空虚。
しずく。



 犬コロ。

私にとってあなたは絶対で。

私にとってあなたがすべてで。

あなたの言う事は、すべて正しかった。


けれど…

その、時だけは、違ってた。

私は尻尾を振り、ご機嫌をとる犬から、

あなたを、「壊」そうとする、ヒトに変わった。

中に渦巻く、歪んだ欲をぶつけるたび、

私は笑い、あなたは乞うた。

それでも私は止めなかった。

どれだけの哀願を引き出そうと、決して止めなかった。

満たされていた。けれど、空っぽだった。


…自分が堕ちた事を、実感した。

いつか、僅かな迷いもなくなる時が来る。

狂う、時が、来る。

それでも…抜け出せない。

私に、これ程の感情を与えてくれた、あなたからは。

2003年03月28日(金)
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