愛より淡く
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2001年12月24日(月) 奇跡のクリスマスプレゼントその2(イブの出来事)


☆☆「イブの出来事」☆☆


その年のクリスマスも

私はこれといってなんの予定もなく
事務所に残って苦手な事務処理に煩わされていた。


私は営業職だったが、やたらとミーティングが多くて
提出書類も多く、時には、外回りをしているひまもないほど
事務処理に時間を費やされなければならなかった。


夜もかなり更けていた。事務所に残っている人もまばらだった。

いつもの残業の顔ぶれといっていいかもしれない。

所長とあと数名の仕事人間ばかりなりけり。


女性陣は、はやばやとお帰りだった。なにせクリスマス。
それに予定がなくてもそんな日に
やっぱ会社には残っていたくないよね。
ほっほーー。


私は、事務処理が遅いので
その日に限らず、いっつもモタモタウダウダと
残業していた。

どうせ家に帰ってもひとりだったし
当時は新人だったし、それなりに仕事に意欲的でもあった。
少しでも早く事務処理に慣れたかったこともある。


そんな時に電話が鳴った。外線だった。

普通は、電話の外線は、営業の部署にはかかってこないのだが

その日は事務の人たちが全員退社してしまっていたので

事務が出ないと、自動的にこっちに転送されてくるのだ。


まあ夜が遅い時はだいたいそうなった。事務の人は
いつも営業より早く帰っていたし。


そういう電話に迅速に出るのも新人の役目だった。

で、出た。

「はい、ありがとうございます。○○(社名)でございます。」


「あ、○○さんですか(私の旧姓)

○○(私の今の姓)です。」


すなわち今の夫からだった。


「実は、さっき神戸に着いた。ウロウロして
今、○○銀行の前からかけているんだけど
出て来れないかい?」

驚いた。

私に会いに来たのだった。しかもはるばる水戸から。

そう、納豆でも有名なあの水戸です。


そんなあ、いきなり来られても・・・・。


別に全然困らなかったけど^^。


で、大急ぎで片付けて

というかもうそんなのそっちのけで

○○銀行に向かったのだった。


電話のやりとりから

私のまわりにいた人は、いいように勘違いしてくれた。

みんな電話の相手が私の恋人だと思い込んだようだった。

まあ状況からして無理もなかった。

違いますよ。私に遠距離片思いしている人なんです。

なんてことをわざわざ説明する必要なんてあるはずがない!

で、ちょっと気分がよかった。

調子に乗った私はわざとうきうきソワソワしたふりをして
事務所を出た。

へっへーー。


○○銀行の前に

トレンチコートを着て

ボストンバックを持った夫がいた。


明日へつづく。


・・ MAIL

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テキスト庵さん