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しもさんの「気になる一言」
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2018年10月23日(火)
モン族の家で、文句はなしよ

映画「グラン・トリノ」(クリント・イーストウッド監督)から。
会話のテンポがよくて、なぜか汚い言葉でも、
すんなり受け入れられたのは、不思議であった。
これは、もちろん脚本の素晴らしさもあるんだろうけれど、
字幕を読んでいる私にとっては、翻訳の妙でもある。
こんな言葉を訳すのは、若い人なのかな?と思ったら、
なんと戸田奈津子さんだった。(笑)
日本語訳でしかわからないフレーズが満載。
気になる一言もその1つ。
「モン族の家で、文句はなしよ」は、メモして笑えた。
主人公が口から血を吐く。「大丈夫?」と訊ねる人に
「舌を噛んだだけだ。下(1階)でもっと飲もう」と返す。
若い女の子を、これまた若い男3人が追いかけるのを見て
「三バカ大将が、後を追ったか」。
物語的には「少しは自分に磨きをかけろ」が光った。
磨き方を教えるのではなく、自分で試して覚えろ、
そんなメッセージが伝わってきた映画だった。



2018年10月22日(月)
「なぜ卍を書く?」「卍は文字ではなく光だ」

映画「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎」(チェン・カイコー監督)から。
タイトルを見るかぎり、弘法大師としても知られる真言宗の開祖で、
遣唐使として中国に渡った若き日の「空海」が主人公となるが、
「中国・日本合作」でどうもハッキリしない。(笑)
原題「妖猫伝 Legend of the Demon Cat」の方がピッタリで、
その辺りが、モヤモヤしたまま終わる。(映像は素晴らしかったが)
物語は、一言でいうと「玄宗こそ真の幻術使いだ」かな。(汗)
それでも、空海を主人公にしたくて、メモした台詞を眺めたら、
「なぜ卍を書く?」「卍は文字ではなく光だ」が見つかった。
蠱毒(こどく)の虫に侵された者の体に、空海が施した治療(?)は、
体じゅうに筆と墨で「卍」の文字を書くことだった。
人の体内で毒を出すから、生肉でおびき出した、と言い、
その「卍」に文字、いやその光におびき出されて這い出るシーン。
小さい頃から「卍」という形をを、漢字練習帳に書くたびに、
「これが文字?」と思っていた疑問が、50年振りに解けた気がする。
さすが「空海」、「卍の定義」は大切にしたい。



2018年10月21日(日)
会話をしながらの美術鑑賞はやめて

久しぶりに、私のボヤキとなった。
先日の休暇、楽しみに出かけたのは、クレマチスの丘。
今回のお目当ては、ベルナール・ビュフェ美術館の企画展で
「没後50年 藤田嗣治 本のしごと 文字を装う絵の世界」。
彼の作品を静かな雰囲気の中、美術鑑賞をする予定だったが、
女性4人の最初から最後までのお喋りで、台無しになった。
一つずつの絵に対して、誰かしらが感想を口にし、
周りが「そうよね」とか「わたしもそう思ったわ」と付け加え、
「この人、なかなかうまいわね」のコメントで泣きたくなった。(汗)
とにかく、館内に彼女らのお喋りが響き渡り、久しぶりにキレた。
最後は、展示されている絵とは関係ない話で盛り上がり、
まさに、4人の女性が公園内をお喋りしながら散歩する感じである。
その上、ハイヒールでコツコツの音も館内に響くし、最悪。
この日を思い出したくないけれど、記録に残そうと思う。
「会話をしながらの美術鑑賞はやめて」



