大宮に通勤するようになってから、電車の中で過ごす時間が長くて、行きの電車ではほぼ寝てるんですが、帰りの電車は本を読むようにしようと思って、昔に読みかけて放り出していたある本を今は読んでいます。毎日ではないですが、3月頃から、少しずつ。
「日本名作シリーズ 幻想小説名作選」半村良・選 (集英社文庫)
これね。確か中学2年のときに亀有の文楽って本屋で買って、漱石の「夢十夜」を初めて読んだ思い出の文庫本なんですよ。でも当時は難しくて、二発目の鏡花の「眉かくしの霊」の旧仮名遣いが難しすぎて挫折したのよね。その後、紛失。
それを2009年に密林で見つけて買ったんだけど、やはり夢十夜を読み直しただけで、再び挫折。恐るべし、眉かくしの霊。でも今回は、粘り強く読み続けてみました。わからない文字は意味を想像しつつ、、、一部わかりづらい箇所はありながら、なんとか眉かくしの霊、読了。
それを攻略したら、後は比較的すらすらと読めて、ついに最後の「ボール箱」を残すのみとなりました。終わってしまうのが惜しい気がして、ここからまた少し放置するかもしれませんが。
幻想小説って、「異世界や別時代の設定、妖精などの人外の生命体を題材にした物語」などと定義されているようだけど、なんだろう、「夢十夜」みたいに悪い夢を見ているような気持ちにさせられるというか、半村良が巻末の解説(小松左京との会談形式)で言っているように、因果関係が示されていない、というのとも違うんだけど、まったく理屈が通っていないわけでもなく、そこが自分が見る悪夢とよく似ているなと。筒井康隆の「母子像」はまさにそんなカンジで、好きな作品となりました。
1982年に初めて取り組んだ本を2025年の今、読了しようとしている、、、もったいなくて読み終わりたくない。今の状況を楽しみたい。笑。果たして読了できるのでしょうか。。
今日はここまで。再見。
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