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■ 悪いのは。
線路が誘っているように見えた。
耳元に響く「STILL IN THE DARK」
ふらふらと、足を出す。
黄色の点字ブロック、消えかけた白線。
電車の到来を告げるアナウンス。
「…逝ける」
ちょっとだけ笑って、歩き出そうとして。
我にかえって、身体を押し止めた。
あまりにも死の感触が優しかった。
楽になれる、とおもった。
腕を切るのが、どれだけ辛かったのか知った。
何の準備も要らない。遺書も必要ない。
ただ踏みはずすだけで、よかったのに。
2003年03月27日(木)
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