2003年07月10日(木) |
「信頼と再生を切望しているわたしの内面を満たしてくれる本に久しく出会わなかった。日々わたしたちは、新聞紙上でなんとさまざまな悲惨、恐怖と直面していることか。手のほどこしようのない悲劇に打ちのめされ、ついにそれは息苦しい汚物と絶望の山となる。……わたしたちは悪いニュースの山、目撃したくもない山なす苦悩の数々を押しのけて、ひとりでもそこから引き抜き、元の個性をもった人間に、いくつもの庇護の手のなかに、帰さなければならない、何度も、何度も諦めずに。」
「わたしに活力というものについて、また疲れているときにどうやってそれを回復させるかについて考えさせてくれた。… 問題は、ピリオドをどうやって打つかを学ぶこと。… わたしたちはかくも精巧につくられた機械のようなもので、自分自身への期待のしすぎから、機械の扱いを間違ってしまうのだ。どんなに精巧な機械でも、一時にひとつのことしかしないし、疲労を解決するにはときにそれに甘んじることが必要かもしれない。混沌状態をたえず整えなおすことが、まさに生きるということだ。」
(メイ・サートン「回復まで」より抜粋) |
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