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しもさんの「気になる一言」
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2017年03月30日(木)
台風、大好きなの。なんか気持ちが清々する

映画「海よりもまだ深く」(是枝裕和監督)から。
見ず知らずの若者と中高年の会話って、お互いの立場を考えずに、
言いたいことを言うから、面白いことが多い。
幾つになっても定職を持たず、ダラダラ生活を繰り返し、
競馬などのギャンブルに打ち込む中年に向かって、若者が叫ぶ。
「あんたみたいな大人にだけはなりたくないです」
それに対して、中年も負けてはいない。
「言っとくけどな、そんな簡単に、なりたい大人になれると思ったら、
大間違いだぞ」と言い返す。
これは、経験から発せられた言葉として、ニヤッとさせられた。
また「男」に対する女性の視点が妙に引っかかって、メモをした。
「男ってのはさ、なくして初めて愛に気付くんだよ」
「男の人は、すぐ『賞味期限』気にするから」
「なんで男は『今』を愛せないのかね」など・・。
一番メモしたのは、樹木希林さん演じる主人公の母親の台詞。
「友達をつくんなさい」
「そんなもの作ったって、お葬式にでる数が増えるだけですよ」
「こんにゃくは、ゆっくり冷まして、一晩寝かせた方が、
味がしみるのよ、人と同じで」
「便利になったなぁ」「歳をとって体が不便になった分ね」
「台風、大好きなの。なんか気持ちが清々する」
「幸せってのはね、何かを諦めないと手にできないものなのよ」など
さすが、人生を長く生きてきただけあるな、と感じた。
こんな台詞が気になるなんて、私もそろそろ仲間入りだなぁ。



2017年03月29日(水)
「エリートコース」と「デリートコース」

年度末になると、新年度の人事異動が一斉に発表される。
自分たちの職場だけでなく、他の職場、他の業界など、
私と交流があった人の名前を見つけ、一喜一憂するのも、
この季節の歳時記となっている。
その中でも、ネットのコメントで
「おめでとう、エリートコースに乗ったね」という
表現をする人を見つけて、ちょっと気になってメモをした。
何をもって「エリート」と定義するのかもわからないし、
ちっちゃな職場で、エリートもなにもないだろう、と感じる。
逆にあったとしても、そのために毎日残業して、体を壊して、
家庭が円満でなくなったら、人生は「デリート」だと苦笑い。
ちなみに、辞書によると「エリート(フランス語: élite)とは、
社会の中で優秀とされ指導的な役割を持つ人間や集団のこと。
『選良』とも訳される。語源はラテン語の ligere(選択する)、
『選ばれた者』を意味する。
通常は、特別に優秀な属性を持った人または集団で、その属性は
その時代・地域・社会などによって職業・知識・経験などがある」
今は、意識して「エリートコース」から外れる人たちも現れた。
どっちが幸せなのか、そればかりは誰にもわからない。
少なくとも自分を「エリート」と口にする人はエリートじゃない。
この言葉は、他人が評価する時に使うのだから。



2017年03月28日(火)
小説家なら形作ったものを削らないと・・

映画「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」
(マイケル・グランデージ監督)から。
作家と編集者がいて、初めて素晴らしい作品が出来上がる。
その両者の関係を理解していないと、
著者だけがスポットライトを浴びて、才能だけが一人歩きし、
自分は天才だと勘違いしてしまい、有頂天になって潰れていく。
作品中、主人公2人の編集作業が印象深い。
「詩的表現に満ちたこの本でこの場面を際立たせるには?」
「単純さだ。簡素な言葉」
「『稲妻』か。暗闇にくっきり稲妻を走らせる・・」
「そうだよ」「ユージンは女を見た。その瞳は青い」
「小説家なら形作ったものを削らないと・・」と意見をぶつけ合う。
その結果が、無駄のない洗練されたフレーズに繋がるのだろう。
原題「Genius」は、辞書によると
「(科学・芸術などでの創造的な)天才、非凡な才能、天才(の人)、
鬼才、特殊な才能、(…の)才、特徴、特質、傾向、精神」とある。
2人の「Genius」が、お互いの力をうまく引き出したとき、
名作が生まれることを、この作品で知った。
最後に作家がこう言う。「一節だけ付け加えたい。本の献辞だよ」
「この本をマックスウェル・エヴァーツ・パーキンズに」
勇気と誠実さに満ちた彼は、ひどく絶望に苦しむ著者を何度も
励ましてくれた。その彼に・・値する作品であることを著者は願う」
今では「あとがき」に編集者への献辞が書かれているが、
この作品が1920年代の実話だとすると、
作者から編者者への一番最初の献辞だったかもしれないなぁ。



