アルの日記
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先週末にお茶の水に行ってレコード屋に入ると友人が在籍しているバンドのポスターが貼ってありCDが発売されていた。 「おおぉ〜!」と思い、店員さんに売れ行き具合とか聞こうと思ったがshyな性格なので聞けなかった。 この前、メジャーからCDをリリースした友人とは違って彼らはインディーレーベルからのリリースなのでポスターが大々的に貼ってあったのはちょっとびっくりした。 そんなわけで昨日、彼に連絡して今日、久しぶりに会った。
久しぶりに会った彼は(といっても私より全然年上なのだが・・・)以前はかなりネガティブで暗黒な発言が多かったのだが、今日はすごくいいエネルギーを発していた。 サンプルCDを3枚貰っていたらしくそのうちの1枚を貰った(う〜ん・・・本当は買ってあげたいところなのだが・・・ごめん)。 先月の11月後半に発売されたのだが、なんと、あのエアロスミスのスティーブン・タイラーが来日して大阪でコンサートを開いていた時、現地のCDショップで偶然流れていた彼らのアルバムをえらく気に入って買っていったらしい(ちなみに某評論家と一緒にいて二人とも買っていったらしい)。 おおぉぉぉおお〜・・・・・あれっ?・・・でもあんな暗黒なものスティーブン・タイラーが聞くのかな・・・っと少し疑問に思ったのだが実際に彼らのCDを聞いたらそんな疑問も吹き飛んでしまった。
何ていうんだろう・・・確かに暗黒は暗黒なのだが、私が昔聞かせてもらっていたものとはちょっと変わっていて、音にある種の「出口」が生まれてきているのに気付いたのだった。 う〜ん・・・こりゃ〜すごい!
彼は音楽に全身全霊を注ぎ込んでいるため、私生活はボロボロで、ほんとホームレス覚悟なのです。 まあ、本気で音楽を追求するとなるとそうなってしまうのはしょうがない。 彼らのやっていることは、日本ではあの種の音楽を聞くリスナーの絶対数が明らかに少ないためメジャーになることはほとんどありえないのだが、やっていることは凄く高度であり、インストということもあってかどちらかというと海外の方が受けが良いかもしれない。 実際、初めはフランスのレーベルからCDリリースの話が持ちかけられたのであるが、やっぱり日本で出したかったらしく、日本でのリリースになったらしい。 発売後は反響が大きくて、海外(アメリカ・北欧・フランス)からその種の音楽フェスティバルでライブをやってくれないかというオファーがきているらしいのだが、何分レコード会社がインディーズなため資金力が乏しく現在検討中らしい。 う〜ん・・・個人的にはぜひやって欲しいと思っているのだが・・・。
実は私はずっと彼について疑問に思っていたことがあったのです。 それは、彼のその「暗黒」で出口がないサウンドとメチャクチャな私生活(いい年して音楽漬けなため、普通の人達から見たら明らかに駄目人間だし、社会の風当たりは非常に冷たいのでやっぱりいろいろと馬鹿にされるだろうし精神的にボロボロになってしまうわけです)なため、なんで精神的に正常を保てているのか・・・それがずっと謎だったのです。
でも、その答えはわかった。 音を聞くと、論理を積み重ねて創っているのがよくわかる。 つまり、非常に理性が高いのです。 彼と話していてもそれを感じるのであるが、考え方が非常に論理的であり、明確なビジョンを持っている。 例えば何か私が質問するとわかりやすく的確な答えが返ってくるのです。 これはどういうことかと言うと、例えばある場所への行き方を覚える時、なんとなく感覚で道を覚えている人は自分がわかっても人に伝えることは難しいのに対して、目印や何番目の信号を左とかそういった感じで論理的に覚えている場合には人に伝えるときもわかりやすいのです。 つまり、彼らのような音楽を好んで聞く人達はおそらくあれこれと論理的に物事を考えるのが好きな人達であり、どちらかというと左脳型の人達が多いような気がするのです。 それゆえ聞いてると頭を使うため、疲れてしまうのでわざわざあの種の音楽を聞くリスナーが少ないのかな・・・なんて思ってみたり・・・。 だって音楽なんて考えこむよりも心や体に自然に入り込んできて心地よくなれるものの方が自分的には良いと思うし。 まあでもこれは人それぞれで、例えば特に若い人達はそうだと思うんだけど、音楽に暴力的なものや攻撃的・反抗的なはけ口をカタルシスとして求めたりもっと観念的なものを優先する人がいるのは当然だし。 自分もやっぱり昔はそういうところがあって、さらに彼らが影響を受けてきたような音楽も好んで聞いていたため、彼らのやっていることはよくわかるし、彼らの凄さにも関心してしまう。
現在の自分はそういった攻撃・暗黒・反逆的タイプではなくもっと感覚的で癒される何かを求めているようなので彼とはちょっと違うのだけれども、でもあそこまでやるのは凄いよ・・・。 自分が感じたものを純粋にそのままの状態で形にするというのは(もちろんバンドの場合は人とのインタラクティブな作用があるため予定調和にはならないのだが)凄いパワーが必要とされるので、やっぱり尊敬に値する。 産みの苦しみとは良く言うけどまさにその通りで、彼はあれだけのものを産み出すのにかなりの苦労をしているし、自分のすべてを注ぎ込んでいるわけだから。
う〜ん・・・今日は本当にいいエネルギーをもらったよ。 なんか生きていく力が沸いてきた。 最後に、彼からもらったCDを聞いて感想をメールで送ったんだけど、そのレスを書いておこう。
「サンキュー。わかってくれる人に評価されればそれでいい。メジャーになれるような音じゃないことはよくわかってるつもりだから。売れるものが全て音楽的に優れているとは俺には思えないもんね。あれ、地震だ。(←謎)アル君(仮名)と俺は魂が近いのかもね。って言うかダメさ加減が似てるのかも。何がどうなるかなんてわからないよ。継続は力なり。頑張ろうぜ、自分なりに。死ぬのはもうちょっと先に延ばせばいい。今度一緒に飲もうね。」
う〜ん・・・正直言って私はあなたほど駄目な人間ではないと実は思っていたり・・・笑。
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