2003年02月22日(土) |
宙組 『傭兵ピエール』 『満天星大夜總会』 |
宙組公演が始まった。 あいて翌日・・・いわゆる“魔の2日目”を見に行った。
今回のストーリーは、タイトルはピエールだけど、 やっぱりジャンヌダルクの話・・・またまたタイトルロール(?) 幕開きから、いきなりストーリーの重さを感じてしまった。 「いきなり、火焙りのシーンかい。」 救い様のない、重さを感じたのだ。
と―こ―ろ―が・・・・・・である、見事に裏切られた。 軽い・・・ホントに軽い・・・軽すぎるくらい軽い。 「演出家、誰だっけ?は?石田?・・・・・・ま、しゃーないな。」 そう思ったと同時に「クレーム来るだろうな。オールドファンのおばさまから。」 そうも思った。
今回、最高にいいのは花總さん・・・そうジャンヌダルク。 私の知っているジャンヌダルクのイメージは、 “神に仕えた敬虔な救世主” だけど、石田先生のジャンヌダルクは“神には仕えているけど、すっとぼけのジャンヌ”だった。 じゃじゃ馬ジャンヌだった。
いきなり、和央さん扮するピエールに「私、生娘なの。」と告げる。 初対面なのに・・・。これでまず「は?なんですと?」と思った・・・私が。
そこからは「もう、ええっちゅうねんっ!!!」というくらい すみれコードを越えてしまったセリフが続く・・・・・・。 最初は「あははは。」と笑っていた客席も、途中で「はは・・・。」になり、 そのあとはもう一度「がはははは。」へと変化してしまうくらい。 ジャンヌがピエールに「あなたに操をあげます。」と言ったり、 ピエールがその約束を何度もジャンヌに確認したり、 最後の最後には捕らえられていたジャンヌがピエールに助けられて、 「私、たくさんの男の人に・・・」と屈辱的なことを告白してしまう。
「そんなこと言わんでもエエやん。」って思ったのは私だけではないはず。
まあ、そのセリフもあまり重さを感じさせないほど、軽いタッチの流れだったから いい・・・っちゃあ、いいんだけれども。
救世主のはずのジャンヌがよろい甲に着られちゃってるところや、 傭兵たちにあまり相手にされてなかったりとか・・・笑いたっぷりだった。 前作のトゥーランドットとはエラク違いすぎるキャラだった。 「これじゃ、ジャンヌが化けて出るぞ。」っていうくらい。
1番重かったのは・・・あいり扮するカトリーヌ・・・これが絵に描いたような悪い女で、 そのカトリーヌがワナにハマって身代わりとして火焙りにかけられてしまう・・・という・・・その残酷さと計画の軽さだったかな。 救世主であるはずのジャンヌを助けるためにピエールが考えだすのだが、 ジャンヌもその計画に乗ってしまうのだから、驚いた。 全く躊躇する間もなく・・・・・・。
そしてストーリーのラストは・・・なんと、『エクスかリバー』状態で、 とりあえず、ハッピーエンド・・・・・・。 なんだか、がはがは笑いすぎて、あまり覚えていない(>_<)
誰がカッコよかった・・・・とか、誰がどうだった・・・とか・・・ない・・・ホント。 あ、しいて言えば、ゆうかちゃん。 とても渋い感じのオジサマだった。カンパネルラでもトンだかタンだか・・・でもない。 ピエールと対等に話ができちゃうくらいの人。 「おおおっ!!! ラストらしいいい役やん。」ってうれしかった。
「これでもグランドロマン・・・って言うのかぁ・・・。」それが私の率直な感想だ。
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さてショーは『満天星大夜總会』まんてんぼしだいやそうかい。 漢字で書くとなんとも煌びやかだが、ひらがなでかくとオマヌケに見える。
“香港や1920年代の上海を舞台に・・・” どんな妖しいショーになるんやろかー。 『With a song』の例のしぶじゅん&ワタル氏のようなシーンがあるんやろか・・・ 『バビロン』のようなオリエンタルムード満載なんやろか・・・と 妖しさをか―なーり、期待していた。 が、こちらも裏切られた。
プロロはまあ、普通なのだが、次・・・トップ娘役である花ちゃんが女スリ・・・。 まあ、ここまではいい・・・がアイドルになって、ふりふりかわいく、歌い踊るのだ。 えっと・・・前にもあった・・・銀橋を渡りながら、大きなマイクで歌うシーンが。 それを大きく上回る、はじけっぷりだった。 そして彼女を取り巻く人々にゆうか&かなみちゃんがいる。 取り巻きたちのはじけっぷりと花ちゃんのあまりの壊れっぷりに大笑いしまくりだった。 おかしすぎる・・・おかしすぎる。 今や、トップ娘役のドンなのに、いいのかー?このキャラで? でも似合ってしまうから、こりゃビックリだった。
ひいひい笑いまくったあとに、孫悟空が出てきた。 「これも笑ってええんかいな?」と錯覚に陥ってしまった。 その錯覚から、引き上げてくれたのが銀閣すしおさん。 金閣はミズ。 「かっこい―――――っ!!! すしおさーん。」 オペラグラスはあげっぱなし。いい感じである。
そしてナニヤラ派手派手スーツに身を包んだギャングたちがボスイオリを中心に ずらずらずら――っと銀橋に並ぶ・・・。 「おや?ほんまもんの親分がおるで。」と思ったら美郷さんだった。似合いすぎ。
イオリはさすがにこういう着こなしに無駄がない。 そこへスーツをすらりと着こなした花ちゃんが出てきた。 名前は“ミンミン”・・・なんやねん?餃子か?と思ったのは私だけ? そして和央が登場・・・名は“タンタン”他に名前はなかったんかい?
