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2021年01月24日(日) ■
『KCIA 南山の部長たち』

『KCIA 南山の部長たち』@シネマート新宿 シアター1


うう、よりにもよって顔部分がトリミングされて見えない。画像をクリックすると全画面が見られます。

朴槿恵のお父さん、といった方が今はわかりやすいかな。1979年に起こった朴正煕大統領暗殺事件(10・26事件)を実行犯側から見る。原題は『남산의 부장들(南山の部長たち)』、英題は『The Man Standing Next』。2020年、ウ・ミンホ監督作品。

ツイートにある映画、書籍についてはこちら。
・『タクシー運転手 約束は海を越えて』(1980年、光州事件)
・『1987、ある闘いの真実』(1987年、朴鍾哲拷問致死事件〜6月民主抗争)
・ハン・ガン『少年が来る』

『少年が来る』は光州事件について書かれた小説ですが、「朴正煕と車智�遏雰抔郤篠后砲隆愀検廖岾�馬民主抗争」「南山が市民からどれだけ恐れられていたか」についての丁寧な注釈があり、軍事政権下当時の様子がわかります。警護室長を「こいつがあのカンボジア云々の……」と憎々しく見ていたら終盤正にその台詞が出たので、本国では誰でも知ってる的な発言なんだろうな。大統領暗殺後KCIAは改編されますが、南山の組織は80年代末迄機能し続ける。パンフレットによると、現在庁舎の旧本館はユースホステルになっているとのこと。それもすごいな……。以下ネタバレあります。

実在の人物からちょっと名前を変えてあるので、あれがあのひと、これがえーととか考えてるうちにどんどん駆け引きが進みアワアワする。とはいえ、独裁者の暴政をどうにか止めなければ、と側近が追い詰められていく過程が緻密かつ緊張感を維持し描かれ、ぼんやりしている暇はありません。そうそう、最後にイアーゴ(シェイクスピア『オセロー』のあのひと)と呼ばれていた人物の正体が判明するんだけど、これも名前が変えてあったんで劇場出てから「あ、あいつかー!!!」て気づいたよ。このひともう「名前をいってはいけないあのひと」みたいな扱いだよね……ちなみに2008年製作の『星から来た男』でもやはり名前は出されず、「ハゲ男」と呼ばれていた人物です。RGに是非モノマネしてほしい。なんか似てた。

過去の出来事として描くにはまだ生々しさがある、存命の関係者も少なくはない80年代の事件。作品化にはいろいろと制約があるのでしょうが、それでも自国の暗部をこうして公開し、観客からの支持が得られていることに感嘆する。「民主主義」の価値を肌で知り、それを再び奪われてはならないという考えが浸透しているのでしょう。

イ・ビョンホンが素晴らしい。端正な顔立ちが、数々の軋轢と忖度とストレスで段々ゴムの皮膚被ってるみたいに見えてくる。土砂降りのなか忍び込んだ接宴所で盗聴するシーン、頬を流れるその雫は雨なのか涙なのか……大統領を暗殺するしかない、という心境に至る迄の無表情(の使い分け)が見事。彼の演技を信頼してのことだと思いますが、その表情を捉える長回しが多用されている。またその画面が“持つ”んですよね。すごい役者さんだなあと改めて思いました。

そして大統領を演じたイ・ソンミン、かわいく見えちゃうのがやばい。ひとたらしだなー、これにあてられた部下も多いんだろうな思わせられちゃうのがもうやばい。マッサ(マッコリ+サイダー)の思い出話とか、ズルいよねえ。お前には私がついてる、お前の好きなように、やりたいことをやれみたいなことを誰にでもいって、結果起こったことを「やりすぎだ、後始末は自分で責任もってやれ」と切り捨てる。日本のどっかで聞いたような話ですね。しかもつい最近ね。手酌で酒を呑み、ひとりごとのように唄う。理解者を得られず、だからといって助言も受け入れられない。もう戻れないところ迄来てしまった独裁者の姿を寂しさとして見せる演技でした。

