愛より淡く
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2003年09月15日(月) オクテの初体験

「はあ?そう言われても、ちょっとわからん」

と、相手は困惑していたようだった。

その時、初めて声をきいたのだけど、想像していたのとほぼ一致していて、

ちょっとぶっきらぼうでヤンチャそうな男の子の声だった。


あまりにしどろもどろで会話が成り立っていないことにイライラした親友が、見るに見かねて

「ちょっと貸して」と私から受話器を奪い取った。

「ごめんね。この子、あがってやんねん。あのね、かくかくしかじかで・・」

と、親友は、これまでのいきさつを簡単に説明して、私と一度会ってもらえるように交渉してくれた。

相手は、案外すんなり承諾してくれた。ただ同じ高校というだけで、まだ名前も知らない誰かもわからない私と会ってくれることを承諾してくれるだなんて、嘘みたいだった。(もしかしたら、そういうことに慣れていたのかもしれない)

会うのは、翌日の放課後、高校から少し離れた喫茶店で、ということになった。

電話が終わったあと親友は

「なんかサバサバしたええ感じの子やん。がんばりや!!」

と、私を応援してくれた。

翌朝、親友は、私に紙切れをくれた。

そこには応援メッセージと、初対面の男の子と話す時の心得などがこと細かく書いてあって、感激した。


「大丈夫や、絶対気に入ってもらえる、自信持ってどんと行きや」

というようなことが書いてあった。

そいでもって彼女は、心配だからと、いっしょについてきてくれた。そして相手に気づかれないように、少し離れた席に座って、見守って?くれていた。

なんだか思いっきり過保護^^

まるで頼りない妹が心配で仕方ないといった姉のようだった。

その人は、ほぼ時間通りに現れた、私の方が先に行って待っていたのだけれど、そのお店はガラス越しでその人がこっちに向かう姿が見えた時、もう逃げ出したい気持ちだった。


その人は、しばらく店の中をキョロキョロして、私を見つけた。


「あ、もしかして?」

「ど、どうも」

というようなやりとりをしたと思う。


私は、男の人とそんなふうに向かい合って話すのは初めてだった。
いったい何を話せばよいのかわからなかった。緊張して固まってしまっていた。








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