2017年03月27日(月)
アジ 多キ

先日、以前仕事をした仲間たちと楽しい宴を催したが、
そのお店のメニューが、今回の「気になる一言」。(笑)
と言うより、その「お品書き」を読み間違えた仲間の一言。
テーブルの上に置かれたメニューは、縦書き。
その1つを指差し「この『アジ 多キ』って、なんですかね?」
ビールをゴクゴク飲んでいた私は、吹き出しそうになった。
確かに、ちょっと崩れた手書きの文字で、カタカナのみの
メニューだから、間違いを責められないけれど、
そこには、酒の肴としての「アジ タタキ」と書かれていた。
酔っぱらっていたからか、私の笑いのツボにハマり、
こうして「気になる一言」に登場することになった。
以前「磯物」と書かれた手書きのメニューを、
「すみません、この残り物って、なんですか?」と尋ねた私は、
しばらく、そのお店に行けなかった。(笑)
こういった笑いのネタは、なぜか飲むたびに増えていく。
特に言葉に好奇心が強い私は、初めて行ったお店なら
間違いなく「メニュー」を一通り目を通す癖がついている。
面白いメニューのあるお店情報、お待ちしています。



2017年03月26日(日)
展覧会の感想を・・インスタグラムでぜひご紹介ください

娘に誘われて「蜷川実花展」(静岡県立美術館)へ出かけた。
彼女の人気、また最終日とあって、多くの方々で賑わっていたが、
面白い試みに、なるほどなぁ、とメモをした。
「撮影について」と書かれたパンフレットには、
「会場内での撮影は原則としてご遠慮ください」と書かれている。
ただし、4カ所のコーナーは撮影が可能となっていて、
いつもの美術館のルールとは違い、若い人たち中心の来場者が、
スマホ片手に、撮影している姿がとても印象に残っている。
しかし、撮影してもインターネット等に投稿はできないだろうな、
そんな想いで、パンフレットの続きを読んでいたら、
これまた、そうなんだぁ・・と思うことが書かれていた。
「展覧会の感想をブログ、ツイッター、インスタグラムで、
ぜひご紹介ください」
今や、著作権や肖像権で問題になることは少ないのだろうか、
この周知方法も、新しい「展覧会」の形だよなぁ、と感じた。
あとは、個人責任で投稿する仕組みだけど、
他人の顔が写っている写真を、無造作にアップするのだけは、
やめたほうがいいと思うから、その注意書きが欲しかったな。

P.S.
「ピントがズレている作品」を、彼女の感情移入と感じるまでに、
ちょっと時間がかかったけど、若いパワーと刺激をいただいた。
この展覧会を「静岡」で開催すること自体、凄いことらしい。



2017年03月25日(土)
一緒に時間を共有できる人がいるのは幸せなことだよね

妻の58歳の誕生日だった。
我が家の恒例で、誕生日の人がお店を選び、
母、娘も含めた家族だけで、ささやかな宴を催すことが
(たぶん)、4人の楽しみとなっている。
今回も、彼女がお気に入りのイタリアンレストランを選び、
お店の予約からタクシーの手配まで、全て本人以外が手配し、
当事者の「あ〜、満足」の言葉を耳にしてお開きとなる。
私からは、知人・友人とはちょっと違ったお祝いメールを送った。
その返信が、気になる一言。
「最近つくづく考えるのだけれど・・」と前置きをして、
「一緒に時間を共有できる人がいるのは幸せなことだよね」
「パパと一緒にいると、居心地が良いです。
それは、少しのワガママを受け入れてもらえる、って
思っているから」と綴られている。
何度も、私はあなたのパパじゃないから、って言っているのに、
彼女にとって、いつまでも「パパ」らしい。(笑)
子育ても終わり、親の介護にはちょっと間がありそうだから、
許される限り、一緒の時間を共有していきたいと思う。
定年前に、少しずつ、国内旅行かな。



2017年03月24日(金)
さあ、出かけよう。一切れのパン、ナイフ、ランプ、鞄に詰め込んで

映画「天空の城ラピュタ」(宮崎駿監督)から。
普段、あまりアニメ映画は観ないのだが、
今年(2017)の合唱練習曲が、この映画の主題曲と知って、
「えっ、今頃?、まだ観てないの?」と言われながら、
名作と言われているアニメ作品を観終えた。
「ガリヴァー旅行記」(ジョナサン・スウィフト著)に登場する、
「天空の島、ラピュタ」を題材にしたとあって、
冒険、ワクワク感が溢れた作品だった。
(飛行)石、木の根、空、雲など、自然の素材が大事に描かれ、
実写では得られない、アニメの魅力を満喫できた。
気になる一言に選んだのは、いつでもストーリーが思い浮かぶ、
作品全体を包み込む主題歌「君をのせて」の一節。
「さあ、出かけよう。
一切れのパン、ナイフ、ランプ、鞄に詰め込んで」
冒険は、あまり多くのものを持たず、とにかくすぐ行動すること。
そして「父さんが残した熱い想い、母さんがくれたあのまなざし」を
心の支えとして、一歩踏み出すことの大切さを教えてもらった。
キャッチコピーや主題歌の持つ力を、これからも楽しみたい。

