凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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小学生の女の子がちょっとよろけてアイに軽くぶつかった。 「あ、ごめんね」とかわいくあやまるあたり、幼稚園児と違うなぁと感心。
憮然として「気をつけろよな」と返すアイ。 即行、アイの頬をぶったたいた。
幼稚園で男の子達とふざけて言い合う言葉なんだろうけど この場ではビンタがふさわしい。
「相手が謝っているのになんなのその言葉は!」
泣きじゃくるアイ。 勝手に泣け泣け。 お前が吐いた言葉で相手の心はもっと傷ついているんだから。
中島らも氏死去。 驚いた。 でも、普通の死に方はしない人だろうと思っていたから、納得。 氏の周りの人達は大変だったろう。
今日は氏の本を読もう。 「水に似た感情」にしようかな。 ビデオも借りに行こうか。 「永遠も半ばをすぎて」の映画化。主人公が佐藤浩市。 女性編集者役の鈴木保奈美がかっこよかった。 でもトヨエツはかっこよすぎだった。
ご冥福をお祈りします。
眠ると今日が終わってしまう。 正確には日付はとっくに変わっているので今日もとっくに終わっているのだけれど。
それでも、なんとなく、眠りたくなくてただひたすら本を読んでいたが、睡魔には勝てず、「それなら思い切り朝寝坊してやろう」と眠りについたのが三時。 アユムの顔面連打攻撃で無理やり起こされる。 六時。はぁ。朝か。 私のささやかな夏休みも終わりだ。
窓の外は耳をつんざくかと思われる程の蝉の声。 (大げさだけど気分的にはそう) 時折ひときわ耳障りな鳴き声が混じる。 あぁ掴まった蝉の悲鳴だ。 何を恨めばいいんだろうね。 合掌。
幼稚園へアイを迎えに行く。 保護者とハイテンションの園児達、ついでについてきた夏休み中の兄弟姉妹達やら何やらでごったがえすホールにアイの姿を探す。 「お疲れ」と声をかけると私を見上げ笑う。 「あのね、おかあさんに話したいことたくさんあるんだ」そうですかハイハイ。
きゃんぷはてんとじゃなくてべっどだったよ。○子ちゃんと寝たんだよ。白いパン食べたよ。ハイジの白パンだって。これ作ったの。じょうずでしょう。お風呂がふたつあってね。うそのいびきしてるこがいたよ。アイちゃんうそだってわかったもん。いったときトトロの曲でねーあるこーあるこーって、帰る時はアンパンマンの曲だったの。
アイの口は止まることなくしゃべり続ける。
寝る時ね、○子ちゃんの足に足をのせてねたよ。ううん。重いってはいわなかったよ。あぶらはむにーはーしちにんのこーってへんな歌でしょう?おどりがむずかしいんだよ。みぎぃてっひだりてって。
シャワーを浴びさせ汗を流してやる。 ついでにアユムも本日三回目のシャワー。 それでもこっちは汗疹まみれだ。 肌が弱いとはこういう事か。
昼食は軽くすませたらしい。 それじゃ、とおやつ代わりに冷やした桃を切って食べさせる。 ぺろりと平らげるアイ。 初めて食べる桃にとまどい吐き出すアユム。おいおい。
とりあえず、昼寝をさせよう。 アイは横になると「キャンプファイヤーしたよ。皆で大きな輪になってゲームしたの」と言い、眠りについた。 「またキャンプいきたいなー」とつぶやきつつ。 それは無理。私一人ではどうにもなりません。 アユムもついでに昼寝。
さ、今日から本腰を入れて、アイ達の相手をしないとな。 今のうちに夕食の用意しておこう。 もうカレーでいいや。 あ、キャンプで食べたっていってたっけ。うーん。
アイの夏休みは始まったばかりだ。 起きたら、蝉取りかなやっぱり。 ごめん。蝉。
カーラジオで女性DJがリスナーからのメールを読んでいた。 「今日は幼稚園年長の息子のお泊り保育です」 ほう。この時期ってどこの幼稚園もお泊り保育やるのね。
今日はアイ達も一泊二日のお泊り保育だ。 「キャンプってばーべきゅーやるのかな」とアイは前夜から興奮気味。 「いや、幼稚園のキャンプでバーベキューは無い。」とついあっさり切って捨ててしまい、慌てて「でもあったら楽しいねーどうかなーあるかなーキャンプファイヤーはあると思うけどねー」とフォロー。 アイは明らかにテンションが落ちた声で「きゃんぷふぁいやーってなに」とつぶやいた。 ごめん。
