愛より淡く
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2003年03月15日(土) |
官能的なあまりに官能的な・・・ |
女の母親は、彼女が高校生の時に自殺した。女は、自分が母を責め殺したのだと思い苦しんでいる。
男の父親は、男が小学生の時に、浮気相手と心中した。
そんなふたりがひょんなことから出会い、やがて深い仲になる。
初めて女の独り暮らしの部屋を訪れた時、男はそのあまりの殺風景さに驚く。
そこは、寝具だけが置かれているだけの、あまりにも何もない部屋、がらんどうの部屋だった。
まるで、男と逢引きするためだけにあるような部屋だなあと男が言うと、
まあ、そうかもしれない。ただ寝に帰ってくるためのだけの部屋だし。と
女は冷めた調子で答えるのだった。
女は、毎夜午前2時ごろになると、隣室に住む若い女性の呻き声を聞くことが密かな楽しみになっている。
それは、日中顔をあわせる時には屈託のない明るい笑顔であいさつする女性からは想像もできないほど、実に暗くて悲愴な泣き声だった。
とまあ、これは昨夜読んだ、とある女流作家の小説のあらすじである。
今日読んだのは、
男の寝室のベッドの上で絡み合っているその場面を、こともあろうに、五目寿司を持ってきた男の母親に目撃されてしまうという女の話。
彼女はそのあと男の母親から部屋から叩き出されてしまい、偶然、ある人妻が電車に飛び込む瞬間を目撃してしまう。
女は、結局その人妻の夫とも関係も結んでしまうことになる。
とまあ、そんな感じでぐいぐい引き込まれるように読んでしまった。
どちらもすでにもう絶版になってしまった短編集の中に収められている。
小説の中には、いくつか官能的な描写が出てくるのだけれど
露骨な表現は全くなく、しかしその分想像が膨らみ、読んでいるうちに、だんだんと
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ありがとうございましたゥ
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