徳川綱吉 イヌと呼ばれた男 「犬公方」とは呼ばれても決してイヌとは呼ばれてないはずなんだけど。 時代コスチュームファンタジーだからまぁいいか。 時代劇って本当のことなんて誰にも解りっこないんだから 壮大なファンタジーってことですよね。 どんなに脚色しても「そんなこともあったかも」でOKだし。 最後に「この番組はフィクションです」って付ければいいんだし。 そんなこんなで面白かったです。
去年の「サル」はキャスト発表の段階ですでに凹んでました。 「信長様」のキャストがどうにも苦手な人で何がダメなのか 自分でもよくわからないのですがどうしても受け付けないというか。 私が苦手なことを知ってる友人からは「それでも見るの?」 とメールが来たりもしました。 そりゃ、見るよ。剛クンのドラマだから見るけど だけどやっぱりダメでした。 単発もやだけど連続ドラマで共演なんてことがなければいいんだけど。 amazonから「サルと呼ばれた男」もDVDが届いてはいるのですが まだフィルムがかかったままです。
「イヌと呼ばれた男」 時代は元禄、ドラマの舞台としては選ばれても 綱吉本人が主役になることはまず無いことなんでしょうね。 大体が「忠臣蔵」の時の将軍って役回りだし。 凄く頭が良かったっていうことと極度のマザコンだったことと 「生類憐れみの令」なんて変な令を施行したこと。 綱吉で知ってるって言ったらそんなものです。
「忠臣蔵」は判官贔屓な日本人が本当に好きそうな題材。 浅野内匠頭がどんなにプッツンな人間であったとしても 吉良さまだけお咎めなしってのは片手落ちな気がする。 たとえそれが「殺生はもうたくさんだ」だったとしても。 この裁断事態は綱吉っていうより吉保の意向が関係してるらしい。 刃傷事件そのものすら浅野氏のエキセントリックな性格を見越した 吉保が黒幕的に書かれてる本もあります。
ここでもうちょっと何とかしておけば「討ち入り」 なんてことにもならなかったかも。 「殺生」がイヤなのなら「お家取り潰し」でもなんでもいいので 大石があだ討ちを止めることを納得できることを提示すべきで ただ話しに行って「それが武士の忠義か?」って言ってたのでは 武士が一度決めたことを翻せないと思います。 ここでは大石側も綱吉側も感情論なんだけど あれじゃ大石くんは納得しないだろうって会見でした。 納得してたんじゃドラマは動かないんですけどね。
それにしてもフットワークが軽い将軍さま。 夜誰にも知られずに城下にでるなんて不可能でしょ。 それもお馬に2人乗りなんて門は誰が開けるのよ? なんてそんなこと気にしてたら時代劇ファンタジーは楽しめない。 出産直後の吉保さん夫婦ご訪問もびっくりだけど 討ち入り後の吉良邸を直々に検分するなんてフットワーク軽すぎ。 なんて自由な人なんでしょう、綱吉さま。
吉保の側室の染子はかつて綱吉の側室だったのを 綱吉から吉保に下された拝領妻。 このとき染子が産んだ「吉里」は実は綱吉の子だった っていうのが有力な巷説で綱吉関連本にもそう書かれてる事が多いです。 染子は吉保の側室になってからも綱吉の寝所に召されることが 多かったらしいとか。 ひょえ〜〜、どうなってんだ?大奥って感じではあります。
史実に忠実かどうかはともかく(史実だって真実じゃないし) コスチュームドラマとしては満足です。 大奥パワーにポワワンとなる将軍さまや悩める将軍さま 怒る将軍さま、色々な将軍さまを堪能させて頂きました。 横顔のアップもとても綺麗。 座った姿勢から立ち上がる時や立っている姿勢から座る 一連の動作がとても綺麗で着物の裾がちょっと肌蹴るのもツボ。
脇の皆様も素敵な方たちばかりでしたね。 深キョンは可愛いし、ちょっと痩せたのかな。 桃さんはさすがに時代劇の人。 一瞬の登場で見事にその場が時代劇になってました。 堤さんとはまた現代劇でも共演して欲しいです。 おなじみの勝村さんや西村さんも素敵でした。 後はなんといっても江守さんのナレーション。 テンポも抑揚も当然滑舌も良くて。 本当に聞いていて気持ちのいいナレーションでした。
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