「幼稚園のお泊り保育ってなんですかね、あの、幼稚園がお母さんとお父さんに気をきかせて実施してくれるんですかね。“おふたりで今夜はどうぞごゆっくり、なんとかのいぬまにGO!”みたいな。考えすぎですか私の」とラジオで女性DJが豪快に笑う。 ほう。幼稚園が少子化問題にそこまで気を回してくれると面白いねぇ。 それじゃその学年は下の子が同級生が多いのね。 同じ誕生日の子がうじゃうじゃいて。 で、互いに密かに(おたくもですか)(あの日の子なのね)なんて心中思うわけ。 なんて、有り得ないです。はい。
そういえば以前TVで見たけど遠洋漁業の町では誕生日が近い子ばかりになるとか。 そりゃそうだよな。時期ハズレの子が生まれたらバレバレだよなぁ。 でも繁殖時期が一緒だと色々楽そう。
お馬鹿なこと考えつつ幼稚園到着。 アイは元気に「いってきます!」と園内に消えていった。 今夜は興奮して眠れないんじゃないのかなあの子。
さて、これから今日はアユムと二人きり。 私の夏休みだ。 好き勝手させてもらおう、と思うも、アユム連れではどうもならず。 ささやかに本屋めぐり。 北村薫さんの文庫を探すも見つからず。 仕方ないので注文し、帰宅途中のスーパーで適当に食料を買い込み帰宅。 時刻は正午近く。 アユムは好物のバナナを一本貪り食うとコロリと寝てしまった。
「師匠と私シリーズ」(?)を引っ張り出し眠っているアユムの隣に寝転がる。 かつては主人公の「姉と私」に自分を重ねて読んでいたが、読み直すとアイとアユムの年齢差である事に気がつく。 この子達はどういう姉妹になるのかな。 仲がよい姉妹になって欲しいけれど。
過去に読んだ本を読み返すのは、その頃から自分がどれだけ離れたところへ来てしまったかを思い知る事が多く、少し淋しい。
アユムは途中何回か目を覚ましながらも横に寝そべる私の姿を確認すると再び眠りに落ち、を何度か繰り返し、結局四時間も昼寝した。 アイがいないとこうも眠るのか。
夕飯は適当にお惣菜のお弁当で済ます。 土用の丑の日との事なのでささやかながら鰻入り弁当。(嫌いなのに) ゆっくりTVで野球を観、アユムを九時には寝かせ、再び本を開く。
アイがいないとこんなにのんびりできるんだなぁ。 やっぱり子供がいると疲れるよね。精神的にも体力的にも。 アユムは赤ん坊だから楽。 一緒に寝てれば良いんだし。
そんなわけで、私の夏休みは明日の昼まで。 午後には楽しさと疲れでハイテンションになっているであろうアイを迎えにいかなきゃ。
夜、何を思ったのかアイが「あいちゃんがママになる時病院どこにすればいい?」と言い出した。 ママになる時の病院って。産院ですか。(遠い目)
「アイはどこがいいの?」と聞くと(聞くなよ)「○クリニックがいいな」と私がアユムを出産した産院を言う。 あぁいいんじゃない? あそこのキッズルームがお気に入りだったからだろうな。 親子二代で同じ産院ってのも夢があるかもね。 なにせ出来立ての産院だったので、後二十年はあるんじゃなかろうか。 っておいおい、アイは25で出産?(←一人でつっこむ)
「そしたらお母さん、アイと赤ちゃん見にお見舞いに行くね。」と適当に相槌。 「アイがママならお母さんはおばあちゃんだなぁ」と当然のことを言うとアイがいきなり黙り込んだ。 しばらくするとすすり泣き。 「何泣いてるの?」と聞くと「おかあさんがおばあちゃんになったらアイちゃん忘れちゃうかもしれない」と泣く。 意味不明。 「忘れて良いよ。アイがお母さんのこと忘れても、お母さんはアイの事忘れないから」と返すも泣き声はおさまらず。 「あいちゃん、お母さんのこと忘れちゃう」としまいには号泣。 あぁもう言ってる意味がわからん。 「いいんだよ。アイがお母さんの事忘れてもアユムがいるでしょう?アユムの事は忘れないだろうから大丈夫だよ」 しゃくりあげながらも「お母さんのこと忘れちゃう」と言い続ける。 何を考えてんだか理解不能。 あぁもう。 「分かった。それじゃお母さんはおばあちゃんになるのやめるから。アイが赤ちゃんのママで、お母さんはお母さんね。そうしよう。」 こっちも意味不明の提案をすると、アイはなぜか納得したようで泣きやみ、眠りについた。
