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■ 新しい命 そして 死刑執行人の憂鬱
なんてことはない 仔犬が5匹おなかの中に居ました
その中の二匹は死にました
夜中の0時から陣痛が始まって 5匹目が生まれたのは翌日20時頃 最後の仔犬はどうしても出てこなくて 足と尻尾が出たまま
ダラリ
として出てこない つまりは 死んでいるワケで
逆子なわけで
リズムはもう元気も無くて 取り出そうとしても上手くいかなくて
病院にお金とタオルをかぶせたリズムを抱えて 車すっ飛ばして行ったわけです ワタシもずっと寝てなくてフラフラでしたが
病院行ったけど、長い時間待たされた気がした 実際はきっと3分位だろうと思う うちの子の命に関わるのに!てめぇ医者の癖に殺す気か!? と、チョット内心思っていたのは事実です 子供の方はもう諦めていたの 二番目の子もダラリでだめだったから逆子で
診察台に乗せるや否や 獣医さんが
ヒョイッ
と、目にも留まらぬ早業とはこのことだと 頭の中で思ったのも事実 なんであんなに簡単に取り出せるのに ワタシには出来なかったんだろう 早く、あのように取り出せたら 仔犬も死ぬことはなかったのだろうに と むちゃくちゃ悔しかった
びっくりしているリズムを励ますので精一杯だったけど
「子供は(遺体は)どうしますか?」 「下さい。つれて帰ります。」 渡されたのは、タオルに包んでスーパーのビニールに入れられた固体
ああ、リズムにリードをつけてこなかったなぁ タオルも血だらけだから捨ててもらったし どうやって車までつれてこう 雨が降ってるよ…
悲しいなんて思わなかった やっと終わったんだって思った 車の中でしばらく ボーっとしてた エンジンかけたけど 動きたくなくて リズムは元気で良かった
帰りたくないなぁ… でも子供が3匹まってるなぁ
旦那に電話して経過を告げた 母に電話して経過を告げた 妹に電話して経過を告げた 伯母に電話をしたら 「姉の旦那さんが危篤で今電気ショック中なんだ」 「そっか。忙しいね。また連絡する」
なんだかボーっとする 寝てないからだ 家に着いた 鍵をかけたかどうかも忘れてて 鍵をどこにしまったのか忘れてて しばし 玄関前に車を停めたまま 考えてしまった
リズムを抱っこして家に入れて ビニール袋から固体を取り出して箱に先に居た物と一緒にした どう寝かせようか考えた 向き合わせてみた その二匹は女の子だった
ダラリとしていた物は しっかり形をとどめて かたくなりかけてた
向かい合わせてみた
抱き上げてみた
大泣きした
ごめんなさいと何度も謝った
これが悲しいって気持ちなのかなぁと 意味も分からず大声出して泣いてたから
でもリズムに気づかれちゃうから 生まれたばっかりの仔犬三匹を観てた
二匹は絶対にリズムには見せまいと 最初の女の子は出てきたときに血の気も無くて 息もしてなかったから人工呼吸と心臓マッサージとやらを やってみたけれど 手遅れで リズムはそれを見て 子供返せ! と、くわえて持ってく そうもいかないのですぐに取り上げた 隔離
悲しいなんて思わなかったけど
全部終わったら 涙がとまらなくなって これは ほっとしたからなのか 悲しいのか
:::::::::::::::::::::::::::::::: リズムが陣痛で苦しんでいたとき 本を読んでいた 『死刑執行人の憂鬱』 執行人は三人
首に縄をかける者 足をくくる者 首吊りの足場を開けるレバーを引く者
執行手当ては8000円
貯金にまわす人は誰一人として居ない その日の飲み代に代わる その日は清めの酒も貰えるのだが それでは足りなくて 飯も食わずに飲むのだそうだ
朝10時に執行 首に縄をかけて 足をくくって レバーを引くまで 3分で終了 足場を無くし落下する死刑囚 気絶はすれども生きている 大体死亡するまで(心停止)14分 その間苦しむことはまず無いと言うけれど 実際執行された人間に尋ねられないので 本当かどうかは定かでは無い (まず脈が止まりその後少ししてから心停止する)
その日はもう仕事は終わりだそうで 10:30にはもう酒が振舞われ、足りずに飲みに街に出る そして酔った勢いで罪を犯し 即日死刑になった監守も居る
戦争よりも過酷な事だそうだ
鼻血、舌がダラリと長く垂れ下がり、目玉は落ちる そして縄が巻かれて死刑囚はクルクルと回り 勢い良く血を巻き散らかしてしまう それを防ぐために 縄かけなどの三人の他一人 落ちてきた死刑囚を抱きとめる役の者一人追加 死亡確認の為の医師が二人追加で 計五人
因みに、縄の長さは人それぞれ変わり 身長、体重などを測り、大体落下後、地上から30cmの所で止まるよう 計算され執行になるそうである
そして遺体の処理は囚人の役割だそうな
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新しく命が生まれ落ちてくるであろう時 ワタシは 死刑囚が死に落ちて行く話を読んでいた なんともデリカシーの無い人間だと 本を読みながら ワタシは別に死人を見たって泣きやしない と 思っていた
2004年07月15日(木)
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