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■ 願えない。
あの時語った内容は、珍しく覚えていた。 確かに酒の影響はあった。少し、飲みすぎていた。 …でも我慢出来ない程に高まるとは思っていなかった。
本当に、死体が欲しくなった。 目の前の友人を殺したくなった。 ああ、そういえば何日か前にもそんな事を言った。 "酔ってた"なんて理由にならないとわかっているのに。 血が見たかった。内臓を触りたかった。脳を舐めたかった。 そして嘔吐しながら解体するのだ。 …ああ、なんて気持ちいい。
そんな事を、嬉々としながら語っていた。 せめて語ることで、妄想することで、満足させようと。 媒体を得て、感触を想像して、思い出して… それでも、満足は出来なかった。 理由をつけて、少しだけ足を切った。 痛みは無かった。血が、少しだけ零れた。
少し前までは、あの人の死体が欲しかったのに。 …今は、違っているらしい。誰でもいいのか、私は。
いつもの顔をしているのに、どうしてこうなのだろう。 別に装っているわけでもなんでもない。なのに、どうして。
ああ、死体が欲しい。新鮮な、死体が欲しい。 許されるならば私が殺したい。近しい人がいい。 その方が、興奮する。でも、あの人は殺せない。 だから、友人でいい。別に恐怖の顔は要らない。 死体が欲しい。死体が。
2005年05月11日(水)
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