2003年10月11日(土) |
樹里咲穂コンサート『JUBILEE − S』 |
リカコンには洗練されたカッコよさを・・・ ジュリコンにはユーモア溢れるエンターテイメントを求めていた。
リカコンが完全にコンサート形式だったのに対して 樹里コンはミュージカル仕立てだった。
ヒロインがいて、仲間達がいて・・・キーパーソンがいて・・・。
ストーリーはどこかで見たようなものだった。 でもじゅりぴょんがおかしすぎた。
歌いながら登場して・・・このまま行くのかと思いきや いきなりちょっとしたトークが入る。 なんでもトークは突っ込みが大切だとか・・・ ・・・・・・ここで1人で漫才を始めるじゅりぴょん・・・。
・・・どこまでがアドリブでどこまでが真面目かわからない。
登場人物も多趣多彩で・・・下級生たちばかりだけれども見ごたえがあった。
歌い、踊り・・・芝居をして・・・笑わせて・・・ キメて、笑わせて・・・落として・・・笑わせて・・・。
カッコいいじゅりぴょんとおかしな下級生たち。
中でも麻愛めぐるクンと緒月遠麻クンが最高だった。 まちかクンはクラブのおかまのオーナー。 かなり徹底していた・・・ほとんど捨て身のおかまっぷり。
緒月は・・・晴華みどり扮する地上げ屋の手下なんだけど なんでも犬に育てられた人間らしく、興奮したりすると 言葉のトコロドコロニ犬の鳴き声が入る。 その犬の鳴き声が・・・これが・・・また絶品だった。 「ど、どないなってんの?」というくらいの鳴きっぷり。
下級生たちとのやりとりの中にじゅりぴょんが突っ込みをいれ、 下級生たち自身も充分・・・ジェンヌという立場を捨てたかのように笑いを取り、 「一体、これはなんなんだ?」状態だった。
めちゃめちゃベタなダジャレも連発する。 それでも平気、もう笑いすぎて、なんでもおかしい。
こんだけ笑わせておいて、「そこでマジに歌うのかよ〜。」と言ってしまいたくなるじゅりぴょん。
宝塚きってのお笑いエンターテイナーだと思った。
歌うとさすがの声量で聞かせてくれるし、踊れば、スパッとキメてくれるし、 歩きながらウインクを飛ばすし・・・投げキッスなんて飛ばそうもんなら 飛ばされたあたりの空気が・・・固まるのがわかるくらいだった。
そんなじゅりぴょんもラスト、揺れるペンライトに涙を流した。 ラストの歌の時に揺れるペンライトに・・・歌えなくなった。 声を詰まらせていた・・・・・・。そして 「今回の公演は泣かへんって決めてたのに。反則や。ペンライト・・・。 めちゃめちゃキレイでした。ありがとう。」 そう話してくれた。
終わらないカーテンコールに・・・最後は下級生たち1人1人を呼んで 1人1人と言葉を交わした。
かなり笑いを取った早花まこちゃんに 「これからのあなたの宝塚生活が心配だよ。」と言ったり、 急に泣き出してしまった今回のヒロイン大月さゆちゃんに 「泣かないの、泣かないの・・・大変だったもんね。」と優しく声をかけてあげたり。
でもやはりおかしかったのは緒月・・・ 「すごいおかしかったよ。あの犬・・・すごかったよ、ホントすばらしかった。」 ・・・とコメントするじゅりぴょんに 「普通の人間の役もまだできないのに、こんなことでいいのかと 少し不安になりました。」と・・・ここでも笑いをとっていた。
スクラッチのバンドのメンバーも1人1人紹介し、 最後のメンバーが舞台で使ったピンクのモップを持って登場しただけでなく、 ステージのど真ん中で転んでみせた。 そんな彼に「全部、やられた。全部持っていかれた。」と悔しがるじゅりぴょん。
本当に最後の最後まで楽しかった。
もうヒトツ楽しかったこと。 私の隣にじゅりぴょん大好きの悪友Tが座っていた。 彼女はじゅりぴょんが登場するたびに興奮し、ウインクに撃沈、 投げキッスに気を失い・・・本当に彼女を見てるのも楽しかった。 いつもTは私がすしおさんにヤラれまくっているのを見られているから 今回は・・・初めて落とされている人を間近に見ることができ、おかしかった。 「ひゃ〜〜〜っ!!!」とか「うわっ!!!」とか・・・。
樹里咲穂・・・彼女のような3拍子どころか、お笑いまで・・・4拍子も揃ったジェンヌはそうそういない。
渋い男役からオチャラけた男役、そして女役までもこなすじゅりぴょん。 彼女のような存在は今の劇団にはかなり大きいと確信を持ったコンサートだった。
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