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■ 真夜中の情事。
本当に満たされるのは、自慰なんかじゃなく、こっち。
精神的な満足度はそれの比じゃない。
今日のために、カッターの刃もあらためた。
深夜二時、揺り椅子に腰掛け、カッターを右手に持つ。
大きく深呼吸をして、ビデオの再生ボタンを押す。
・・・私は、新鮮な方が良いな。
腐ったらもう、人間って感じがしないもの。
でも、この俳優さん、足がすごくキレイ。男なのに。
・・・舐めてみたいな。でも男なんだよね。
腹に手を突っ込んで、内臓を抉り出す様を思い描く。
ああ、さすが。こんだけリアルだと、ちょっとイイ感じ。
でも、どれがどれだかサッパリだ。
生唾を飲み込んで、刃を当てる。
あ、血飛沫。・・・すごい、キレイ。
流れ出した血を唇にとって、舐める。
そう、口紅を塗るように。
・・・やっぱり、うるさいな。
喘ぎ声も、叫び声も。
黙ってろよ。そんなの聞きたくないんだ。
死なないでね、ヤだからね?
そろそろさよなら、愛してる。
この後も醜くなっても、ずっと。
「・・・自己中。」
深呼吸を、一つ。
ああ、そうそう、これだ。
真っ白くて冷たくて・・・もう取り戻せない。
ビデオはあくまでビデオ。
一番大事なのは自分の想像。
じゃないと、満たされない。
「血・・・。」
最後の、首挿げ替えるとこ、
真っ白いシーツが真っ赤になって、
壁に血が飛び散って、
肌にも返り血がついて・・・、
すごくキレイだったな。
私もあんな風に血、浴びてみたいな。
血液を、肌に塗って、
もちろんあの人にも塗って、
ちょっとずつ舐めるの。
左腕を切って、唇を当てて、目を閉じる。
浮かんだばかりの映像を想像したまま、舌を這わせる。
これは自分の腕だけれど、そうじゃない。
「きれいだよ・・・。」
*
二時間、たった。
ビデオは、終わってた。
口元の血を舐めとる。
カッターの刃を拭って、しまった。
ビデオを抜き取り、ケースにしまう。
「さて、と。」
目を閉じて、あける。
鏡を見て、笑う。
また明日から、普通に戻る。
とても満たされた、夜。
2002年09月11日(水)
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