韓国では民主化後にも、李明博〜朴槿恵政権による文化人への圧力があった。2008〜2017年なんてつい、このあいだじゃないか。ちょっと気を抜くと、自由はあっという間に奪われる。『タクシー運転手』『1987』同様、今作に実際の映像(写真)や音声が使われていることは、民主化を自分たちの力で、大きな犠牲とともに掴みとった彼らが「記録を残す」ことに意義を見出しているのかもしれません。2005年に発足した「真実・和解のための過去史整理委員会」の存在も大きいようです(後述リンク参照)。

「あの頃は良かった」という日本語を合言葉に革命を振り返ったり、情報の漏れた先がサンデー毎日だったりと、「46才から上の人は日本語がしゃべれる」(1980年当時。YMO「Seoul Music」より)韓国と日本の関係についてもいろいろ考えさせられました。「統治」とは何に、誰によって成されるものなのか。逆に今の日本は当時の韓国みたいになってないか? とも。保守ってこんなもんだったっけ、と昭和時代を知っている世代は今の与党を見て思うのでした。つらしま。

金管の低音ロングトーンで不穏な空気を醸し出す映画音楽のことを、勝手にハンス・ジマーからのヨハン・ヨハンソンマナーと呼んでいる。今回のチョ・ヨンウクによるスコアは正にそれで、すごく合っていました。OSTも出ています。



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政治家になる、というか国を治めようとするからには、最初は志があったんだろうにね。虚しい

・KCIA 南山の部長たち┃輝国山人の韓国映画
詳細なクレジット。いつもお世話になっております!

・チョ・ヨンウクの映画作品┃MOVIE WALKER PRESS
あれもこれもそれもじゃないか。『新しき世界』もこのひとだったか! 本国では大御所映画音楽家なのかな?

・パリでの暗殺。実際はどうだったのかなーと探してみたら日本語Wikiにあった→(金炯旭)。これだと「山野に遺棄」ってことになってるけど、映画の描写はもっと…その……エグかったですね……。証拠を残さないようにってなるとあの方法のが確実だが。そして映画ではKCIAと警護室の取り合いになっていたが、上記Wikiでも言及されている通り警護室が手を下した説もあるようです。でも前者だろうなあ、わざわざフランスから韓国に連れ戻して、というのは現実性が低い

・『KCIA 南山の部長たち』の背景にある、2つの大きな事件――「暴露本」と「寵愛」をめぐる物語┃ サイゾーウーマン
「養鶏場で殺した」という証言も。「真実・和解のための過去史整理委員会(過去史委)」についてはこちらに解説があります

・金忠植『実録KCIA―「南山と呼ばれた男たち」』
日本でもベストセラーになったという原作。読んでみたいんだけど、1994年刊で現在では入手困難のようです。これを機に文庫化とかされないかな



2021年01月11日(月) ■
『チャンシルさんには福が多いね』

『チャンシルさんには福が多いね』@ヒューマントラストシネマ渋谷 シアター2


オープニングの画面がスタンダードサイズ、というところも小津監督へのオマージュみたいですね。数々の名作をちゃんと観てきていない観客は、こうやって逆方向から偉人を知るのでした。原題『찬실이는 복도 많지(チャンシルは福が多い)』、英題『Lucky Chan-sil』。2020年、キム・チョヒ監督作品。以下ネタバレあります。

長年コンビを組んできた映画監督が急死し、プロデューサーとしての仕事を失くしてしまったチャンシルさん。収入が途絶えたので、家賃が安い山の上へと引っ越してきます。さて、これからどうしよう? 仕事にしても、人生にしても。

確かにプロデューサーって職業、どういう仕事なの? って訊かれると説明が難しい。本人ですらどう答えていいか迷うんだな(あの社長ヒドい)。目立たなければ目立たない程いい仕事をしているともいえる、とてもだいじな役割なのにね。しかしチャンシルさんをちゃんと見ているひとは見ているのだ。ため息ついたり、はりきったり、泣いたりするチャンシルさんのことを案じているひとは沢山いるのだ!

