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しもさんの「気になる一言」
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2020年10月22日(木)
図鑑と自然の間を往復しながら自然の豊かさに気づいていく

書籍「ナチュラリスト」〜命を愛でる人〜
(福岡伸一著、新潮社刊・239頁)から。
あまり聞き慣れない「ナチュラリスト」という言葉に、
私なりの定義がしたくて、読み進めていったら、
「図鑑と自然の間を往復しながら自然の豊かさに気づいていく、
それがナチュラリストのあり方です」という表現を見つけた。
「図鑑」を見れば「本物を見たい」と言う熱望をかきたてるわけです。
もちろんなかなか出会えず、それでいて本物を見つけたり
捕まえたりするチャンスは誰にでも必ずある事はわかっている。
見つかったとしたら、ほとんどの場合は図鑑よりもずっときれいだし、
ずっとずっと瑞々しくて艶やかなので、
ビシュス(本物の自然)の素晴らしさに驚くばかり。
そこにsense of wonderの震えがあります」と書かれた後に。
「ナチュラリスト」とは、自然のことに詳しい人ではなく、
自然と会話ができる人なのかもしれない。
中でも「sense of wonder」とは
「自然の精妙さに驚く心・自然に対する畏敬の念・
自然の脆さに触れること」と表現しながら、
「絶え間なく移ろう自然の動きを知るには、
観察者の方が動きを止める必要がある」と纏めた。
なるほど・・・しか、言葉が見つからない、さすがだなぁ。



2020年10月21日(水)
よかったら、ここ使ってください

最近、急に寒くなってきたけれど、ちょっと前までは、
平日ランチは、柿田川公園でテイクアウトのお弁当を広げながら・・と
いうパターンが多かった。
時には、観光客を眺め、時には、社会見学の子どもたちの元気な姿を眺め、
そして今は、第一展望台から眺める「アユ」の遡上を探しながら、
1時間を過ごす。
もちろん雨や風の強い日は、サントムーン柿田川内を散策することも。
そんな公園内のベンチで、お弁当を広げていたら、
公園内、唯一の四阿(あずまや)で食事をしていた女性3人が、
自分たちのランチが終わったのか、立ち上がりながら声を掛けてくれた。
「よかったら、ここ使ってください」
たぶん、足の上でお弁当を広げている私を気遣ってくれたのか、
とても嬉しかった。
まだ食べ始めだし、ここでゆっくり食べてください、
そんな気持ちが伝わってきた。(私の妄想だけど・・)
そして今日、あの時とは逆の立場で、私が四阿の下で食事をしていたら、
1人の女性が、隣のベンチで足の上にお弁当を乗せながら食事。
もちろん、食べ終わってすぐに立ち上がって声を掛けた。
「よかったら、ここ使ってください」
「ありがとうございます」
う〜ん、こういう譲り合い・・ちょっとホッコリだな。(笑)



2020年10月20日(火)
あれっ、アユの人ですよね

柿田川公園内を通勤経路にしているため、
いつものように、貴船神社に10円で参拝して、
「家族と日本と世界の平和」を願っている。
最後の一礼をして振り返ると、見覚えのある女性がいた。
えっと・・と考えていたら、彼女の方から
「あれっ、アユの人ですよね」と話しかけてきた。
先週の水曜日(10/14)に、第一展望台に、アユが遡上してきた時、
ちょうどその場に居合わせた人たちに、
「今年初のアユの遡上について」説明した中の1人らしい。
「あれから、毎日気にしているのですが、いませんね」
私が言う前に、彼女の方から、ここ数日の様子を説明してくれ、
とても嬉しい気持ちになった。
「そうですね。朝はあの時だけでしたからね。ラッキーでした。
でも、もう少しすれば、大群で押し寄せてくると思いますよ」
そんな情報を手短に伝えて、別れた。
アユの遡上で、こんなに盛り上がるのだから、
舟付場での「アユの産卵」シーンを見たら、もっと驚くんだろうなぁ。
それにしても、名前も名乗らず、会話しているから仕方ないけれど、
「アユの人」って・・(汗)



