愛より淡く
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2004年03月20日(土) |
ありえない魔法の目薬 |
真夜中に冷蔵庫を開けて、
きらきらひかるブルーの小さい箱に入っている、
目薬を出す。
目薬の容器のまわりには、
なぜだかいつも水滴がついている。
(冷蔵庫に入れて冷やしているからだろうか?)
目薬のキャップは五月の空のようにクリアなブルー。
それをカチッと右に回すと、
キャップがとれる。
容器の本体は、透明で
中に入っている目薬は、淡いブルー。
目薬を、一滴、右目に落としたとたん、
誰かの囁く声が聞こえてくる。
「これは魔法の目ぐすりで、好きな人のことを想ってこれを注すと、その人が貴女のことを思い出してくれるのよ。
さらに、眠る前に、好きな人のことを考えながら、この目薬を注すと、夢の中にその人が現れて、その人の夢にも貴女が現れて、ふたり同じ夢を見ることができるのよ。夢のストーリーは、貴女好みで自由自在、何でもありあり。
ね。すごいでしょう!!奇跡のように不思議な目薬なのよ。」
目薬を注し終えると、囁きは、消える。
今度は左目に、一滴、
落としたとたん、また誰かがさっきと同じことを囁き出す。
両目に注し終えると、囁きは、完全にどこかに消えてしまう。
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