愛より淡く
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2003年02月11日(火) |
私が壊れるに至るまで 彼女を傷つけて得た甘い倒錯の時 |
個室に移るまでの記憶が、全くなかった。
後から聞いた話では、私は数人の看護婦さんにやっとこさ抑えられて、鎮静剤を打たれたようだった。
中略
その個室で起こった出来事については、どこまでが現実で、どこまでが夢だったのかも区別がつかないのだ。
全く記憶に残っていないこともたくさんあった。
記憶にないことについては、もっとずっと後になってから、母から話を聞いたのだけど。
なんか申しわけないどころの話ではなかった。たとえ全然身に覚えのない話だったとしても、大いに懺悔しなければならないだろう。
例えばこんな話
私は、親身になって私の面倒を見てくださっている主任の看護婦さんに向かって、とんでもない暴言を吐いたのだそうだ。
「あんたみたいなブサイクな看護婦さんはいらん、あのキレイな看護婦さんがええ、あのキレイな看護婦さんに来てもろて、せやないとなんも言うこときかんから」
と、あつかましくも、例の「美・ナース」さんを指名したのだそうだ。
うっそーー、な、なんてことを言ってしまったんだ私。←全く記憶がない。
その主任さん、漫才師の海原千里万里さんの万里さんに似てはったことだけは覚えているけど、神に誓って、ブサイクなんてことは全然思っていなかった。なんでそんなこと言うてしもたんやろ?
もしかしたら、無意識のうちに思ってしまっていたのかもしれない、それを理性というもので、抑えていただけだったのかもしれない。
その時の私は、理性というものを完全になくしていたようだ。本来口にすべきではない、抑圧されたものが、一気に噴出してしまったようなのだった。
「ほんま、やらしかったで、主任さんきっとえらい気悪うしはったわ。お母さんどうしてええかわからんと、えらいすんません、とあやまっておいたけどな、やらしかったで」
と、ずっと後になって、実家の母が苦笑いをしながら教えてくれたのだった。
でも、その主任さんは、嫌な顔ひとつせず、ええんですよ、今は錯乱したはるから、と、な、なんと、その美・ナースさんを呼んできてくださったのだそうだ。
ああ、主任さん、あの時の私の数々の無礼をお許しください。心より心よりおわびします。
そんなふうに私ったら、自分に都合の悪いことは、全く覚えていなくて
あの、我があこがれの美・ナースさんと個室で二人きりになれた甘い倒錯の時間だけは、
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ありがとうございましたゥ
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