空虚。
しずく。



 気持ちのやり場。

こんなことも、あるものなんだな、と妙に納得してしまう。
多分、私は怒っているし、悲しい。でも、認識出来ていない。
ただ、それだけのこと。

昨日の日記に指輪の事を書いた。
今日、彼女から言いにくそうに告げられた。
「失くした」のだと。

必死に謝られた。
でも、それを責めてどうする?
私は「気にするな」と言い続けた。
そうしたら、彼女はますます謝った。
私が怒らないのは、おかしいと言い始めた。

…?理解出来ない。

私が怒って何になるというのだろう。
失くした指輪が還って来るわけじゃない。
故意に失くしたのではないとわかっているのに、
彼女を責めても、互いに辛いだけだと思う。
だから、そうしなかっただけで。

本当は、私は怒っていたかもしれないし、
悲しかったかもしれないけど、何も表せなかった。
いや、どうしたらいいのか、わからなかった。

何を言うべきだったのだろう。
私は怒ればよかったのだろうか。

「何でなくしたのさ」
「信じられない」
「最低」

そんな言葉で彼女を罵ればよかったのだろうか。
そうすれば、彼女の気は済んだのだろうか。

…今になって、胸の内にドロドロした感情を感じる。
怒りか、悲しみか、はたまた別のものか、わからないけれど。
とりあえず、出さないようにしまっておこうと、思う。

本当は、出し方がわからないのだと。
そう訴えているのも私だけれど、今更。
どうしようもないのだと、納得させるのもまた、私。

2005年06月04日(土)
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