジャマを観察すると、そこには銀色に輝く回転物体が付いたままだった。 エージェントは回収するべきか悩んだ。 S氏宅の敷地内に侵入するには大変な難関を突破しなければならない。 なにしろS氏オリジナルの防犯装置は完璧だと言われている。 危険を冒してまで回収するべきか。
エージェントが悩んでいると、人の気配を感じた。 いつの間にか両脇に警察官が立っていた。 空き巣狙いかなにかと間違われたらしい。
組織はすべてを秘密にしなければならない。
当然自分が組織のエージェントであることも、なぜそこにいるかも、まして、なにをやっていたかなど、警察に話すなどもってのほかである。
とっさにエージェントの口をついて出たのは「庭の櫻がとても綺麗で・・・」 ところがS氏の庭の櫻はまだ咲いていない。
エージェントは交番に連れて行かれてしまった。
するとそこに現れたカラスがキラキラと輝く回転物体に興味を持った。 カラスは防犯装置など関係無しにパジャマに近づき、回転物体を加えるとあっさりと飛び去ってしまった。
交番で散々犯罪者扱いをされ、ようやく上司に迎えに来てもらったエージェントは、急いでS氏宅に戻ってきた。 まさかカラスの仕業だとは知らないエージェントは、回転物体の存在がS氏にばれてしまったのだと勘違いしてしまった。 折りしも回転物体に取り付けられた発信機のバッテリーが切れてしまったため、回転物体の所在が確認できなくなったため、回転物体がS氏宅にないと言うことをエージェントは気が付かなかった。
組織はすべてを秘密にしなければならない。
S氏に回転物体の存在がばれてしまった以上、S氏に超小型装置を埋め込んだ部隊は解散しなければならない。 最初からそんな部隊が存在しなかったかのように・・・ よって、埋め込まれた超小型装置は稼動させられることは無かった。
数日後、S氏は膝に出来た小さな吹き出物から出てきたにきびの芯のような小さな異物をティッシュでふき取りゴミ箱にポイと捨てるのであった。
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