2020年10月19日(月)
BGMは「YouTube」の「BGMチャンネル」で

以前は、風呂に入りながら、スマホにダウンロードしてある、
お気に入りの曲を聴きながら、入浴するのが日課だった。
そのうち、スマホのアプリ「らじる★らじる」で、
NHK番組を聞きながら、にシフトして、情報収集してたけれど、
最近は「YouTube」の「BGMチャンネル」を再生して、
快適な入浴タイムを過ごしている。
朝起きた時から、通勤途中、仕事中、そしてベッドに入るまで、
微かな音楽を聴きながら過ごすと、予想以上に能率が上がることを知った。
溜めていた懸案問題を片付けよう、という気が起こるし、
音楽の効用ってこういうことかって、実感している。
ただ、ボリュームが大きかったり、台詞が入った曲はダメで、
その微妙な音量・選曲が、楽しみになっている。
以前、本当にずっと昔、定年退職したら、
自宅に「有線放送」を引いて、音楽三昧で過ごす、なんて、
夢のようなことを考えていたのに、今では、インターネットで
それが実現できている。
便利な世の中になったなぁ・・と改めて思うけれど、
これから数年先、どんなに生活が変わってしまうのか、
不安にもなる私もいる。
デジタル庁って、どんなことをやるのかなぁ。



2020年10月18日(日)
孤独の時間が人生を豊かにする

書籍「スマホ断食 〜ネット時代に異議があります〜」
(藤原智美著・潮出版社刊・204頁)から。
運動不足とコロナ禍で増え続けた体重を気にして
「断食」というタイトルの本に目がいってしまう最近であるが、
この「断食」も面白いかも・・と読み始めた。
薄い本にも関わらず、頷くことも多く、当然メモも増えた。
「人は外部からの情報や刺激が減るほど、
様々な考えが浮かび、それを消し去る事はなかなかできない、
だからただ座ること、座禅が修行になるのです」
「一人で歩くという時間は、
それが通勤通学のわずかなときであっても、
その人にとって重要な個の独立したひとときであり、
この思索の時間なのです。
「孤独の時間が人生を豊かにする、
こんな考え方はスマホ社会ではありえません」・・
「スマホ断食」の効果は、情報過多のストレスからの解放や、
複雑な人間関係を断ち切るだけでなく、
「孤独な時間」を持てる、というメリットがある。
今の世の中、なかなか一人にさせてくれない環境が整い、
誰とも話していないけれど、孤独の時間ではない時が多い。
だからこそ「スマホ断食」してみようかな、と時々思う。
スマホが故障した時のことを思い出しながら。



2020年10月17日(土)
素敵な仕草だ、もう一度

映画「男と女 人生最良の日々」
(クロード・ルルーシュ監督)から。
映画「男と女(1966)」は、映画音楽で馴染みがあり、
学生の頃、よく耳にした曲・作品名であったが、
実は、正直なところ、未だ作品は観ていない。
しかし作品の中で、当時のシーンが挿入されていて、
私の好奇心をくすぐったことは言うまでもない。
より深く理解するためにも、早いうちに機会を見つけて、
メモ帳片手に、観てみたい。
さて本作品は、53年後の2人の物語であるが、
続編というよりも、単独作品としても見応えがある。
静かな会話の中に、53年の時間が詰まっている気さえした。
特に、53年後に再会した女性を覚えているかどうか、
それが認知症なのか、演技なのか、定かではない。
けれど「素敵な仕草だ。彼女がよくやってた」と、
女性特有の「髪を掻き上げる仕草」に、何度も反応し、
「素敵な仕草だ、もう一度」と要求するシーンは、
男性の私にとっては、その気持ち、わかるよ、とばかり、
何度も、巻き戻して観直した。(汗)
その仕草を思い出しただけでも、2人にとって
「男と女 人生最良の日々」と言えるに違いない。
他人にとっては、意味のないことかもしれないが、
2人にしか分からない会話、思い出があればそれでいい。
「1人になると死が怖くなる。でも2人だと相手の死が怖いの。
そうよ、私は彼が先に死ぬことを恐れている」
大人のラブストーリーって感じだったなぁ。



2020年10月16日(金)
本は、アナログで探す方が楽しい

仕事帰り、新しい図書館に寄り道をするようになってから、
明らかに読書量も増えたが、今まで読まなかったような本も、
いつものお決まりの席(勝手に指定席にしているけど・・)に
辿り着くまでの間に眺める、書架に並んだ本の背表紙が、
私を読んで・・と呼んでいる気になるから不思議だ。
そうして手に取った本は、私の好奇心がムクムクと起き上がり、
閉館時間までに読みきれないと、自動貸出機でサクッと借りるか、
また元の場所に戻し、翌日、続きを読むってこともある。
図書館内に配置されている本の検索機で探すのもいいが、
アフター5の図書館だけは、アナログ検索を優先している。
いつもは読まないジャンルのコーナーも、意識的にゆっくり歩き、
何かを感じたタイトルで足を止め、手が伸びる。
こんな楽しみ方ができるのも、図書館のおかげであろう。
また、基本、1冊しか配架していない図書館の書籍が、
どの分類に収まっているのかを知るのも、また楽しい。
「柿田川公園の楽しみ方」と「図書館の楽しみ方」は、
シリーズになるほど、書けそうな気がするなぁ。