引っ越しのとき一緒に荷物を運んでくれたのは、彼女を慕う若手スタッフ。家政婦として雇ってくれるのは主演女優。大家さんに構ったり構われたり。短編映画監督との恋の予感(と本人が思い込もうとしている、と第三者は思うのであった。が、そうやって始まる恋もあるものですよね)は打ち砕かれたけど、誠実な彼とは今後もつきあいが続きそう。映画を無心に楽しんでいた頃の象徴、レスリー・チャンと言い張る男(似てないですよ。そこが味ですよ)も現れて、優しい言葉をかけてくれる。

女優は新しい監督との関係やネットの評価に傷付いて生活が荒れてる。大家さんは夫と娘を失くして寂しい。若手スタッフも新しい職場でたいへんだろう……って、そもそも彼ら、仕事はあるのだろうか。短編監督は映画だけでは食べていけないのでフランス語を教えているし、レスリーは悲劇的な最期を迎えた故人だ。それでも彼らは、チャンシルさんの前では明るいし、優しい。レスリーなんて、震えてるのにランニングとトランクス姿のままでいる。幽霊なのに寒いのかとも思うが、おそらくその姿でいれば、チャンシルさんが気づいてくれるからだろう。あれはチャンシルさんが好きだった『欲望の翼』での衣装(?)なのだ。やだ健気。



チャンシルさんはチャンシルさんで、女優を励まし、大家さんにハングルの読み書きを教える。レスリーと大好きな映画のシーンに入り込み、夜道を歩く彼らを「照らす」。お互い福を持ち寄って、少しずつ前に進む。オフビートといおうか、いい感じにすっとぼけたリズムで日々が過ぎる。人生真っ逆さま、はない。人生大逆転、もない。何にも起こらない? いやいや、ここには豊かな時間があるのだ。引きの多い画面は、坂を登り坂を降りるチャンシルさんを遠くから覗き見る。軽やかな足取りの彼女を見て笑顔になり、うなだれて歩く姿を見てハラハラする。レスリーも段々かっこよく見えてくる(マジで)。チャンシルさんが自分のことを認識してからは、服も着るようになる(笑)。幽霊かもしれない、幻かもしれない彼は、チャンシルさんが再び歩き出したとき、消えてしまうのかな? いやいや、彼はいつでも映画のなかにいるのだ。

映画って、なんて素敵なものなんだろう。

チャンシルさんを演じるカン・マルグムがとてもよい。「チャンシルさん」と思わず呼んでしまう、実在する友人のように思わせてくれる。女優を叱咤激励するときも、居酒屋で映画談義をするときも、いい感じに力が抜けている。バスで泣くシーン、名演です。

音楽が即興のときのおおともっちみたいな感じで印象的だったんだけど、チャン・ギハと顔たちのベースだった方なんですね。チョン・ジュンヨプさん。エンディングテーマの歌がこれまたすっとぼけてて最高です。ちゃんと歌詞にも字幕がついててにっこり。宣美もかわいいし、邦題もいいし、日本の制作陣もいい仕事なさる。

ところであの公園の遊具、いいなあ。ジムにあるクロストレーナー(?)を木で作ったみたいなやつ。あれをせっせと漕ぎながらの会話シーンが二度あるんだけど、この脱力感もとてもよかった。ほのぼの。

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・監督のキム・チョヒは、長年ホン・サンス監督作品のプロデューサーを務めていた方。ホン監督お元気だったっけ…というか、ご、ご存命……? と不安になって調べてしまったのは内緒です

・予約したときはいちばん収容人数の多いシアター1だったんだけど、当日「劇場が変更になりました」とシアター2へ案内される。時期が時期だけに苦しいかな。本国では昨年コロナ禍の春に一度ひっそり公開が終わったあと、評価が高まり秋に再公開されたそうです。日本でも評判がひろまるといいな


劇中チャンシルさんのつくるチゲがすごくおいしそうで、すっかりチゲ脳に。道玄坂の兄夫食堂に行こうと歩いている途中でこのお店が目に入り、空腹に負けて入ってしまいました。ここのスンドゥブはニンニクがすごい利いてるタイプでしたよ。あったまった〜

