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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2008年08月07日(木)
駆け上がるには、足りない力。


直訴が打ち首ってまじ意味わかんない。そんな水戸黄門に対する不平不満。
そう水戸黄門ではすっかりお馴染みな奉行所とか老中の不正を、下が訴えたらお終いなんですって。おったまげー。
不正を正さず腐食していけって事なのか? 確かに内部告発を保護する制度なんて最近やっと生まれてきたものだしそんな手合いじゃまたいつ不正をばらされるかそして懐柔出来ない危険性から次の雇い先が無くなるのもわかるけど、でも、納得行かない。
つまりいつの時代も悪に虐げられてこそ正義ですか。そりゃ悪を蹂躙する正義なんて珍しいからお話になるんだろうな。

やたらと人の家に上がり込みたくなるのはそれが信頼の証だとでも思っているからか自分のところが悲惨だからか外がきらいなのかはてなですが、昔から他人の住居に入りたくてたまらなかった。
どれも、当てはまっている気がする。生活しているスペースに招き入れ一部でも曝すと言うのは百聞に如かずの通り本人を理解し易いし、だけどその代価に自分の家に上げる事はなかった。勿論そもそも上げる事が不適切といいますかそうしないのがバファリンの半分だったりしますが、結構これって不等価よな。勿論お外は夏は暑く冬は寒いので室内のがすきですが。
顔を覚えている程度のおばさんが、おかえりなさいといらっしゃいで招いてくれる。宿題をやりなさいだとかゲームは程々にだとか定番を言いながら、何処かでは面倒だと思っているだろうにおくびにも出さずジュースやお菓子を持って持て成してくれる。
そして何より心待ちにしていたのは、暫くして聞こえる、小刻みのとんとん。くつくつと煮立つ音。そして漂う香気。
知っている。慣れている。多分今己を取り巻いている誰より。でも、たまらなく、懐かしいと、それでいて羨ましいと、莫迦みたいなものを一番、楽しみにしていたなんて誰にも言っていないけれど。


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