空虚。
しずく。



 安定。

左手を前に翳してみる。
薬指に光る、銀の指輪が目に入る。
"Promise"と刻まれたそれは、私と彼女の約束。
…少しだけ、落ち着く気がする。

これが、なかった時はひどかった。
自分でもおかしいと笑えるぐらい、狂っていた。
今は、そうでもないけれど。…時折、不安がよぎる。

彼女は小指にこれをつけている。
いつもはつけてなどくれないから、
それだけで私はとても嬉しくなってしまう。

でも、刻まれた「約束」が果たされることは、ない。

いつか、このシルバーリングを、
プラチナリングに換えることが私の目標。
私はそれを一生つけようと思っているけれど、
きっとあなたの薬指にはあの人との結婚指輪が光るのだろう。

…言葉に出したり、書くことは、とても良いね。
悲しみや、その他の色んな感情が、軽減される気がするから。

まだ来ていない、でもいつか必ず訪れるそれに、耐えられるよう。
今から、少しずつでも、強くなっていくよ。

2005年06月03日(金)
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