なんだそれ。 ある程度説明して説得すれば納得する歳になってきたと思っていたんだけれど、五歳児ってこういうもんなのか。 かと思うと「血にはせっけっきゅうとはっけっきゅうとけっしょうばんがあって」なんて本で覚えた知識を得意げにひけらかしたりするし。
子供ってこういう「情報によって得た知識」と「経験で育った感情」のバランスが無茶苦茶なんだろうなぁ。 それともこれはアイの性格で「明日起こるかもしれないけれど起こらないかもしれない事を憂いて行動できない」なんてタイプなのかしら。 どちらにせよ、先が思いやられる事。 まぁ、とりあえず、アイの希望だからおばあちゃんにならないよう、かわいいおばちゃん目指そう。(←意味不明)
今日は町内会の夏祭りだ。 子供会やら自治会主催なので本当にささやかな可愛らしい祭り。 屋台などもなく、綿菓子を作るのも焼きそばをつくるのも近所の保護者達。 それでも子供達はわくわくして出かける。 夏休みの前夜祭のような祭りだ。
そろそろ開始時間だな、と階下に下りていくと幼稚園OBの子供達と遭遇。 一人が可愛らしい浴衣を着ているのを見て、もう一人の女の子が自分も、とだだをこねている。 更にそれを見たアイも「アイちゃんも浴衣着る〜!」とごね出し。 はぁ。仕方ない。 引き返して浴衣を引っ張り出す。 去年すそ上げして着せていた浴衣は10cm以上短くなっていてふくらはぎあたりまでになっていた。 うわ、一年でこんなに伸びたのかこいつ。 仕方ないのでつんつるてんのまま着せる。 アユムにはアイのお下がりの甚平。 サイズ90がぴったり。来年はこれもお役御免か。
自治会長さんが「最初の挨拶するから並んで」と子供達にマイクで話す。 「こら!そこのソフトボール!並ばないと何も食べさせないぞ!」とユニホーム姿の子供達を脅すおじさん。 焼きそばを焼く父親を見つけ、「ちょーだい!」とねだる息子らしき子供。 ちゃんと並べと怒られる。 いかにも町内会といった感じのほほえましい光景。 だけど、私が知ってる人は一人もいない。 大勢の人が集まる場所は己の交友関係の狭さが身に染みて居心地が悪い。 それでも、子供のため、と我慢して片隅で見物。
アイはカキ氷の列に何度も並ぶ。 子供達は「カキ氷三回目〜!」「おれ、綿菓子二回とカキ氷二回!」と誇らしげに報告してくる。 自治会主催なのですべて無料。 「夕飯代わりに」と持参したビール片手に焼きそばとおにぎりをほおばる大人達。
見ると奥様方登場。 家族ぐるみのお付き合いなのでご夫婦皆様でビール片手に談笑しつつ楽しむ子供達を遠めに見守っている。 「こんばんは」とご挨拶。 歩きまわるアユムを見て、「去年は生まれたばかりみたいだったのにね」と旦那様方が驚く。 「人の子供って大きくなるの早いよね。」ほんと。 奥様方はカキ氷を食べつつおしゃべり。 旦那様方はタバコを吸うべくか、これまた一塊になってくつろいでらっしゃる。
いいなぁ、こういう気の置けないお付き合いが出来る家族がたくさん居るって。 奥さんは奥さんで楽しんで、旦那様は旦那様で皆でくつろいで、子供達は子供達で遊びまわって。
うちでは一生できない事だろうな。 夫の友達って、居たっけ? 少なくとも、近所で、家族ぐるみで遊べる友達はいない。 私も当然いないけど、もし居ても、一緒に行動しようなどと提案しても、「面倒くさいけれどこれも家族サービスだから言う事を聞いてやるよ」といわんばかりの態度でついてこられるだけだろう。 基本的に、夫は人と対等に付き合う気の無い人間だ。
帰宅すると電話に夫から何回も着信履歴が。 連休で暇を持て余しているのかな。羨ましい事。 こちらは子供二人連れてあれこれ予定を入れてやるのに必死なのに。
来年の祭りの時も夫はいないから母子家庭だ。 夫が居ても、祭りに連れて行ってやったりしない人だから関係ない。 去年はアユムが小さかったので夫に頼んでアイを祭りに連れて行ってもらった。 「綿菓子食べたいっていうから行ったら機械が壊れて綿菓子は中止だった」とものの10分位でアイを連れて帰ってきた。