・で、兄夫食堂の様子も見てこようと円山町を歩く。閉店したVUENOS、Glad、LOUNGE NEOの跡地は新しく借り手が見つかる訳でも、取り壊される訳でもなく、建物はそのまま。ただただ傷んでいっている。『冬眠する熊に添い寝してごらん』にも登場した台所家も、昨年5月に閉店したままの状態。埃を被った回転寿司の機械が放置されていた

・他にも閉店、休業してるお店が夥しい数ある。渋谷の、いや、今は世界のあちこちにそんな場所がある。兄夫食堂は開いてホッとする。でも営業短縮しているのだろうな……



2021年01月09日(土) ■
東京バレエ団『ニューイヤー祝祭ガラ』

東京バレエ団『ニューイヤー祝祭ガラ』@東京文化会館


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「セレナーデ」:沖香菜子、金子仁美、中川美雪、秋元康臣、ブラウリオ・アルバレス
「ディアナとアクテオン」パ・ド・ドゥ:涌田美紀、池本祥真
「タリスマン」パ・ド・ドゥ:秋山瑛、宮川新大
「ドン・キホーテ」グラン・パ・ド・ドゥ:伝田陽美、柄本弾
「ボレロ」:上野水香
指揮:井田勝大
演奏:シアター オーケストラ トーキョー
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実は当日、入場したら練習する弦や菅の音が聴こえてきてそこで初めて生オケだと知ったのでした。演目だけ見て反射でチケットとったのでな……オーケストラピットから指揮者の方が両手を大きく振る。それだけでもう笑顔。

という訳で上演順も知らなかったのですが、チャイコフスキーの弦楽セレナーデ(「弦楽セレナード ハ長調 作品48」)で幕開けだったもんでもう鳥肌です。「セレナーデ」は初見でしたが、なんて美しい群舞、照明、衣裳! そのうえドラマティック。ひとりのダンサーが転倒して打ちひしがれるように泣き出したり、ひとりがこそっと遅れて入ったりとユーモラスな場面も。なんでもバランシンがレッスン中に起きたことを振付に取り入れたのだそうです。

「セレナーデ」が45分くらいの作品で一幕。休憩を20分はさみ、二幕は一気に四作品。「『ボレロ』の前に転換のため5分ほど空きますが、そのままお待ちください」というアナウンスがありました。

「ディアナとアクテオン」はあれですよ、ギリシャ神話の。狩人のアクテオンに水浴を見られたディアナが彼を鹿に変えちゃって、アクテオンは自分が連れてた猟犬に喰い殺されるっていう……つくづくギリシャ神話って理不尽ですね。池本さんを観るのは『M』に続いて二度目。また「死」なのかーい(いやそういう役柄好きなんですが演技的に)と思いましたが、惨事が舞台に載ることはありませんでした。それにしてもスケールの大きなジャンプ。いやあ、ホント空中を掴まえるダンサーだ。これみたいでしたよ、鹿だけに(笑)↓

あとこの方、感情表現もいいですね。わあ、森〜⤴! 狩り〜⤴! みたいな顔してニパーって笑うのが微笑ましかったです。

涌田さん演じるディアナは狩猟の女神の象徴としてちいさな弓を持っているのですが、それを持っての踊りがときにアイドルにも見える程キュート。弓を射るとき、バキューンて聴こえそうな感じ(弓だけどな)。アクテオンが猟犬に襲われる(涙)場面を描いた背景幕も存在感ありました。

「タリスマン」は短い演目ですが見せ場も多く、異界の恋を踊る秋山さんと宮川さんに次から次へと拍手がわきました。そしてこれがすごかった、「ドン・キホーテ」。伝田さんも柄本さんもひとつひとつの動作がタブローとしてキマるキマる。技術面といい華やかさといい、まさに「祝祭」にふさわしい演目でした。キトリ(伝田さん)が扇子を閉じたり開いたりする毎に「パン!」「パリッ!」という音が聴こえ、それがキトリの気風のよさとして響きました。いや〜格好よかった!

