空虚。
しずく。



 五日たって

今日で五日目。
あの日以来、しずくは出て来ない。
こんなこと初めてで、私はどうしたらいいんだろう?

目が覚めて、「なか」の白い天井じゃなくて、
「そと」だと実感してしまう蛍光灯を見るのが一番嫌。
そして、この体に違和感がないのがもっと怖い。

『"しずく"は、もう主人格としてやっていけないよ』

十七年よく頑張ったね、って褒めてあげようよ。

誰かがそんな風に言って、泣いてた。


こんな日が来るなんて考えてなかった。
しずくはしずくのままだと思ってた。

完全に二つに分かれてしまった。
感情だけを閉じ込めた子供と、その抜け殻に。
今はもう、悲鳴と喘ぎ声しか聞こえてこない。
なのに、私にはどうすることも出来ない。
助け出す事も出来ない。
触れることも出来ない。

「あのひと」の名前を呼ぶ幼い声が聞こえても。
助けを求める声が聞こえても。

あのときのように、見ていることしか出来ない。


… …私も、少しつらいよ。
平気な顔で親や友達に笑うのって。

ねえ、なんでこんなことになっちゃったんだろうね…

普通に生きたいって、願って笑ってた日も…
しずくも…、すごく遠くなっちゃったね…

2003年01月05日(日)
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