愛より淡く
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2003年11月18日(火) 風に吹かれて大地をさすらう傷心の私

しかし私は、その手をふりほどかざるをえなかった。なぜなら、私たちのすぐ近くで、長男がロッキングチェアに寝そべって、超大画面の地上デジタル放送を観ていたからだ。

「な、なんでこんなところにこの子がおるのじゃ?な、なんて邪魔な!!」

と、夢の中の私は、そばで平然と地上デジタル放送を観ている長男を、忌々しくさえ思っていた。

「かれこれ、3年半ぶりの母の快挙(意味不明?)を、なぜになぜにこの子は、はばむのじゃ?よよよよよよよ」

と、夢の中の私は、いささか時代がかったセリフまわしで、心の中でくやしがっていた。


そこで突然場面が変わり、私は、だだっぴろい高原を風に吹かれてさまよっていた。はっと気づくと下の方に野球場が見えた。

すると、な、なんと先ほどの俳優Sとすれちがったではないか!!

ビッグチャンス再び到来!!とばかりに私の心は、にわかに華やいだ。

「さ、さっきは、どうも・・・」

私は俳優Sに声をかけていた。彼は、少し困ったように軽く会釈をした。

彼の両手には、なぜか缶ビール。


ポニーテールの似合う色白でスラリとした若い女性が彼に近づいてきた。

彼女は、にこやかに、彼から缶ビールを受け取った。


その時私は、全てを悟ってしまったのである。


なんという、乗り換えの速さ!!いえ実際私はまだ乗られていなかったのだから、この言葉は不適切ね。この場合は、変わり身の早さといえばよいのかしら?それも、なんか違うような気もする。ああ、わからん、わからん、こんな場合なんて表現すればええん?

そんなふううに私は、適切な言葉がうまく出なくなってしまほど動揺し混乱していた。


そんな動揺と混乱を悟られまいとして、私はせいいっぱいさりげなく微笑んで会釈をすると、彼らを振り返ることなく、風に吹かれてどこまでもまっすぐに歩いていったのであった。


風が土ボコリを上げる、だたっぴろい道を、私はひたすら歩いていた。

「しもた〜あの時、しもた〜あの時」

そればかりを、ただただ心の中でくりかえし

見渡す限り果てしない広原を、

いったい自分がどこに行こうとしているのか

何もわからないままに







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