2003年11月17日(月) |
宙組 『白昼の稲妻』 『テンプテーション』 |
今回の公演はわりとまんべんなく通った。 初日見て、翌週見て、また翌週見て・・・・・・・・・そして千秋楽。 最初は・・・見終わった時「なんや?これ?」って正直思った。
どこかありきたりで、盛り上がりにかけ、終わり方がまたいつもと同じだったから。
・・・・・と言いながら、本公演だけでも5回は見たから、私としては多いほうだ。
『白昼の稲妻』
花總さん演じるヴィヴィアンヌの復讐劇。 簡単に言ってしまえば、それだけのこと。 初日には言葉遣いはキレイなんだけど、意味の伝わらなさに不快感を感じながらも ストーリーを追っかけるのに必死だった。
ワオさん扮するアルベール。 またもや時々失礼男に変身する。 ガイチさん扮するオーギュストとかなみちゃん扮するベラがいちゃついているところに 咳払いをして登場し、「ヴィヴィアンヌを見なかった?」と聞く。 「見なかった・・・。」と言われると「失礼、ジャマして悪かった。」と立ち去る。 ホント、ジャマだよ。2人はいいところだったのに、エンリョしてくれよ。
いや、その前にも久しぶりにサロンに登場したところで、オーギュストと話していたのに、 ヴィヴィアンヌを発見したとたん、オーギュストとの話を強引に中断し、 しかもギャランティーヌ夫人が挨拶をしているのにそこそこにヴィヴィアンヌに声をかける。
・・・目上の人に失礼だよ。
そのうえ、ヴィヴィアンヌが親の敵を知って復讐する・・・と言いながら、狼狽しているところへ「助ける」と言いながら「君が好きだ。」と告白する。
今、言うなよっ!!! いや、本当は「君が好きだから、君を助けたい。」なんだろうけど、 どうも唐突過ぎて・・・「今言うなよっ!!!」と思えてしまったのだ。
失礼男はアルベールだけじゃなかった。 タニオカくん扮するサバティエ。 彼もヴィヴィアンヌに密かに思いを寄せながらも、諦めざるを得ない・・・とわかった時に 自分に思いを寄せる・・・まちゃみ扮するジルダの肩を寄せ 「結局、オレにはこんなところがお似合いか。」と言う。 最初はビックリした。 「お、おいっ!!! まちゃみに対して失礼やろ。まちゃみ、あんたも怒りぃ〜や。 失礼なこと言われてんで。それてもホレた弱みか?」そう思った。
・・・ところがこれは私の解釈マチガイだった。 サバティエは裏町の人間。 貴族だけでなく、有力な人々が権力を持ち、財力を持つようになっていくこの時代、 自分もかすかな夢を見ていたのか、ヴィヴィアンヌと同じ社会に生きてみたいと思ったのか、その諦めから出たセリフのようだった。
ご、ごめん、サバティエ、ごめん、ジルダ・・・あたしがまちごーとった(>_<)
その他の人・・・ってまだなんぼも書いてないな。
今回は花總さんのお衣装にぶっ飛んだ。 ぴ、ピンクかよ〜(>_<)
今回は全体的にデザインがイケてなかった。 それでも涙を流しながら迫真の演技の花總さんは・・・さすがだと思った。
ミズのランブルーズ侯爵。 彼は見れば見るほど病み付きになる。 あの少し鼻にかかった声で嫌味を言ったり、挑発的なことを言ったりする。 真実を見せずに裏ばかり・・・というのがドロドロと伝わってくる。
かなみちゃんのベラ。いい人なのか、悪い人なのか・・・純粋なだけなのか。 でもやはり「さすが。」と思わざるを得ない人だ。
ガイチ・・・明るいガイチ。フラれるガイチ。陽気なガイチ・・・いや、オーギュスト。 そのオーギュストの陽気さがあとのベラにフラれた時の哀しみを際立たせる。
劇中劇『オセロ』はガイチで成功したようなもんだ(失言?)
