愛より淡く
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2003年10月16日(木) 「女」と「くもの巣」

とんでもない場所に

くもの巣がはりめぐらされているのを発見してしまった。

それは、女にとり、あまりに衝撃的なできごとであった。

なんでこんなになるまで気づかずにいたのだろう?と

自分を責めてみたりもした。


くもの巣は、その場所で、信じられない成長をとげてしまっていたのだ。


時おり、糸が光に反射して、輝くのだけれど、


それがまた、実に妖しげで艶めかしい輝きかたで、いっしゅ異様な迫力でもって、女の胸に迫ってくるのだった。

こんなに見事なまでに美しく繊細にはりめぐらされたくもの糸を、女は今まで目にしたことがなかった。


ひとつの完成された芸術作品を目にしているような気にさえなっていた。


これだけのものを作り上げるのには、並々ならぬ時間と労力と焦燥?と諦め?を費やしたであろうと考えると


どうしても、どうしても、壊す気にはなれず







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テキスト庵さん