【読書】陰摩羅鬼の瑕

陰摩羅鬼の瑕 京極夏彦 著 講談社NOVELS



感想:
 待ちに待ったの京極堂シリーズ最新刊。
 相変わらずの分厚さに、ちょっと安心しつつ読み始めた。
 絡新婦の理で、取りあえずのクライマックスを迎えた本シリーズだったので、その後どうなるのかと思っていた。シリーズ続編がなかなか出ず、続編や妖怪話に終始し始めたときには、あ、もう続ける気がないんだなって思ってた。

 いやいやどうして、本作で見事に再構築を遂げてくれました。
 姑獲鳥の夏を彷彿とさせる、精緻で論理一貫した展開が心地良い。
 登場人物達は、姑獲鳥の夏の頃よりも活き活きと動き、かつ、ストーリィ展開は、絡新婦の理のような、複雑に錯綜したものではなく、シンプルで分かりやすいものに戻っている。

 言うなれば、本作が新たな章の幕開けとなるのだろうと感じた。
 また京極堂の、奇抜にして繊細な拝み屋振りが見られるのは、ただ純粋に嬉しい。
2003年09月10日(水)

日々 / いけだ