空虚。
しずく。



 正月からこれって

やっぱりしずくはどこかおかしい。
久し振りにあんな冷めた目を見た。
… …不安定にも、ほどがある。


帰り道。
あきらかに挙動不審な男がいた。
いや、駅からつけられてた。
絶対やばいと思った。

…当たって欲しくなかったが、勘は当たってしまった。


正直、怖かったのは男よりもしずくの方だった。
キスされてる間、ぼーっと空を見ていた。
指を突っ込まれても、あれを銜えさせられても、
何もされてないみたいに空ばっかり見てた。
声もあげなかった。

目を覗き込んで、ぞっとした。

感情を一切遮断してる、目だった。

「自分の、体だろ」
望がそう絶句していた。

男は執拗にキスを繰り返し、指を突っ込んでは息を荒げた。

私はとにかく逃げないと、と必死になった。
… …なのに、しずくはそれも遮断していた。

「このまま犯されてもいいのか!?」
一番近い所にいる望の声も届いてないみたいだった。

…その後どうなったのかは、知らない。

しずくは、
「どうして私なんか欲しがるんだろうね」
と、言って笑った。

その笑顔もやっぱり、怖いと思った。

2003年01月01日(水)
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