自分の名前が入った社員証と健康保険証。なるほど確かに俺はこのカイシャの社員になったらしいけれども、どこにもその実感なんてない。今日はたしかエイプリルフールだったっけ、などと考えてみる。「全部嘘でした」などと、いっそのこと言われてみたい。そんな社会人一日目。
友人が言う。「仕事にばかり時間を取られるのは間違っている。家族とか、遊ぶ時間とか、趣味の時間とか、そういうのこそ大事だろ。そりゃ、ある程度は金を稼がなきゃならないけれどさ」。まったくもってその通りだと思う。 先輩が言う。「1日24時間のうち、睡眠とか食事とか入浴とか、そういうのに、まぁ8時間を使うとする。そして仕事にもまぁ8時間取られるだろう。残りの8時間を、どう有意義に使うかで、その人の生き方は変わるんじゃないかな」。まったくもってその通りだと思う。
占星術で色々見てもらった。「君にとって、職業とはすなわち社会的なコミュニケーションを通じた自己実現・自己表現のようです」。まったくもってその通りだと思う。俺は職業というものを、そのように捉えて、今日、今の会社の社員になっちまった。24時間のうち、16時間を仕事に拘束され続けるであろう日々が、この先何十年かに渡って待ちかまえている。
知り合いの社会人が言う。「社会でうまくやるコツは3つある。要領が良い、口が良い、顔が良いの3つ。そして君には、それらのうち何一つとして無い。だけど、いや、だから、底が無い。最初の十年はバカにされ続けるだろうし、出世もしないだろうけれど、頑張ってごらんよ。頑張っていれば、その後で、きっと良くなるだろうから。」
昨日、カイシャを辞めた先輩が言う。「会社人間にはならないでください」。
友人が言う。「あんたも、変わってしまうのかなぁ。」
まぁ、先行きは誰にも分からないし。やれるとこまでやって、また考えりゃいいや、などと思うのです。とりあえず、働いてみないことには。まだ暫く、研修なるものが続きます。9日から大阪行きます。
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