違うだろ、祭りに行くってのはそういう事じゃないだろ。 親と行って、お友達と会って、夜のいつもと違う空間で子供が堂々と遊べるわくわくする場がお祭りだろ。 綿菓子がなかったから帰ってきたってなんだそれ。
結局私が生後二ヶ月のアユムをベビーカーに乗せて再度アイを祭り広場へ連れて行ったわけで。 帰宅すると夫はいつものごとく、部屋に篭りパソコンの前で自分の世界。 この人は、外界の接し方というのが本当に分かっていないのだなぁともう哀れみを通り越して蔑みの感情しか湧いてこなかった。 それが去年のお祭りの記憶。
今年はアイに浴衣を着せた。 カキ氷をたくさん食べて、アユムも生まれて初めてのカキ氷(渋く宇治)を一個ぺろりとたいらげた。 (その後しっかり便をしてたが) くじびきでおもちゃを貰い、皆と踊り、一緒に夜道を帰ってきた。 「お祭りたのしかったね。アイちゃん眠いけどがんばったよ(何を?)」とアイも満足気。 子供のうちは楽しい思い出たくさん作ってあげないと。 去年の記憶が上書き消去されたらいいのにな。
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中村ノリの同点ツーランで7対7になった時点で後ろ髪を引かれる思いで祭り広場へ行きました。 携帯ラジオはイヤホンが壊れて聞けなくなってしまったので祭り会場で聞く事も出来ず。 うう。 まさかの逆転負けですか。 三瀬も疲れが出てきたのかなぁ。 夏バテの時期だしねぇ。 来月は和田と城島が抜けるし、後半戦、なんだか前途暗雲? もちろん、他球団も主力選手が抜けるわけだけど、キャッチャーが抜けるのって大きいよね。 ここは男田口に頑張ってもらうしか、とは思うけど、正直田口って勢いだけの人みたいだし。 もちろん好きだけど。良いムードメーカーだし。 新庄みたいにムードだけじゃなくて試合も作れる選手はあんまりいないしなぁ。 頑張れ、たぐちくん。
お遊戯会を見るべくやってきた母はとっくに帰ったのだが、帰る前に「カラオケに行きたい」と言い出した。 カラオケ好きの彼女はこちらへくるたびお目当ての曲をこっそり練習すべくカラオケボックスへ行きたがる。 そして練習を積み(?)家へ帰ってからカラオケ仲間達に歌声を披露するのだ。
独身時代は「今月の新譜」を友人Sと奪い合い歌いあい、その新譜欄で何曲歌えるか、どころか、知らない曲があると愕然としたものだった。 (何せSは演歌から何からレパートリーが幅広かったので) それも今や昔。 すっかりカラオケが苦手となった私にはもはやカラオケボックスは苦痛でしかない。 しかしこれも親孝行ととりあえずお付き合いする。
アユムを抱き、アイと母を連れカラオケボックスへ。 母はさっそく練習に励むべく曲をどんどん入れる。 アイは好きなアニメの主題歌をガンガン歌う。 仕方ないので私も適当に選曲。 新しい歌は分からないので古い歌。 渡辺はま子とか。(←極端すぎ)
赤ん坊と年寄り連れてカラオケの何が楽しかろう。 なんかもーばかばかしい気分なので軍歌を歌う。 軍歌は○チガイとしか思えない歌詞ばかりなのでやぶれかぶれな気分に合う。 「紀元2600年」があったので歌う。 妹尾河童さんの「少年H」にも出てたこの曲があるのは珍しい。 「海ゆかば」は大概あるけど。当然両方歌う。 「山行かば 苔むす屍〜♪」ですよあなた。 こんな歌歌ってたなんて日本ってほんとに狂ってたのね。 お気に入りの「荒鷲の歌」 「♪空の守りは任せたぞ♪来るなら来て見ろ赤とんぼ♪」 なんてなんかもうどこから来るんだその根拠の無い自信はと突っ込みまくりの歌詞。
ダイエーホークス応援歌の欄に本人出演バージョンの印を見つける。 おお!本人って誰? 期待に胸をふくらませ入れると始まるなり秋山が!おお〜秋山〜!! 小久保〜!!これは誰だ浜名か〜?!きゃー城島が細い〜!!! どうやら初の日本一になった年の映像のよう? それじゃ藤井さんは居るかしら〜?と探すも見つけられず。残念。 それじゃ森口博子バージョンの歌では誰が? 歌はアイに歌わせ画面に食い入る。 あぁ同じ映像かやっぱり。あー大道〜!かっこいい〜!!!
