空虚。
しずく。



 白霧。

記憶がぐちゃぐちゃになった。

私に聞こえていたのは、

私のものでない、声と、「まゆ」と言う、

おそらく、名前。


ぼんやりと、朧気に見えているものもあるけど、

その先は真っ白になって見えない。


少し前の、記憶のはず・・・。


こびりついて離れない一枚の写真。

はみ出た内臓と、なくなった片足。血の海。

おぞましい笑みを浮かべた自分。

高らかに笑った声。


想像がつく。

だけど、解かりたくない。


ずっと聞こえ続ける、誰かの笑い声。

視界を横切る黒いもの、紅く染まって見えるまわり。

すべて、幻聴と幻覚で片付けてきた。


声をなくして、

涙も出なくなって、

笑いも、ひきつって。


時折見る、手や、足や、身体が、

まるで自分のものでないように感じて。


・・・ああ、前に一度。

つけた覚えのない傷があったっけ。


・・・側に、いてくれませんか。

私が、私でいられるように。

2002年08月08日(木)
初日 最新 INDEX MAIL HOME


My追加