空虚。
しずく。



 醜いほどに、綺麗だ。

謝罪の言葉など、意味がないとわかっている。
どんな言葉を吐こうとも、その傷が癒える事などないということも。
それでも、僕に出来ることは、こんなことしかなくて。
気に障る気遣いで、また君を苦しめた。
…それでも、触れていたかった。
自己満足という名の、罪滅ぼしのために。


「最低」
激情に身を任せて叫んだのは、
傷つけることすら出来ない、最低の言葉。
独りにならないと、気付かない事が多すぎて。
取り繕うような言葉ばかりが後から並んで。
結局何も、伝えることなど出来なかった。
意味のわからない涙すら、流れない。

「全部、綺麗事なのかな…」
僕の唇が紡ぎだしたのは。

甘んじて受けるべき罪のことを。どこかで怖がっていて。
傷つけていいといったのも。
許されるはずがない、とわかっていながら、
許して欲しい、と願っていた、おろかな僕の。

綺麗事。

わざと感情を殺したような君の声がまた、頭に響いて。
逃げるようにその場を去った僕の背中に、突き刺さる。
…また、一番大事な時に僕はいない。

「こんなんじゃ、仕方ないよね…」

あの時の姿が浮かんで。
また、胸が苦しくなって。
逃げたくなって。
だけど、逃げたくなくて。

向き合えもしないのに、
「傷つけていい」
だなんて。
言えるはず、ない。

でも、気付いてる。
痛みを受ける僕は、幸せなんだってこと。
本当は何より、君の方が痛いんだってこと。

"気がすむまで傷つけて"

君の気がすむことなんてないのに。

"好きなだけ、言ってよ"

僕に言葉を投げつける君の瞳が、とても哀しい事を知っているのに。

そして。

"愛してるよ"

…それが、一番君を傷つけてるのに。

***

…つくづく自分の言葉は綺麗事だと思う。
だけど、本心だ。…許されるはずもないけど。

2004年07月21日(水)
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