一時間で終わるだろうと思っていたが、終わってみたら四時間たっていた。 フリータイムにしておいてよかった。 なんのかのいって、楽しんだんじゃないか自分。 次回は「加藤隼迎撃隊」を完璧に(←もういい)
たたんだ洗濯物をしまう。 なんとなく、溜息をつきながら洗濯物に顔をうずめる。
洗いたての固い生地を頬に感じながら、 ふと、「最後に誰かの胸なり背中なりに顔をうずめたのって何年前だっけ」と思う。 覚えていない。 いつだったっけ…もう思い出せない。 それでも、誰かの胸に、背中に、その生地を頬に感じながら、 泣いたり、安心したり、心ときめかせていた事があったはずだ。
洗濯物に顔をうずめたままぼんやりしていると 背後から聞こえる小さな足音。 見つけた、と言わんばかりの小さな声を上げ、 私の背中に顔をうずめるアユム。
ああ。もう。思い出さなくてもいいのかもしれない。 私の背中を、胸を、覚えておいて貰えばいいのか。
それはほんの少し、甘く、淋しい。
アイが突然「スイミングに行きたい」と言い出した。 幼稚園で市民プールに連れて行ってもらい、それが楽しかったもよう。 だって、あんた「鼻に水が入って痛いからイヤ」と言い出して挫折したんじゃん去年。 それなら退会でなく休会にしといても良かったんじゃない、などとぶつぶつ思いつつも、本人がその気になっているので体験教室を探す。
集合住宅内の同じ幼稚園OBの子供達は皆同じスイミングスクールに通っている。 「アイちゃんも入ればいいのに」と子供達が言ってた。 その言葉が嬉しかったのもあるのだろうか。 とりあえず、体験教室に行ってみる。
受け付けで「スイミングスクールは初めてですか?」と聞かれ、「いえ、一年ほど前に別のスクールに入ってました」と答える。 一応、ヘルパー無しでビート板使ってばた足程度はやってたんだけど。
プールサイドで子供達が「あ、アイちゃんー」と声をかけてくれる。 アイはおおはしゃぎ。 「よろしくね」と声をかけ見学室へ。 アイは一番うかれまくってプールサイドでも飛び跳ねている。 以前行ってたスクールと違ってここは「スイミングスクール」というより「水遊びプール」といった感じ。 子供はこちらが楽しいだろう。 別にがんがん泳げる子になって欲しいわけじゃないのでここで十分かも。
あがってきたアイはもう入会した気でいる。 「もうちょっと遊びたかったのに」と不平。 入会手続きをしていると子供達も上がってきて一緒に騒ぎ出す。 まぁ、楽しそうだからいいか。
お迎えに来た奥様が「入会したの?」と訊ねてくる。 「楽しそうだから。よろしくお願いします。」と答える。 奥様達は交代で送り迎えをしてるそうな。 行きは別の奥様が子供達三人を連れてきていた。 帰りは別の奥様。 相変わらず仲が良い方達だなぁと羨ましく思う。
それじゃ、と皆と別れる。 アイは「どうして皆一緒に帰るの?」と淋しげ。 「どうして自分だけ一緒じゃないの?」 うーん…それは、お母さんが奥様達と知り合いではあるけれど、お友達ではないからだよ、とも言えず。 送り迎えに参加させてもらうにも、うちのチャイルドシート付きの小さな車じゃ子供は乗れても三人が限度。 四人は無理。 アイの小さな疎外感は付きまとうわけだ。 大丈夫かな…
泳力テストはスイミング経験者であるにもかかわらず、最低クラス。 「水慣れコース」だった。 おいおい。 あんた、去年まではヘルパー無しでがんがん飛び込んでいたのになんだこれ。 今までつぎ込んでいた月謝は溝に捨てていたようなものだったのか。 これなら受け付けで「まったく初めてです」と言っとくべきだった。 はずかしー。
なんとなく、落ち込み気味。 まぁ、どうにかなるか。ってか、どうにかしてかなきゃ。
アユムがやっと「ばいばい」の芸を覚えてくれた。 園バスの運転手さんが毎回運転席からアユムに手を振ってくれるのだけれど、まったくの無反応なのでいつもいつも申し訳ない気分だった。 これで運転手さんの私達保護者へのささやかな気配りも報われるというものだろう。
バスがくる。 運転手さんに会釈。 さぁアユム!今よ!覚えた芸を披露するのよ!! しかしアユムは固まったまま。 「ほら、アユム、ばいばいは?」と促すもやはり無反応。 あぁ笑顔で手を振ってくれている運転手さん、今日もごめんなさい。 申し訳ない思いでバスを見送ると、走り去るバスに向かって手を振るアユム。 遅いんだってば。
