空虚。
しずく。



 鳥の詩。

あれ程、嫌っていたはずなのに。
いとも簡単に依存してしまえるのか…
と、少し、笑って、みる。

部屋に入ってすぐ、それとわかる臭い。
右手に染み付いた、大嫌いな臭い。
けれど、依存して、しまう。

窓辺で一人、紫煙を燻らせて。
真っ暗な闇に、目をやって、呟く。
「…何も、残ってない」

信じていた。それが、全てだった。
甘かったのは、私だ。
一度失くしたものを取り戻すのは、容易では無いと。
わかって、いたはずなのに。

酒と、煙草が、「私」を蝕んで。
…ああ、壊れていく。壊していく。

救いが、どこにあったのかすら、もう、わからない。

2005年04月07日(木)
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