愛より淡く
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2004年05月11日(火) もっと恋せよ営業レディ

独身OL時代の私は、お気楽でぼんやりしていた。

いわゆる有能でバリバリ仕事ができるキャリアレディとは程遠いところにいた。

仕事は営業で、絶えずノルマに追い立てられていたけれど、さほどプレッシャーを感じることもなく、ずいぶんとのん気にしていた。

ノルマ?別に私はなんでもええしどうでもええわ。

そんな感じでヒトゴトみたいに考えていた。


自分に対しても人にも対しても仕事に対しても、全然厳しくないアバウトでルーズな人間だった。


ノルマは前期後期に分けられていて、両方のノルマを達成できた者だけが年に一回開かれる絢爛豪華な祝賀会に出席できた。


私には、当時密かに思う人がいて、私の転勤と同時に離れ離れになってしまったけれど、その人に会える唯一のチャンスがその祝賀会だった。


ふだんは無気力でぼーっとしていた私だったけど、その時だけは、その祝賀会に出たいがために、ガゼン頑張り出したのだ。

別人のように頑張った。なにかにとりつかれたように数字だけを追いかけた。

そしてあと一件でノルマ達成となったとき

毎日毎日、その最後の見込み客を訪ね、なんとか契約してもらおうと粘りに粘りに粘った。


しまいには、その企業の担当者に根負けされて

「この間ついに夢に貴女が出てきたわ。夢でまでお願いしますって通ってこられてはもうかなわんわ」

と苦笑いされて、契約をもらえることになった。

ありがとうございます!!ありがとうございます!!

私は、感激にうちふるえ、目をうるませながら、何度も何度もその担当者にお礼を言い、深々と頭を下げた。


契約書にサインをもらって、会社に向かう途中

感極まって泣いてしまった。







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思えば、祝賀会までの10日間ほどが、いちばん楽しい期間だった。




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テキスト庵さん