アユムはいつもご機嫌。 一人で何かをしゃべりまくり、人に会うと破顔一笑というか、顔が崩れまくるほどの笑顔を向ける。 おかげで大概の人に「まぁ!こんなに笑ってもらえると嬉しいわね!」と喜んでもらえる。 通りすがりの老人が「この子はいつもこんなに機嫌がいいのか?」と聞いてきた。 そうです、と答えると「それはいい。人生得するよあんたは」とアユムに語りかけて去っていった。 そうか。得するのか。 って、まだ人生始まって一年だけど。 先、長すぎ。
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長島ジャパン。 見たかったけど、ポケモン映画を見るアイにチャンネル権を奪われ叶わず。 和田投手と岩隈投手が常にツーショットなのに注目してくれ(←違うだろ)
一緒に幼稚園に通った子供達が集合住宅横の公園スペースで遊んでいた。 それを見たアイが「アイも一緒に遊ぶ!」と駆け寄っていった。 まぁいいか。先日も一緒に遊ばせてもらったし…とアユムと部屋に戻る。 メンバーは小学生になったかつての園仲間(?)三人。 それに彼らの小学校高学年のお兄ちゃん二人。 夕飯時になったので様子を見に行く。 アイが浮いているようなら連れ帰らないと子供達に気の毒。
言ってみるとやはり子供達はしらじらとした雰囲気で手持ち無沙汰にしている。 アイは一人夢中で泥遊びをしている。 「かけっこしたいのにさ」 「アイちゃんがちょろちょろめざわりで」 目障りですか。 小学生も高学年になるとボキャブラリーも豊富になる事。 分かっていないアイは「めざわりっていうとあいちゃんいやだよー」と笑う。 ギャグだと思っているのか意味がわかってないのか。 両方だろうなぁ。 人が言う言葉はなんでも楽しく愉快な言葉ばかりなんだと思っている節があるものな。 「そう、ごめんね」 他になんて言えばいいのやら。 大人としては毅然とした態度で「そんな事言っちゃ駄目。小さな子ともちゃんと遊んであげなきゃ」なんて説教たれた方がいいんだろうけど。 でも小さな子がいると遊びのランクを下げなきゃいけないのが物凄くつまらないんだよな。子供って。 気を配ってやらなきゃいけないから自分が遊びに没頭できないし。
駄目だ。 歳の離れた兄と姉に「お前が面倒見ろ」「嫌だ、そっちが遊んでやれば」と世話を押し付け合いされていた記憶が消えない身としては、この状況が辛くて仕方が無い。 「遊んでくれて有難う。またね。」とアイを連れて帰る。 「アイちゃんかけっこしたかったのに仲間に入れてもらえなかったの」 「そう。アイは幼稚園だから、皆みたいに早く走れないからまだ無理なんだよ。小学生になったら一緒に走れるよきっと。」 適当に慰めの言葉をかける。 アイが傷ついた様子でないのが幸い。 こういう点ではこの子のにぶさに救われる。
自分は邪魔なんだ。自分がいると皆が遊べないんだ。自分がいなければいいんだ。 子供の頃に刻み込まれた感情はどうやったら消せるんだろう。 アイにそういう感情が刻まれることが無いのを祈るばかり。
いやー面白かったですオールスター! ダイエー打線大爆発の一日目、新庄選手大活躍の二日目、どちらも見ごたえばっちり。 初日、ベンチで新垣投手がずーっと松坂投手の隣にいてなんか話してたんで、仲良いのかなーと思ってたらその夜は和田投手と三人で飲みにいったんだとか。 あら、和田投手はずーっと岩隈投手とツーショットだったので彼も一緒かと思ったら。 二日目も岩隈投手の隣だったしね。 選手の交友関係が見えて楽しい。 工藤投手、「自分は周りが言うほどおやじだとは思ってないんですけど」ってそりゃ誰でも自分自身の事はそう思うよ。 でも減量したとはいえマウンドで投げている様は「ドスコイ」って感じで身体が重そう。 おじさんが青色吐息で投げている感じがひしひしと伝わってきます。 歳に負けずに頑張って〜 川崎選手はもっと出して欲しかったですね。 そう残念がっている女性ファンは多かったのでは。 新庄選手のホームスチール、「松中さんに“行ってもいいかな?”って聞いたら“いいんじゃない?”と言われたので」とヒーローインタビューで言ってたけど、その時のセの三塁手(誰だっけ?)はその会話、気づかなかったのかしらん(笑) なんかお祭りムード全開で選手も楽しんでるんだなぁというのが画面からも伝わってきて見ててほんと楽しかった。 今年で最後にならないで欲しいけど。
