空虚。
しずく。



 怖い。

こんな夜は、たまにある。
虚ろにしなければ、動けないような夜が。

理由など何もない。
あるとすれば、それは私の中。
私自身の愚かな思いから生み出された、醜い傷跡。

たかだか一本の日本酒では足りなかった。
これを空け終わるころには、酩酊していたい。
そのまま倒れこんで、眠ってしまいたい。

すべてすっ飛ばしてしまいたい。
まだるっこしい満足は、要らない。
死が欲しい。殺したい。死体が欲しい。
吐きたい。汚したい。壊してしまいたい。壊れたい。

身体が切れない。何も刻めない。
血が見たい。飲みたい。出来ない。

死体写真も、映像も、要らない。
本物がいい。そうでなきゃ、ダメだ。

こんなに渇望しているのに、
何も浮かべられずにいるから、気持ち悪いんだ。

傷つけたい。傷つけたい。
笑いたい。安心させて欲しい。
何も、おかしくはないのだと。言って、欲しい。

ああ、でもこれは、紛れもない、現実。
私には何も出来ないし、変わる事も、出来ない。
ただ、抑える事しか。その為に、切る事も、許されない。

まいったな…
本当にまいったよ…

この顔は、どうして何も変わらないんだ。
それさえ変われば、叫べれば、泣ければ、笑えれば。
少しは、変わっていけると、いうのに。

2005年06月07日(火)
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