2018年10月20日(土)
食べ物はお日様に当たると甘くなるのよ

10月第3週に日本全国の小学校で開催される「味覚の授業」であるが、
わが町発信の食育プロジェクト「味覚の授業」は今年で5回目を迎えた。
その活動は、年々広がりをみせ、近隣市町にも良い影響を与えている。
地域で活躍している料理人が先生役を務め、長年の経験で培った「味覚」を
いろいろな視点から地域の子どもたちに伝える。
やはり、その道のプロとなった人たちは、先生役になってもプロ。
含蓄のあるフレーズが楽しみで、授業の見学をさせていただいた。
(一応、清水町食育推進委員会のメンバーとして。(笑))
私が見学した授業の先生役は、伊豆市「羅漢」の加藤敦子さん。
スマホのメモは溢れたが、その中でも気に入ったフレーズは、
「食べ物はお日様に当たると甘くなるのよ」
子どもたちが試食する「渋柿」の横には「干し柿」が置かれ、
同じ柿でも、こんなに味覚が違ってくる・・と、私はメモをした。
しかし、彼女はその差を「お日様の力」としたところに私は感激した。
同じ皿の上には「干しぶどう」だったり「干し芋」も・・・。
何も調理しなくても、お日様に当たるだけで「甘くなる」ってことに
気がついて、とても得した気分になった。
この自然の恵みって、きっと他にも通じるな、とメモをした。
お日様をいっぱい浴びると、人間も性格が優しくなるかもしれない。
車内や室内に閉じこもってばかりではダメだよねぇ。



2018年10月19日(金)
人類は成功した種とは言えん

映画「ダウンサイズ」(アレクサンダー・ペイン監督)から。
人口増加による環境、食料問題を解決するために、
人類が縮小可能になった未来社会を舞台にして、繰り広げられる。
身長180センチなら13センチにまで小さくなることが可能になった世界、
それは、全人類が地球危機を意識し、実行に移せば、
環境、食料問題は解決したのかもしれないが、そうはいかない。
物語では、ダウンサイズしたメリット、デメリットを描きながらも、
それでも、環境悪化は進行し、遂に人類滅亡の危機に直面する。
そんな現状をみつめながら、ダウンサイズを開発した博士は、こう呟く。
「人類は成功した種とは言えん。
高い知能を持ちながらかろうじて20万年だ。
ワニは2億年生き延びた、クルミほどの脳でな」と。
どんなに技術が発達しようとも、人類そのものが滅亡したら、
それはなんの役にも立たないことを警告している気がする。
昨今の異常気象を例にとるまでもなく、確実に地球は変化している。
「地球が悲鳴をあげている」と表現する人もいるが、
地球は、長いサイクルの中で、予定通りの変化かもしれない。
悲鳴をあげているのは、人類でしょ?と地球に笑われそうだ。
こういう社会風刺的な作品も、悪くないなぁ。



2018年10月18日(木)
プロモーションは、騙すテクニックだよ

ある映画監督と一緒に食事をする機会があり、
なぜか、プロモーションの話題になった。
彼は簡単に「プロモーションは、騙すテクニックだよ」
そんな意味のことを呟き、私を驚かせた。
「えっ?」と聞き返す私に、こう説明してくれた。
「悪いものを良く見せることではなく、
良いものをより良く見せる技術だよ」と付け加えた。
ないものをあるように見せたり、汚いものをキレイに見せる、
そんな騙すことではない。
品質の高いものを、より良く見せることにより、
価値が上がったり、購買意欲が膨らむ・・効果があるらしい。
シティプロモーションも、同じことなんだろうな。
その街の汚い部分をキレイに見せるテクニックではなく、
キレイな光景を、よりキレイに見せるこテクニック、
それは、幾つもいらない、1つでいい。
わが町の場合「柿田川」を、より魅力的に見せることだな。



2018年10月17日(水)
「イキたくないの? 」「これでいい」

映画「ロング,ロングバケーション」(パオロ・ビルツィ監督)から。
途中から涙が止まらなくなってしまった。
アルツハイマーが進行中の夫と、末期がんに侵されている妻が、
夫婦でしかわからない距離感で、旅をする。
いつ壊れてもおかしくない愛車のキャンピングカーで旅することで
2人は一緒に過ごしてきた時間に向き合うことができた。
それは、すべてが順調ではなかったかもしれないが、
2人にしかわからない感情が詰め込まれていて、グッときた。
印象的なシーンは、最後にもう一度、結ばれる場面。
現実的には、ちょっとあり得ないかも・・と思いながらも、
なぜか、この会話が素敵だった。
お漏らししてしまった夫がパンツを取り替える時、なぜか
勃起した性器を妻の前に露わにする。「やぁ・・」と言いながら。
「勇ましいわね。でも臨戦状態は解いて」と驚きながら答える妻。
「ジョン、何してるの? 」と聞き返すと、
「試そう・・ちょっとでいいから」と呟きながら、その行為に及ぶ。
そして「ちょっとだけ・・入ってる・・」「そうね、奥まで入ってる」
「じっとして」「イキたくないの? 」「これでいい」
「ジョン、心の底から愛してるわ」「二度と離れないでくれ」「分かった」
「約束だ」「約束する」と2人の会話は静かに続いて、翌朝のシーンへ。
衝撃的なカットかもしれないが、老夫婦ならではの会話、
長年連れ添った相手に対する思いやりが、表現されていた気がする。
子育てがひと段落した夫婦、必見の映画かな。

