空虚。
しずく。



 黙祷。

我ながら偽善だと、思う。
感傷に浸ることほど、おこがましい事はないと。
わかっているはずなのに、心がちっとも晴れない。

尼崎駅を通過する瞬間、目を伏せた。
別にその場所が見えるわけでなかったけれど。
何故だか、そうしたかった。

事故が起こってからずっと、身体が重かった。
何故だか焦燥感が消えなかった。
けれど、今日はそれがなくなっている。
全てのご遺体が搬出され、身元も確認されたから、だろうか…
…身体に影響があるなんて珍しいと、思った。

もし、あの土地に慰霊碑が建てられるのなら、
あの人には黙って、一人で花を手向けに行こうと思う。
別に何の関係もないけれど。
私にそんな資格などないけれど。
何故だか、そうしたいと、強く、思った。


2005年04月28日(木)
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