そう思っている間にウェディングカップルが登場。 いや、ぞくぞく登場。 「これは“再会”か?“火の鳥”か?」って思った。 そして「どこが香港でどこが上海なんやろー?」って思った。
引き続き、銀橋を渡る和央&花ちゃん&イオリ・・・。 なんだかココが気に入ってしまった。花ちゃんがかわいい。
のほほーんとしていたら、今度は重々し〜い雰囲気のミズとかなみちゃんが登場。 かなみちゃんに見入っていたら、隣の悪友Tが「はるちん、すしおさん。」とつぶやいた。
ふと花道を見ると筋肉トレーニングのマシーンのような衣装のすしおさんが おどろおどろしく・・・登場していた。 さそりの親分らしい。 ボルテージが一気にあがった。 「うわー。すしおさんらしい〜。こんなサソリやったら、こりゃかなみちゃん、ヤラれるわな。」 そう思った。 ふと見るとともえちゃんこと珠洲春希ちゃんがまた妖しく踊っていた。 ともえちゃんのダンスはすしおさんのダンスに似ている。
なんだか頭がごっちゃごちゃになっていたところへ今度は白い海軍服を着たイオリが登場。 こりゃまたかっこいい。似合いすぎ。 そしてかわいいピンクのチャイナドレスを着たゆうかちゃんも登場。おやおや。
最近はなぜ、退団する男役にこういう格好をさせたがるんだろう・・・と思いながらも ゆうかちゃんをオペラで追っかけてしまった。 「ようやく、上海っぽくなってきたぞー。これからか―――?」 そんな期待をしながら、ワクワクしていた。 イオリとゆうかちゃんは元恋人同士でゆうかちゃんは盲目の娼婦だとか。 アヘンにおぼれていたけど、恋人の出現で2人で逃げることにする。 だけど娼館のボスが登場して2人を阻止する。 2人は“死”を選ぶことで自由を手に入れる・・・というストーリー付き。
そしてその次、白い鳥として昇天していく・・・という流れらしいのだが 登場するカップルは和央&花ちゃん。(なんでやねんっ!!! 最後までさせてーな。) 白い衣装での総踊り・・・中詰。
そんなことを思いながらも私のオペラはすしおさんを追う。 なんとも優しげな笑顔で踊るすしおさん。 銀閣とエライ違いやー。サソリともエライ違いやー。 それがまたイイのである。(←ほとんどバカ)
ちょっと虫っぽい衣装のちょっとコワイロケットのあとフィナーレ。 出ました、待ってました、黒エンビ。 やっぱり私はこれが1番大好きである。 かっこいいもの、かっこいいもの、かっこいいもの★ またもやすしおさんにうっきゃうっきゃ言いながら、見終わってしまった。
見終わった感想。 一体、なんやったんやろ?このショー。エライ笑ったなぁ。 どのへんが香港で、どのあたりが上海なんやろかー?
すしおさん、もっともっと踊ってほしい〜。 すしおさんとともえちゃんのダンスってやっぱりよく似てるわー。 手や指先の決め方や、目線の上げ方、背中から頭のライン。
なんだかお芝居もショーもこんなに笑うとは思ってなかったから 頭の中がパニックになってる。 ま、いっか・・・。あと何回見れるやろかー。
帰り道頭の中は『美麗猫』の主題歌だった。 なんでって? 主題歌がとーっても『美麗猫』の主題歌に似ていたから。
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