 |
 |
■■■
■■
■ 藤原伊織(4)
「てのひらの闇」 「名残り火―てのひらの闇Ⅱ」
「テロリストのパラソル」も「ひまわりの祝祭」も主人公は社会からドロップアウトした立場の人間だ。 比べ、「てのひらの闇」の主人公の「堀江」は20年もサラリーマン生活を送り、課長という役職についていた。 ただ、その経歴がアウトローに近いせいか普通のサラリーマンのようなしがらみにあまり縛られていない。尤も、退職勧告に従ったためしがらみも捨てた、とも思えるが、降りかかる火の粉は自分で払うタイプ。
仕事は恐ろしく有能で、部下(特に女性)の信頼は厚く、なおかつ首を傾げたくなるほどの慕われぶりで、一匹狼である証のように過去を引きずり、酔っ払っていても腕っ節は立つが、ときに人生を投げたような目をする‥ 渋いのひと言(笑) 映画にするなら、奥田瑛二あたりいかがでしょ。 奥田瑛二はねぇ、目が、ちょい危ないトコがいいんだわ(笑) テレビドラマでは、舘ひろしがやったそうですが‥ 何かイメージ違いすぎるんですけど‥‥(v_v*)
それはさておき。 ストーリーテラーとしての藤原伊織は文句のつけようがない。 ただただ、巧いにゃあ~(笑) 1冊目の「てのひらの闇」がかなり派手な構成なのに比べ、2冊目の「名残り火」は多少地味な感じがしないでもない。 読むのなら、順に読んだほうが登場人物の関係がよりよくわかると思う。 さらに言えば、堀江と堀江をめぐる脇役とのやりとりが、1冊目よりは2冊目のほうが何とはなしにコミカルになっているような印象が‥。 その過程が読者の好みの分かれるところかも。 私は気に入っているけどね(^^)
このミステリーにはトリックも不自然な時間もない。ハードボイルドたる所以の、謎は登場人物の心の中にある、というのが最も相応しい。 そして、ハードボイルドにはつきものの、酒と音楽。 管理人、酒は全然ダメなので無視(^^;A ジャズは得意分野ではないのだけど、1冊目に登場するオールディーズには、かなりにやりとさせられた。 1枚持ってるし(笑) ジャズもいいかな、って思いはじめたのは藤原作品の影響かも。 特に、ピアノとサックスだなぁ。 ジョン・コルトレーンなんて、夜、独りでじっくりと聴いてみたいじゃないですか。 あー、でも、お酒はナシだけどね(笑)
余談。 藤原伊織は「電通」出身で、同世代の逢坂剛が「博報堂」出身。 実は、我がダーリンは広告業界とは深い縁がある。 勤務先で広告局にいたから。 だから代理店の電通も博報堂も身近な存在だった。 私はダーリンの年賀状を管理していたので、電通と博報堂と大広と読売広告社の方々は嫌でも覚えました(笑) 電通には仕事でよく足を運んだらしい。 もしかしたら廊下ですれ違ってたかもね、って訊いたら笑っていた。
|
2007年11月30日(金)
|
|
 |