つぶやける乙姫
辛口なのか、毒なのか・・・

2007年05月18日(金) 「ロッキー・ザ・ファイナル」

やばいっす。どうにも押さえきれずに、一人で観てきちゃいました(^^;)

だって、ワシの周りには誰も「観たい!」っていう人がいなかったんだもん(>_<)!!
でも、今日で終わりって映画館も多くて、こりゃ早く見とかんといけん!ということで・・・。



<あらすじ>
前作で(←我ながら酷い説明の仕方だと思うが、適切ではあるとも思う)、財産を無くしてしまったロッキー・バルボア。今は下町で小さなイタリアンレストランを経営している。数年前にエイドリアンは病気で他界。ロッキーが引退したことで、ポーリーも自分の仕事を持ち、ロッキーの息子のロバートも就職して家を出ていた。
エイドリアンの命日、有名人である父を敬遠するロバートは墓参りにもやってこない。ロッキーはいやがるポーリーを連れて、エイドリアンと思い出の場所を巡っては、ポーリーにエイドリアンとの思い出を語るが、ポーリーは「過去に生きるな」と言われてしまう。
自分のレストランでは客のリクエストに応えて自らの栄光の時代を語って聞かせるも、心にはどこか虚しさがよぎる。そんな時、昔、まだ自分がくすぶっていた時に近所に住んでいた少女であるマリーと再会する。
彼女もまた、下町を抜け出せずに、シングルマザーになっていた。

一方、無敗のヘビー級チャンピオンのメイソンも窮地に立たされていた。あまりにも簡単に試合に勝ってしまうため、「弱いやつとしか戦わない」と思われ、人気もがた落ち、八百長をしているわけでもないのに観客からはブーイングを受ける始末だ。
その時、とあるテレビ番組が、ピーク時のロッキーと今のメイソンのバーチャルファイトを放映。当時のロッキーが勝つという結果をはじき出す。

そんなことも知らずにロッキーは、心の虚しさの原因は、まだ戦いたい気持ちがあるからだと、再びプロテストを受け、審査会の人間を説得して資格を得ることに成功する。
そこに目をつけたメイソンのプロモーターは、メイソンの好感度アップのために、ロッキーとメイソンのエキシビジョンマッチを行おうと計画する・・・。




とまぁ、こんな感じで。


で、結局すったもんだの末にエキシビジョンマッチをすることになり、試合が行われるんですけれども・・・・。



なんつーか、実は当初、ロッキーの続編が出るという話を聞いたときに
「おいおい、いくらなんでも無理があるだろう(^^;)。いまさらなんで・・・」
と、正直思いました。だって、あまりにも「5」が酷かったから(−−;)

1〜4とボクシングをしてきて、なんで5でいきなりストリートファイト!?と思ったもんで。まぁ、そこら辺は過去のレビューを見ていただければいいのですが、とにかく、
「シルベスタ・・・ヒット作を出したいのは分かるが、それはやりすぎだろう・・・(^^;)」
と、本気で思ったのです。










が!!!










すみません・・・・・・・・号泣です(TT)











なんというんでしょう。


あってよかったですよ、この作品。



これで本当に、ロッキーは終わるんだな・・・と、それにふさわしい、いい作品でした。


確かにね、還暦過ぎたボクサーが、現役のチャンピオンと試合をするなんて無茶な話なんですよ。でも、どうしてロッキーが戦いたいと思ったのか、どうして戦わずにはいられないのか、ワシにはすごくよく分かったのです。
おそらく、若い人よりも30代以上の年代の人にはよくわかると思うのです。
しかも、人生で挫折したことがあったり、不遇な時期があったりした人なら、なおさらよくわかると思います。
とはいえ、やはりなによりもロッキーの気持ちを理解できるのは、「老いを感じたことのある人」だと思いますけれども、で、若いときには運動神経も良くて、人並み以上に動けた人なんかだと、「そうだよねぇ・・・」って感じると思います。

もちろん、ロッキーの虚しさの元は単なる肉体の衰えだけではないけれど、例えば仕事でバリバリと働いていたお父さんがあるとき定年で、急に肩書きの無い人になってしまったときの感じとか、美人だと言われ続けていた人が、あるときふと自分がもう若くないと感じてしまったとか、そういうものにも通じると思うのです。

引退は、人生の終わりではないのに、周囲はボクサーの引退を「終わった人」と見てしまう。そんな虚しさを理解して慰めてくれる妻もおらず、息子は過去の栄光があるが故に疎遠になっている。

「昔はよかった」と言うだけで日々を過ごせるほど老いているわけでもない。
まだまだ、できることはあるのに・・・。


時折はさまれる昔の映像が、ますますせつなさを募らせます。


話としては、この作品だけで充分に理解できると思いますが、できれば「ロッキー」は観ておいて欲しいです。ワンセットで観ると、やはり感慨深いと思います。(マリーが出てきた時、最初誰だかさっぱり分からなかったよう(>_<)!説明されて、「え・・・?あ、あぁあぁ〜〜、いたいた〜〜!!」と思わず肯いてしまった。いやはや、スタローン自身、よくもまぁ覚えていたもんですわ、マリーの存在を(笑)。にしても、エイドリアン役のタリア・シャイアをどうして一欠けらも出さなかったのだろう?出さなきゃいけないわけじゃないけれど、ミッキーの時とは違って、本当に亡くなっているわけじゃないのにね〜。でも、出ないことで話としてのまとまりはよかったかなとも思うワシ。ロッキーシリーズの魅力のひとつに「長すぎない」ってのもあるので。)

本当の希望を言えば、やはり最初からこの最後の作品まで全部を見て欲しいとは思いますが(無駄なトコも含めて、これもすべてロッキーってことで)、ロッキー作品を通じてのメッセージみたいなものは最初と最後だけで充分そのど真ん中を捉えていると思います。4なんかであるアポロとの友情なんかのラインは、あくまでもサブ的なものだと思うので。


ロッキー・バルボアは、やはりエイドリアンにベタ惚れで、家族ラブで動物好きで、ボクシングを愛している憎めないヤツなんですよ、結局。
すごく、いいキャラクターだと思います。ホント。

シルベスタ・スタローンの他の功績はよくわからんですけれども、このロッキーというキャラクターを生み出したことは、本当に拍手喝采ですわ。


最後の試合の結果なんかも、すごく良かったと思う。やはり、ああいう結果がロッキーの原点ではないでしょうか。


本当に、5で終わらなくて良かったと、いまは思います。

この最後があることで、ワシはきっと、6作分のコンプリートBOXが出たら買っちゃうでしょう。いまもコンプリートBOX出てるけれども、6作目が入らなくてコンプリートってちょっとどうかと・・・。
あ、でもファイナルが出る頃には、ブルーレイかHDDVDのしか出なくなってたり(>_<)!それは困るなぁ・・・。まだ大丈夫であって欲しいと願うわ!!


でもホントずるいよねぇ、だってロッキーファンだったら、あの音楽が来ただけでやはりちょっとジーンとしちゃうもの。
あの音楽があったことも、ロッキーの成功のひとつでしょう。


うーん、まだ上映しているところが近くにあったら、もう一回見に行ってしまうかも。そのくらい、なんかツボにはまりました。


ロッキー、お疲れ様でした。



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