母が「アイと一緒に飾ろうと思って」と笹を抱えてきた。 アイは喜んでせっせと折り紙を切り刻み母と飾り付けに夢中。 短冊が下がっていたので何を書いたのかな、と見てみる。
「げんきにいられますように」
…うん、そりゃ大事だ。けど。 五歳児の願い事にしてはその…こう…(遠い目)まぁいいか。
家の電話に夫からの着信履歴。 携帯にも履歴。あぁ着信拒否設定したままだっけ。 まぁいいや。それにしてもこの回数。 一体何事だろう。 用事があるのならメールすればいいものを。
夜に夫から電話。 「七夕だったからさ、アイ、短冊に何願い事書いたのかなと思って」 あら、何か自分に叶えられそうな願いだったら叶えてやろうとでも? 気が利くじゃない、とちょっと見直し、「えっと、元気でいられますように、だったよ」と答えると「なぁんだ。おとうさんに会えますようにじゃないのか〜」と一人で思い切り残念がり「じゃ、別に用は無いから」と電話を切った。
哀れな男だなぁ。 今まで人から「会えなくて淋しい」とか言われた事無いんだよねこの人。 まともな恋愛経験無い人だから。 だから娘に思い切り慕われるのが新鮮で嬉しくて仕方ないんだろうなぁ。
ってか、たったそれだけを聞きたいがためにあんなに偏執的に何回も電話してきてたのかと思うと。 なんかもうカワイイとか哀れとか考えてやる気になれない。 きしょい。その一言。
なんか夫がいなくても全然いつもと変わらない生活が送れる(反対に快適でさえあるかも)事実にますます夫の存在が疎ましくなってきてしまっている。 あーあ。困ったね。(溜息)
2004年07月06日(火) |
内容がみえないよう。なんちゃって(←死) |
お遊戯会、年長のアイ達は劇をやる。 先生の生ピアノの演奏に合わせて台詞をしゃべって歌って踊る、ほとんどミュージカル。
「どんなお話なの?」と聞くも、アイにあらすじなど言えるはずも無く。 「アイちゃん妖精なの」とご満悦。 「他に誰が出てくるの?」「○○くんがとむ」 ふむ。主人公はトムという男の子か。 「ほかに誰が出てくるの?」 「知らない男の子がおじいさん」 えーっと、まだ名前を覚えていないクラスメイトがいるわけね。 「それとけいかん」警官? 登場人物はそのくらいらしい。 覚えてきた皆の台詞や歌を家で楽しそうに歌う。
♪はたらっきっものだーよとむってやつはー♪ なんでも三年せっせと働いて、初めてお給料を貰ったらしい。 なんだそれ。奉公でもしてたのか?
♪どろぼーはどこだっ♪どろぼーっつかまえろっ♪ 泥棒っておじいさん? 「違う。掴まるのはとむ」 へ。三年間無報酬で働いてきたトムが盗みに手を染めてしまうの?
♪きんかを盗んだ悪いやつ♪年寄りいじめはゆるさない♪ え、年寄りから現金強奪?真面目に人生生きてきたトムが? いったいなぜそこまで堕ちてしまったのか。哀しい話じゃないか。 幼稚園のお遊戯会でやるには重過ぎる内容じゃないのか? 家で歌うアイの歌や台詞は断片的で意味不明。
(↓想像) トムは健康とバカ正直がとりえのちょっとどこか足りない青年。 住み込みでただでこきつかわれていた店に勤めること三年。 はじめて給料という名の小銭を貰う。 喜ぶトム。しかし彼はひ弱な老人から大金を盗み、警察に追われる身となる。 一体何が彼をそうさせてしまったのか? なんか社会派ドラマみたいだぞ。
お遊戯会で謎が明かされるのを楽しみにしてよう。 ってか、早く終わってくれお遊戯会。 毎日毎日毎日毎日アイの歌と台詞責めで私まで暗記してしまった。 当日休んだ子がいたらさっそうと代役を務められるよわたしゃ。(←バカ)
「スカート」「押さえる」「やめて」「脱がせる」で検索されていた。 なんつーか、お疲れ様です。
「おかーさんみてみて」がアイの口癖。 運転中にそれを言われても困る。 「運転中だから無理」とにべも無く切って捨てるが構わずアイはしゃべり続ける。 「みてみてー手の指に毛が生えてるのーなんでだろー?」 なんでって、そりゃあんたが毛深いからです。なんて言えない。つーか、そんなの運転中に言われても。
「おかーさんみてみて、これ、どっちがかわいい?」 アイのお気に入りの○カちゃん人形。 どっちも同じようなピンクのドレスじゃん。 「右のリボンのヤツ」「どうして?」「リボンが可愛いから」 「どうしてこっちは可愛くないの?」 「可愛くないわけじゃないよ。どっちも可愛いよ。」 「どうして?」 あーーーーーーーーーーーうざい
