2003年05月25日(日) |
NODA-MAP第9回公演「オイル」 |
いや〜、朝起きたら熱が37度を越し(←平熱が低いので、コレでも結構ダメージ)声が出ない。 立ち上がるとフラフラし、何度も夢の中で、「かなぴん・・・アタシの分のチケットは当日券待ちの人にでも譲って・・・」とかなぴんにチケットを渡しているアタシの姿を見た。または、起きたら開演10分前だという夢も見た。
昨夜眠りに付いたのは朝の5時。 喉が痛くて眠れなかったのである。
そして、そんな夢を見てたもんだから・・・・
眠った気がしない(−−;)
でもでもでも、踏ん張って取った千秋楽のチケット(><)! しかも毎回欠かさず行っている野田地図の公演。しかも、各方面での評価も悪くない。
這ってでもいかなければ・・・・
ワシは覚悟を決め、疲れる化粧をやめ、すっぴんにでかいマスクを装備。いざというときのための水分と薬を何種類か持ち、渋谷へと向かったのです。 しかし、結構元気と思っても、都会に出ると疲れの度合いって増すもので、ドーピングと睡眠不足も手伝ってか、劇場についたころにはヘロヘロになっていた。 そこへ、朗報。
上演時間は1時間50分。休憩なし。
よし!これなら耐えられる!! 3時間半とかある舞台がざらな中、すばらしきこの短さ!!! 前日にしこたま検索をかけて探した情報を、いま自分でここに記しておこう。えぇ、同じような立場で苦しむ人が「そうか・・・♪」と思えるためにも!!
そして開演。 いつのまにやら、松たか子が舞台の上に。 舞台がはじまると現金なもので、病気のことを忘れてしまう。野田の舞台はところどころで爆笑を誘うので、痛い喉も忘れて笑ってしまう。そして、さらに痛んだ喉には、即座にイソジンのどフレッシュを照射!ビュビュビュ! ついでにのど飴を口に含みビリビリと痛む喉を耐える。
・・・と、痛々しい話はここらへんにしておいて、舞台の話を。
今回の「オイル」は、ある意味、非常にタイムリーなネタだった。戦後の日本と、大和王朝ができるまでをからめつつ、「建国」と「侵略」の是非をとうようなもの。 原爆投下から間もなく、島根の出雲にやってきたマッサーカー(マッカーサーじゃないよ)こと小林聡美が、出雲に石油が出るとの情報を得、その真偽を確かめにやってくる。富士(松たか子)は電話交換手と言う名の魂寄せで、古の人の言葉を聞く女の子。そして、その富士は石油(「アメ〜リカでは、石油と書いて自由と読む」というセリフに笑ったわ)のありかを知っているようで・・・。 そこへ特攻隊を抜け出してきた若者・大和(藤原竜也)が絡み、アメリカ大好きの大和は、島根をアメリカ第51番目の州として、アメリカに売ろうとする。 一方、大和王朝建国の時代の出雲では、空から降りてきた神々たちが、時の流れを知らない現地の人間を占領下に置くべく戦っていた。 富士を解して、過去と現在が交錯するという構成。毎回ながら野田マジックに頭の中身をクルクルとさせながら、あっちゅー間に時間がすぎていきました。
一部のレビューで、わかりにくい・・・と言われていた「オイル」ですが、過去の野田作品の中では、比較的分かりやすかったと思うのです。確かに、以前にダブルキャスト、ダブル演出で上演された「パンドラの鐘」に近いものはあったけれど、ワシとしては「オイル」の方がより、ダイレクトにザクっと来た。
アメリカ大好きで、アメリカ人になることを夢見る大和に、富士が
「たった一つの原爆投下で10万人もの人間が一瞬に死んだの。10万人もの人間が焼けて、溶けて、川端で折り重なって死んでいったの。それからまだ一月もたってないというのに、どうしてガムを噛めるの?コーラを飲めるの?ハンバーガーを食べれるの?人はいつか忘れてしまうの?」
そして、そのセリフに対して、ポカーンとした顔で 「さ・・・さぁ」と答える大和に 「あなたのことなのよ!(駆け寄り抱き寄せながら)あなたのことなの!あなたのことなのよ!!!」 と叫ぶ富士。
このシーンがワシは非常に好きです。
アメリカがイラクを解放した途端に「ブッシュの為に生きる!」といきまくイラク人たちがカメラの前にどんどん現れてたのを思い出した。日本でもそうだったのでしょう。ギブミーチョコレートじゃないけれど、アメリカのものをバンバン取り入れて、言われるがままになり、今こんなになっている日本。でも、自分の国のことなのに、国民は結構無関心。それに対する問いかけのような気がしました。 まるでテレビの向こうで起きていることのようだけど、でも・・・。
自分のことなんだ・・・・。と。
人の痛みが分からなければ、自分の犯した罪の重さも分かりはしないし、被害者の気持ちなんてもんも分かるわけが無い。自分の時にどうだったのか?だからいま同じような立場に立っている人はどう思うのだろうか? 今の北朝鮮の国民は、戦中の日本人と同じではなかったか?「憂国(by三島由紀夫)」ではないけれど、天皇が人間だったと言われ、進駐軍が日本に来ると知って、各地で腹を切った日本人がいたのと同じように、いま北朝鮮にアメリカが乗り込んだらレイプと略奪の地獄が待っていると本気で信じていて、そのときには自らの命を絶とうとしている人がどれくらいいるだろうか。
「オイル」とは石油の意味のオイルと「老いる」という意味の言葉遊び。老いの中には、過去の記憶も復讐心も包括したなにかがある。そこにはもちろん、愛も。 愛があるから、怒りを覚え、愛ゆえに復讐心が芽生える。 だから、「復讐心は愛を越える(by富士)」。
でも、本当にそれでいいのか?忘れちゃいけないものもある、けれど、未来へ続く道はその先に延びているのか?
おそらく舞台を見ていない人には分からないかもしれないけれど(っつーか、説明ぐちゃぐちゃだし(^^;))、そんなことをつらつらと考えましてございます。
日本は今回のイラク攻撃を支持する姿勢をとりました。 そして、その国家元首は衆議院で選ばれて、その衆議院議員たちは、ワシらの投票によって選ばれました。
そう。 みんなワシらのこと。 ワシらは、イラク攻撃を支持したことになっているのです。
本当に、それでいいの?
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