2020年10月15日(木)
地元の人に撮影してもらう

先日、放送局の人と話していて、面白いことに気付いた。
日本全国、いたるところに「プロ」とは一線を画した、
「セミプロ」「マニア」「オタク」と呼ばれる人たちがいて、
特に、写真や動画に関しては、その腕はプロ級の人が多い。
カメラだって、ビデオだって、相当高価な機材を所有し、
自分の撮影した作品の発表の場を求めている人も多いと聞く。
片やコロナ禍の中、撮影が思うように進まないと嘆く放送局。
うまくコラボすれば、面白い作品ができるのに・・と思った。
何日、何時間も待ち続けるしか撮れない写真・映像も、
彼らに任せれば、時間をたっぷり使ってその瞬間を待つ。
簡単な研修を受けさせ、撮影のルールとマナーを教え込めば、
今の時代、可能な撮影システムかもしれない。
こんな時代でも、好奇心旺盛の若い人たちの中には、
「映像撮影編集」で起業を考えている人も多い。
これこそ、三密にならない、新しい番組制方法として、
確立するかもしれないな、と思った。
これこそ若い人たちの「新しい仕事」になるかもしれない。
「地元の人に撮影してもらう」いかがだろうか?



2020年10月14日(水)
添い寝の基本姿勢は「腕まくら」

10月13日、オンライン試写会を観させていただいた
映画「クローゼット(2020)」(進藤丈広監督)から。
一言・ワンフレーズで表現すると、
鑑賞した後に「誰かに腕まくら」をしたくなる、そんな作品。
私の場合、誰かに腕まくらをしてもらいたい・・ではなかったが、
たぶん観る人の現在の心の状態によって分かれるだろう。
若い頃、夢中になった「ブルース・リー」主演映画鑑賞の後は、
強くなった気になり、映画館を出ると格闘の真似をしたのに似ている。
素人だった青年が、癒しを求める多くのお客様と接することで、
成長していく展開は、映画「娼年」(三浦大輔監督)と少し被ったが、
一方は「セックス」、もう一方は「添い寝」だったから、
その対比が妙に可笑しかった。
この「よそでは言えない不満を吐き出す場所を提供」するという
添い寝ビジネスは、これからも流行る予感さえするから不思議だ。
「お客様は目が覚めた時にいつでも、よしよし、してもらうために
高いお金払ってるんですよ」という説明に頷く私がいたし、
やや短い作品だったが、メモは驚くほど多かった気がする。
その中から選んだのは、やはり「添い寝屋」として心得、
一番最初に説明を受ける、その仕事の基本中の基本。
「添い寝の基本姿勢は『腕まくら』」
文字にすると「腕枕」でもなければ「うでまくら」でもなく、
「腕まくら」がピッタリ、と思うのは私だけか。(汗)
これがうまく出来ないと「添い寝」どころではない。(笑)
「添い寝ビジネス」の次は「耳掻きビジネス」かもしれないな。
どちらも平和の証だし、1人では心が温かくならない行為。
さらに、されると気持ち良くなってしまうのも共通かも。
私的には、さっそく妻に腕まくらの感触を確かめてもらったくらい、
素敵な作品だった。



2020年10月13日(火)
「シーン」は、手塚治虫さんが作った言葉

今回も、NHKラジオ番組「文化講演会」から。
講師「言語学者・金田一秀穂氏」演題「今どきの日本語」。
今では、物音ひとつ聞こえない静寂を「シーン」という
たった3文字で表現できるけれど、実はこの「シーン」、
漫画家、手塚治虫さんが作った言葉だと教えていただいた。
この「3文字」がない時代、どう表現したのかな、と想像したが、
恥ずかしい話、頭に浮かんんでこなかった。
それだけ「シーン」という表現が、日本国民に浸透された証拠。
流行語大賞には、その年の重大事件、イベントにまつわる言葉が
エントリーされるけれど、実は「シーン」のような言葉に、
スポットを当てて欲しいな、と思う1人である。
以前紹介した「ショート」を「遊撃手」と名付けたのは、正岡子規。
「9つある守備位置の中でもっとも俊敏さと果敢さが求められる」
そんなポジションを「遊撃手」と名付けたのは絶妙であり、
逆に、その言葉以外、浮かばないくらい浸透している言葉は、
命名者とともに、大切に守っていって欲しい、と願う。
私たちは、多くの分野で、ついつい新しい言葉を求めたがるけれど、
なかなかそれらを超える言葉が出てこないのも事実。
「シーン」以上の「静寂」表現、あるだろうか。