シーリア・・・今回は驚くほどオイシイ役。 ミズの愛人の役で、未亡人の役。 ヴィヴィアンヌの遠縁で彼女とアルベールのために力になる・・・重要人物。 しっとりとした大人っぽさが今回の全てにおいて 社交界の煌びやかさと儚さと哀しさを表現している唯一の人だと思った。
あとは・・・タキちゃん演じるカッサンドラ。 「いるいる、こういう人に慕われる母ちゃん的存在の人。」と思わせた。 歌がいい、なんとも味があっていい。 サバティエやジルダ、ルネなどに対する優しさがにじみ出ていた。 ここに住んでいる人たちもおもしろかった。 日によってやっていることとかが違っていた。 ヤケ酒飲む人、女から逃げる人、追いかける人・・・取り合いする人。 楽の日は1人の女の子の膝の取り合いをしていた。 「痛い、痛い・・・痛いって・・・。」と言う声がよく通っていた。 客席は大笑いだった。
ヴィヴィアンヌの家族を殺したランブルーズとヴェルネに復讐するために 『オセロ』を演じることとなって・・・・・・・・・・・・ だけど、ランブルーズたちにかぎつけられて、 主役を演じるはずだったベラたちが出演不可能となった時にまず、 ヴィヴィアンヌが「私にやらせて。」と言った。 「言わなかったけど、私、ロンドンでやったことがあるの。」 (・・・・・・そんなウマイ話があるかいっ!!!) そしてアルベールまでもが「自分がやる。」と言い出す。 (なんだいっ!!! 結局あーたたちが主役かいっ!!!)
だけどだけど劇中劇『オセロ』は迫力モノだった。
イアーゴを演じるガイチオーギュストが最高にいい。
結局、『オセロ』は大成功。ランブルーズとヴェルネが社交界追放となった。
オーギュストが「ボクは屋敷には帰らないから、探さないで。」といい立ち去る。
ヴィヴィアンヌは「私のためにあなたをこんなことに巻き込んでしまって。」と言う。 ちょ、ちょー、待ってくれ、オーギュストも屋敷には帰られへんねん。 カッサンドラの居酒屋も閉めないとあかんやろ。 ・・・となるとサバティエも住むところなくなんねん。
社交界追放・・・と言ったって、ランブルーズたちは生きてんねん。 お金、持ってんねん。きっとみんな仕返しにくるって・・・みんな危険やって。 そうツッコミを入れてしまった。 アルベールも「もうここにはいられない。」と言っている。 なのに「一緒にブールバールの世界で生きてみないか?」って言う。 ぶ、ブールバールってすぐそこやん(>_<) ど、どないなってんねーん!?!?!?
決してアルベールやヴィヴィアンヌに悪気はないんだけど、 どうもそう思わざるを得ないセリフに・・・「カンベンしてくれよ。」と思ってしまう。
そして「あー、またひっついて終わりかい。たまにはひっつかへんのが見たいな。 この間の雪組のヴァンサンとナディアのように・・・。」とも思った。
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『テンプテーション』
こちらもなんとなく・・・・・・・そう、なんとなくで終わってしまった。 どこがいいとか・・・どこがよくない・・・とかそういうワケではなく、 「あー、あのシーンがめちゃめちゃヨカッタねぇ。」という印象に残るシーンが あまりなかったような気がするのだ。
でも私はこのショーと『オセロ』のために通ったと言っていい。 じゃ、ショーのどこがよかったのか?
・・・・・・・それはすしおさんがずーっとシーリアと踊っていたから。 途中、えっちゃんと踊っていたりしたけど、ほとんどシーリアと。
1度・・・バイラバイラ・・・じゃなくて、その前のシーンで、 シーリアの髪飾りのスカーフが落ちた。 それをさり気に拾い、ニッと笑いながら、シーリアに渡した。 「やってくれるねぇ・・・。」そう思った。
白い衣装のダンスでは・・・タニオカくんとまちゃみがうれしそうに楽しそうに踊っている ・・・・・・その後ろで「この世の終わり。」というなんともいえない哀しげな顔で 踊っていた二人。 まるで人生の最後のダンス・・・という感じ。
なんやかんや・・・こんなこと言いながらも5回通い、 そして今はトウコちゃんのランブルーズを見るために東京行きを計画中。
『オセロ』で上手セリからせり上がってくる・・・・・・ スモークに巻かれたトウコランブルーズが見たいやん(>_<)
これってハマった・・・というんやろか?
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