万事がこの調子なので、相手するのも忍耐力がいる。
母がお遊戯会を見にやってきた。 特に知らせるつもりはなかったのだけれど、実家に電話をしていた時アイが電話口に出たがり、代わった時にどうやら話したもよう。 アイは大喜び。 「おばーちゃんみてみて」とターゲット変更。 自分に構ってもらいたがる孫に母も嬉しいようで「おお!凄い!」とオーバーリアクションで答える。 ちゃんと自分の相手をしてくれる人間がいる生活はそりゃ楽しいだろうなぁ。 すまん。私一人じゃアユムの世話で手一杯。 やっぱ子供の相手は年寄りが良いよ。 忍耐力っつーか(母曰く)暇だからいくらでも相手できるし、我が子じゃないから無責任に可愛がる事が出来るし。 うちの母談、ですが。 そういう理屈で私も祖母に育てられたわけか。 まぁいいけど。ある意味正解だったかもしれないし。
なんか考えがまとまらない。
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先日壊れたホークス観戦法(?)を書いたら翌日からホークス三連敗。 すみません。私が悪うございました。 谷間男の倉野が見事連敗を止めてくれました。 有難うございます。 そろそろ選手も夏バテしてくる時期ですね。 グーリンは日本の夏を耐え切れるでしょうか? 去年は夏男杉内が夏になってからいきなり元気になって飛ばしてくれたけど、今年は彼もいないし。 井口選手、また不振ですねぇ… 一番だし頑張って欲しいです。
さて、七月だ。 今月はお遊戯会と、園外保育という名のキャンプ、夏休み、TDL行きと私的には予定盛りだくさんでげんなり。 あぁもうこのくそ暑い夏を乗り切れるかだけでも謎なのに。 眩暈が死相。(←ナイス誤変換なのでそのままにしとく)
年中から入会した英語教室。 園で一緒のクラスの子が行ってるから行きたい、とアイが言うので入会したんだけれど、年長になったらその子と園のクラスが分かれてしまった。 これでお付き合いも終わりかなーと思っていたが、年長になったら英語教室の女の子はアイとその子二人だけになってしまい、より仲良しになってしまったもよう。
「よければついでだからうちが一緒に教室まで連れて行きますよ」と声をかけてくださったママさん。 好意を無にするのも失礼かと二度ほど甘えさせていただいたが、そのうち「今まで送り迎えを分担してたんだけど、その子とクラスの時間帯が変わってしまって出来なくなって」という話しを聞いた。 あ、つまりそういう事か。 無償の親切じゃなくて、こう…、ケースバイケースというか、お互い様って事ね。はいはい。 相手の主旨が分かったので、出来る範囲で送り迎えを変わってあげたりしている。
うちが変わってもらったのは最初の二回だけだけど。 まぁいい。
うちは何回も送り迎えをして、終わった後何回もうちで遊ばせたりもしてるけど、あちらのお宅で遊ばせてもらったのは一回だけ。 まぁいい。
うーん、うーん、私、ひょっとするととっても都合の良いように利用されているのかしら?なんて気もしてきてしまうさもしい精神。 いかんなぁ。
相手の思惑がどうであれ、最初声をかけていただいたのはとても有り難かったし、まだ小さいアユム連れだったので、たった二回でも助かったと思ったのは事実だ。 私がせっせと送り迎えをして、うちで遊ばせたりしていれば、あちらのママさんも大助かりだし、子供達も一緒に行動できるのが楽しいわけだし、うちで子供が遊んでいるとアユムも興味津々で刺激を受けていいみたいだし、全部が丸く収まるわけだから。
頑張ってやっていこうぜー。おー。(←へなへな) 良い事は順繰りだもんねー 良い事してもらったら倍にして返していかないとねー そしたら自分にもいつかまた返ってくるさーきっとねーたぶんねー
英語教室からプリント。 見ると「サマーキャンプのお知らせ」 えー子供だけならいいけど…と見ると、園児は保護者同伴。 と、いう事は、私がアユム連れて参加しなきゃいけないわけで。 冗談じゃない。不参加不参加! 延々バスに揺られて行くなんて、私に死ねと言うのと同義語です。 こんな高い参加料払ってまで行く気になれませんー と、いうわけで、見なかった事にして廃棄。(←子供の意思は?) ママさんから声がかかっても、「下の子がいるから不参加」と言わなきゃね。
暁
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