P.S.(敢えて会話を選ぶとすれば)
「おばさん、僕を仲間に入れてくれないか?シータを助けたいんだ」
「甘ったれんじゃないよ、そういうことは、自分の力でやるもんだ」



2017年03月23日(木)
沼津も頑張ってますよ

2日連続、沼津ネタでご免。(笑)
先日の飲み会の帰り、普段なら歩いて帰るけれど、
翌日も飲み会だからなぁ、と久しぶりにタクシーに乗った。
私の悪い癖で、乗車すると必ず運転手に声を掛ける。
「最近の沼津、どうですか?」と。
返ってきた答えは「沼津も頑張ってますよ」だった。
「三島が賑やかそうに見えるけれど」と前置きをしながら、
「あそこは、三島駅周辺と広小路駅周辺に飲み屋さんが集まり、
狭い範囲に固まっているからね」と続き、
「沼津は、北口も南口もあって、そこそこ頑張っているよ」。
最近では珍しい発言だと思っていたが、そうでもなさそうだ。
景気を一番身近に感じているはずの「タクシー運転手」だからこそ、
その感覚は大切にしたいと思う。
今までは「沼津はもうダメですよ」という発言が多かったのに、
今回の運転者の発言は、私を喜ばした。
近隣のどこの市町と比較するのでもなく、
そしてまた、全盛だった頃と比較することは意味がなく、
現実の今を客観的に見つめることに力を注ぎたい。
何か突破口が見えてくるはずだから。

P.S.
年度末、飲み会が続き、帰宅後そのまま寝てしまうので、
「気になる一言」の配信が翌日の朝になることが多くなります。(汗)



2017年03月22日(水)
沼津に落としてどうすんだよ

映画「日本のいちばん長い日」(原田眞人監督)から。
こんな台詞に反応するなんて、なかなかいないな、と自分でも思う。
監督の「原田眞人」さんが「静岡県沼津市の出身」だからだろうが、
こんな大作に「沼津」という地名が登場する。
もちろん、原作となっている書籍「日本のいちばん長い日(決定版)」
(半藤一利著・文春文庫刊・371頁)には、出てこない。
「広島」「長崎」に原爆(ピカドン)が落ち、次は「東京」ではないか、と
東京都民が、逃げ惑うワンシーン。
たぶん、私の拙い文字で残された、メモから推察すると、
誰かが「どうしたんですか?」と訊ねたんだと記憶する。
それに応えて「ピカドンが東京に落ちるんだよ」と逃げながら叫ぶ。
訊ねた相手がさらに「沼津の方じゃねえのかい?」と聞き返す。
さらに「沼津に落としてどうすんだよ」と続く。
いくら原田監督が沼津市の出身だとしても、時代考証することを考えると、
唐突に「沼津」という地名がでてくるとは考えにくい。
逆にいえば、終戦当時「沼津」という、静岡県東部の地方都市は、
原爆が落とされても不思議ではないくらい、重要な都市だったということ。
それを裏付けるように「空襲」を受けた都市だったし、以前紹介したように、
電報で「ぬ」の文字を伝えるのに「沼津の『ぬ』」と言ったほどである。
これは、最近人口減少で悩む「地方都市・沼津」に向けた、
「原田監督」からのエールではないか、とメモをした。
「沼津市民の方」は、この台詞に気がついたかな?



2017年03月21日(火)
「エレファント・カーブ」をまちづくりに活かす

静岡経済同友会 東部協議会「公開セミナー」
講師「御立尚資」氏(観光立国委員会委員長等)
演題「観光産業が日本経済をけん引する 
真の観光立国を目指して」から。 
普段気にしていない世界の動きが、実は、私たちの生活に
どれだけ影響するか、を教えていただいた。
「インバウンド増の理由」は、富士山などの「世界遺産」認定増、
「爆買い」に代表される中国人観光客の増などと考えていたら、
政府の「ビザの緩和策」や「アジア周辺国の成長」が要因だった。
象が右を向いた形に似た「エレファント・カーブ」を示し、
先進国の富裕層と、新興国の貧困層が成長したことを指摘した。
先進国の中間層が伸びないことを指摘し、彼らの不満が溜まり、
その反動が「トランプ氏が大統領になる可能性」だった、と分析。
なるほど・・政治も、経済も、どのタイプのどの国民層が成長し、
どの層が伸びないなどを、見極めることの大切さを知った。
この視点は、小さい町のまちづくりにも同じことが言える。
どの性別の、どの年齢層が元気があって、どの年齢層が沈滞、
そんな分析でもいいから、データに基づき、客観的に分析する。
これからは、行政の苦手なマーケティングの時代だな。