この作品、夫婦一緒に観るより、別々に観ることをお勧めする。



2018年10月16日(火)
「690円です」「1240円で」「550円のお返しです」

先日出くわした、コンビニでのある出来事。
私の前で会計をしていた男性の行為に、驚いた。(笑)
たしか買い物の金額を「690円です」と店員が告げた。
金額を確認したあと、男性の動きは、まず1000円札を出して、
そのあと、小銭入れを出して「240円」を加えた。
店員は、何事もなかったように「1240円お預かりします」と
男性に確認したあと「550円のお返しです」と手渡した。
目の前で起きたその光景が忘れられず、自分の会計をしたあと、
スマホ片手にメモをした。
私なら、小銭が690円ピッタリなかったら、
そのまま1000円札を出してお釣りをもらう。
たぶん、小銭が90円あっても、1090円出すことなく、
1000円で支払いを済ます気がするのだが・・。
咄嗟に「1240-690=550」という計算式も思いつかないし、
この男性、数学が得意なんだなぁ・・と羨ましかった。
後ろにお客さんがいたら、そこから小銭入れを出して、
ゆっくり会計するなんて、私の行動には見当たらない。
それにしても、ショッキングなコンビニの会計だったなぁ。



2018年10月15日(月)
ウィ、ウィ、ウィ・・・

先日の合唱練習で、教わったトレーニング。
ボイストレーニングの1つなのかもしれないが、
とても楽しそうなので、朝夕の通勤時に試してみたい。
口の周りの筋肉が硬いと、やはり素敵な声が出ないようだ。
だからこそ、口の周りの筋肉を和らげる必要を感じる。
それは、滑舌の悪い私には、とても重要なことであるし、
とにかく楽しそうだから・・続けてみたい。
単純に「ウィ、ウィ、ウィ・・・」と繰り返すだけ。(らしい)
彼女曰く「戻す時を速くしてみて・・」
それからというもの、歩きながら「ウィ、ウィ、ウィ・・・」
たぶん私とすれ違う人は「何だろう、あの人」と感じながら、
「もしかしたら危ない人?」と思うに違いない。
だけど最近の私、他人にどう思われようといいや・・と
いい意味で開き直れるようになったので、気にならない。
始めてから、まだ数日だけど、顔が筋肉痛になってきた。(笑)
これって、今まで使っていなかった顔の筋肉という証拠。
どれくらい続ければ、口の周りって柔らかくなるんだろうなぁ。
まぁ、騙されたと思って続けてみようかな。



2018年10月14日(日)
運命にどう対処するかを描いたんだ

映画「15時17分、パリ行き」(クリント・イーストウッド監督)から。
一言でいえば「2015年にヨーロッパで起こった無差別テロの再現ドラマ」
これをどう映画仕立てにするか、監督の伝えたかったことは何か、
そんな視点でメモを取った。
最後のテロ事件に関わるまでは、
ごく普通の人たちが、ごく普通の人生を送っているシーンの連続で、
ややもすると、監督は何を言いたいのだろうか、と愚痴りたくなる。
時々「自分が動かされていると感じたことは?、大きな目的に向けて」とか
「『人生に導かれてる』って言ってたよな」
「大きな目的に向かって人生に導かれている」
こんな伏線となる台詞が散りばめられているが、それでも分かりにくい。
ラスト、功績に対してレジオン・ドタール賞という勲章が与えられた場面で、
プレゼンターがこんなスピーチで纏めている。
「アンソニーサドラーは、この事件での教訓は何かという質問に答えました。
人々に知ってもらいたい、危機に瀕した時は誰もが行動すべきだと。
そう行動すべきです」
さらに、追い打ちをかけるように、こう付け加える。
「レジオン・ドタールは、勇気だけでなくもあなた方の人間性への賞賛です」
あれ、そこまで考えていたのか?と、ちょっぴり驚いた。
ただ、鑑賞後に知った監督のインタビューで、納得した。
「運命にどう対処するかを描いたんだ」その一言で納得した。なるほどなぁ。