転換の数分を待つ客席の静寂。そこには「ボレロ」を観られるという期待の他に、今この演目を観ることに対しての緊張感もあったように思う。本公演の惹句は「不安な時代にエールを贈る、“元気が出るバレエ・ガラ”!」。『ニューイヤー祝祭ガラ』の開催が急遽決まった背景には、やはりコロナのことがある。しかしチケット発売後、みるみるうちに感染者が増えていった。10日に開催予定だった新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』は6日に中止が決まり(入場前ごはん食べてたとこでもロビーでもこの話題が聞こえてきたなあ……)、8日には緊急事態宣言が再発令。バレエ団からはSNSやメールで「予定通り公演します」「連絡先ご登録のお願い」といったメッセージが何度も届いた。三日前は大丈夫でも二日前、前日は? いや、当日になって中止が決まるかもしれない、と落ち着かない日々だった。「新年を寿ぐ」ニューイヤー・ガラが、こんなにも危うく感じられるとは。

そして「ボレロ」は、いつからか特別な儀式としての意味合いも持つようになった。東日本大震災が起こった十年前、シルヴィ・ギエムが『HOPE JAPAN』というツアーで来日し、「ボレロ」を踊った。「日本との絆を再確認するため」、「日本を心から愛したベジャールの魂をつれてくるため」というメッセージだった。「ボレロ」は観る者を勇気づけ、力づける。「災厄を祓う」という願いも込められるようになった。そういえば、上野さんのボレロを観るのは震災一ヶ月前の公演以来、十年ぶり。会場へ向かう電車のなかで、重松清の『おまじない』を読んでいた。偶然とはいえ、やはり震災のことを思い出さずにはいられなかった。

顔にかかった髪を振り払う。上野さんの踊るボレロは、本来の振付にはない箇所にも美しさを見出せる。だよなあ、そのままだったら貞子みたいになっちゃうもの(笑)。そういえば前回観たときは、ネイルが光る様子や、爪か指にひっかかった髪の毛がちぎれて飛び散る瞬間が鮮明な記憶として残っている。表情も豊か。官能的でエモーショナル。十年前に観たときとは違い、余裕も感じる。そんなメロディに付き従うリズムがまた、際立った仕上がりだった。こんなにリズムに惹きつけられたのも初めてだ。円卓を取り囲むリズムのなかから、4人のダンサーが入れ替わり乍ら正面に出る場面のキレが素晴らしい。昨年『M』を十年ぶりに上演したことと無関係ではないだろう。ベジャールの作品を多くレパートリーに持つ東京バレエ団、これからも上演し続けて欲しい。

「ボレロ」は単調なフレーズの繰り返しで盛り上げていくというシンプルな構成上、演奏者のスキルが顕著に現れる。これ迄観た生オケでの「ボレロ」で、ファゴットかオーボエかトロンボーンかホルンがやらかさなかったことって数える程しかない……今回もヒヤッとするところがありましたが、リカバリが抜群。バレエ公演での演奏を主とする、シアター オーケストラ トーキョーの底力を見た思いです。

急遽決まった公演だけど充実のプログラム。観られてよかった。“元気が出るバレエ・ガラ”でした!

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・〈ニューイヤー祝祭ガラ〉急遽開催決定! 上野水香、コロナ禍のいま『ボレロ』を踊る決意┃NBS News ウェブマガジン
・【鑑賞眼】東京バレエ団「ニューイヤー祝祭ガラ」 上野水香の祈りのボレロ┃産経ニュース

・今「ボレロ」を踊れる日本のダンサーって、現役だと柄本さんと上野さんだけなんだっけ? 現役っていい方も変だが……今ってジル・ロマンが許可出すの?

