仕事が終わった後、青看板のレンタル屋に行って駐車場に帰ってきたところ、 「にゃ〜♪」 と、たまに駐車場で見かける三毛猫がナンパをしてきました。
のら猫さんにしては、随分と素敵なボディをしてらっしゃるし、近所をしょっちゅうウロウロしているし、それになんといっても、道のど真ん中で箱座り(両前足を体の下にしまいこんで座ること)をする警戒心のなさから、おそらくご近所猫さんか、駐車場近辺での地域猫と思いまして 「おや〜、どうしたの〜?」 と、ナンパされてみたのです。 すると案の定、あっさりと近づいてきては、人の身体にスリスリしたり、目の前でお腹をだしてコロンチョしたりと、なんとも人懐こい猫麻呂さんでございます。 思わずワシも、その場に座り込んで、その三毛猫さん(福々しいその体型から「福ちゃん」と呼ぶことにした)と戯れていたのです。
というのも最近ジュニアの抱っこ猫計画が大成功し、本当に抱っこの大好きな猫麻呂さんになってくれたもんで、福ちゃんも抱っこされるかしら?とちょいと試してみたいというのもあったのです。
が、福ちゃんはさすがオナゴ(三毛猫なんで、十中八九そうかと)というか、ある程度までは親しくするものの、どうやら彼女には下心があったみたいで、ワシがご飯をあげるわけではないような気配を察すると、なんと、こともあろうに
パシッ
と、ワシの頬に平手猫パンチをかましたのです。
猫を飼うようになって早20年。
猫に平手打ちをされるなんぞ、初めての体験です(笑)。
しかも、見知らぬ猫に!!ナンパしてきたくせに〜〜〜(>_<)!
まるで
「さんざんアタチの身体をもてあそんだくせに、なにも寄こさない気!?」
とでも言っているかのようです。そりゃ確かにさんざん撫で繰り回しましたけれども・・・。誘ってきたのは福ちゃんの方だったし・・・。それに福ちゃんの立派なドラム缶のようなお腹は、とても食うに困ってる感じがしなかったし・・・(^^;)。
でもまぁ、ここまで甘えてくるからには、お腹が空いてるのかもしれないなぁ〜と思い、たまたま買っていたお寿司のパックを取り出したのです。や〜、なんとなくスーパーでみたら食べたくなっちゃったもんで(笑)。
で、寿司ネタの切れっぱしを福ちゃんに差し出したとき、ビックリすることが起こりました。
駐車場の前の道をす〜〜〜っと通るパトランプ・・・・(^^;)
瞬間、我が姿を客観的に見直す自分がおりました。
深夜の月極駐車場。盗難が多いというSUV車の前に座り込む不審者。
・・・・・・・・・・・・(−−;)
案の定、次の瞬間パトカーは停車。 中から一人のおまわりさんが降りてまいりました。
「どうしたんですか?」
ワシが一応女だったこともあってか、おまわりさんは別に厳しい口調ではありませんでしたが、でもやっぱりワシが向こうの立場でも怪しいと思うわけで・・・。
「いや、あの、猫がおりまして・・・」
ありがたいことに、福ちゃんはビビってワシの後ろに隠れはしたものの、その場を去らずにいてくれたので、おまわりさんも福ちゃんを見て、なるほどという顔はしてくれました(笑)。
「ご自分の猫ですか?」
「いえ、多分ここら辺の猫かと・・・」
・・・・・・・う〜ん。我ながら、こうして書いていても怪しいやつである。
「あの、これ私の車なんですけど、猫が寄ってきたんで、なにか食べるかと・・・」
一応、目の前の車が自分のものであることも主張。まぁ、いざとなれば車検証と免許証も見せればそこははっきりするので怖いこともなく。 すると、本当におまわりさんは疑ってはいないような風でいいました。
「実は最近駅周辺で車のウィンドウを割って盗難されるケースが増えてるんですよ」
「え!?本当ですか?」
「えぇ。まぁ、もっと駅の近くのほうですけどね」
その話は知らなかったものの、実は新聞にも載っていたんですが、うちの近所の方で最近流行の金属泥棒があったりしてるのです。空き巣なんかが多いのは前に別のおまわりさんに聞いて知ってるんですけれども、なかなかに物騒な世の中ですな。
で、まぁそんなこんなをおまわりさんと話していると、パトカーの中に残っていたおまわりさんも
「大丈夫か?」
と、出てきました。すごいな〜と思ったのは、例の事件のせいか、ふたりともちゃんと防弾チョッキを着ている様子で、改めて「こりゃ首はノーガードじゃなぁ」と思ってみたり。
さらに驚いたのが、その後からきたおまわりさん、以前事故った時に見たことのあるおまわりさんだったのです。当然、向こうは覚えてないでしょうけども(笑)。覚えられてても困るし(困)。
「早めに気をつけて帰ってくださいね」
とだけ言って、おまわりさんは行ってしまいましたが、なんちゅーか、夜中に出歩くことが多いせいか、この数年で近くを回っているおまわりさんの顔を数人把握している自分に、少々驚きました。名前は知らんですが、踏み切り近くで一時停止不履行をチェックしてたりする姿を何度か見てる人とかもいるし(←その人とは別件で過去話したことがある←別にワシが何か悪いことをしたわけでなく、どっちかっちゅーと被害者だったんだけどね)、改めて、こっちがあまり意識をしていないだけで、ちゃんとおまわりさんは地元に根付いているし、毎日毎晩パトロールしててくれてるんだなぁと思うと、なんとも心強い気持ちになりました。 だって、もしも泥棒がワシみたいに、ワシの車の前に座り込んで何かを企んでいたら、ちゃんと職質して捕まえていてくれたかもしれないってことだもんね!
結局最後まで去らなかった福ちゃん。でも、ワシがあげた寿司ネタはお気に召さなかったようで、匂いをかぐだけ嗅いでそっぽを向いてしまいました。
おいおい、あんたのために不審者になったのにぃ〜〜〜(>_<)。
マルとかジュニアだったら、喜んで食べるのよ!かつおのタタキ!
ったく、毎日どんなご馳走食べてるのかしら福ちゃんったら。
というわけで、特にオチがあるわけではないのですが、初の職務質問でした(笑)。
でも結局、身元確認されなかったけどね(^^;)。 っつーか、マジで向こうワシのこと覚えてたんだったりして・・・
そう考えると、ちょっとビックリなオチがついたな(苦笑)。
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