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世界が徐々に水没していって
もう みんな諦め顔で滅びるのを受け入れていて
でも そんな中で貴女は僕を抱きしめていて
「側にいてあげる 側にいてあげる 側にいてあげる」
なんて言ってくれるから
僕は 貴女にすがりついて泣いて
そんな僕の顔を笑顔で見つめて
僕の目元から流れる涙を舐め取ってくれた
温かくて柔らかい舌の感触が幸せで
僕はまだ舐めていて欲しいから必死で涙を流そうとした
でも 涙を流す理由が
初めの悲しいとか寂しいとかでなく
幸せを 今ある幸せを貪欲に求めるためで
短時間で僕を変えてしまった貴女はやっぱり偉大で
絶対手放したくなくて
これが 夢でありませんように と 何度祈ったことだろう
貴女はそんな僕に
「いつでも会える いつでも会える いつでも会える」
そういって安心させてくれて
温かいはずの腕で僕を抱いてくれた
ベットの感触が生々しくて
太陽の光が残酷で
通りに響く足音が無情で
全てが僕を孤独にさせてくれる
テレビをつけても世界はどこも水没していなくて
思い出そうとしても彼女の名前は知らなくて
考えてみても彼女の居場所がわからなくて
認めたくなくても 認めなくてはいけなくて
嫌だけど 嫌なんですけど 嫌で嫌でたまらないのだけど
「嗚呼 夢か」
僕に出来ることは
素敵な彼女の思い出を書き残すことしかなくて
書きながら涙を流しても
誰も涙を舐めてくれる人はいなくて
流す涙の理由に幸せの欠片など一片もなくて
ただ寂しくて ただ寂しくて
やっぱり僕は 悲しいほど 独りなんです
2004年09月27日(月)
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