・ちなみに本公演、新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』ともに「Go Toイベントキャンペーン」対象公演でした。『ニューイヤー・バレエ』は11日に無観客公演ライヴ配信があったのですが、その日は外出していたため観られず(無料なのでわがままいえないけどアーカイヴしてほしかった……)。ペンギンパンツを履いて「ペンギン・カフェ」を観に行く夢も叶わず

・ブラボーじじいについて。あれどうにかならんか……『M』でもそうだったんですが、再三アナウンスされているにも関わらずいなくならない。この日は具体的に「『ブラボー』などのお声がけはご遠慮ください」と迄注意があったのに。途中からは指笛になったけど、「ブラボー」じゃなきゃいいって意味じゃねーんだよ、飛沫が問題なんだよおおお。歌舞伎の大向こうも皆無だというのに。対処法はないものか



2021年01月04日(月) ■
『新 感染半島 ファイナル・ステージ』

『新 感染半島 ファイナル・ステージ』@新宿バルト9 シアター5



『犬どろぼう完全計画』はホントいい映画だった…あのときのしっかり者がますます立派な子に! 『ソウォン』でも名演だったそうで(幼児が性被害に遭う作品なので覚悟が出来ず観られてない)……イ・レ、今後も楽しみよ〜!

原題『반도(半島)』、英題『Peninsula(半島)』。2020年、ヨン・サンホ監督作品。『ソウル・ステーション/パンデミック』『新 感染 ファイナル・エクスプレス』は2018年に早稲田松竹でまとめて観たんでした。父親が亡くなったすぐ後だったりなんだりで感想書いてないわ。というわけで『〜ファイナル・エクスプレス』のその後が描かれたのが本作です。

本国ではコロナ禍で閉鎖されていた映画館が再開したタイミングでの公開だったそうですが、日本は日本で二度目の緊急事態宣言が出るかも、という不安な日々のなか公開。お正月映画としても盛り上がり必至の大作に水を差されたような気持ちにもなり(ヒットしてほしいが動員どうなるかな)、今観ると、という感慨もありました。ウイルスが蔓延したばかりに国を捨てることになり、避難先では差別を受け、ヤバい仕事に手を出して……。631部隊のひとたちだってそう。世が世なら穏やかな一生を過ごしたひとばかりだろうに。あの憎らしい大尉だって軍曹だって、勘が良かったり機転が利いたりと、優秀な軍人だったんだろうよ。「日本に向かっていた筈なのに(入国を断られて)行き先がわからなくなった」というのも示唆的です。ようやく辿り着いた香港にしても、今は……。かの地に実際にいるであろう移民たちはどうしているのだろうと思う。

『シン・ゴジラ』で東京が壊滅するシーンを観て涙が出たように、うっすらとはいえ知っている街(今回はソウル)が廃墟になっているのを観るのはクるものがありました。本国ではどう受け止められたんだろう。

前作ではよく練られていた、非常時に表出する人間のエゴ、それでもなくならない他人を思いやる善性といったドラマ部分は薄れた印象はありますが、主人公が消えない後悔を糧に前に進む、その過程はしっかり描かれていたかな。耄碌していたじいちゃんが実は……! ってとこにもジーン。カン・ドンウォンを筆頭にアクションがデキる役者が揃っており楽しめました。楽しいって言っていいのか? という逡巡もあるけど、そのためにフィクションはあるのだなとも思う。

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・新 感染半島 ファイナル・ステージ┃輝国山人の韓国映画
いつもお世話になっております。パンフに載っていない配役も網羅していて有難い!

・『新 感染半島』の超絶ドライブテク少女!天才子役イ・レに注目┃シネマトゥデイ
無免許……そりゃそうだ。でもマニュアル改造車をバッキバキに操れるツラ構えなのよ〜ホント格好よかった!

・バニラバニラ高収入♪ なアドカーって韓国にもあるんだなあと思った。そんでゾンビ対策になるんだな(笑)

・それにしても邦題。そもそもは前作『부산행(釜山行き)』を『新 感染〜』なんて邦題にしちゃったのがなあ。この件に関しては随分物議を醸した(ツインは他にも悪質なやらかしが多いので、正直自分が観たい作品には関わってもらいたくないな……)。今回GAGAに配給が変わったんで期待したけど、あの作品のその後ですってのは宣伝したいから全部入れのますますなんじゃそりゃってな邦題になってしまったんでしょう。しょうもない