愛より淡く
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最近、津村節子さんの小説にはまっている。
新婚旅行先で、夫がホームから転落して事故死してしまい、あっけなく未亡人になってしまう女性の話だとか
とあるベッド会社の社長の二号さんになって母と弟の生活を支えている没落華族の末裔にあたる女性の心境を切々と綴った話だとか
葬儀屋の未亡人が、10歳年下の店の使用人の青年との複雑な恋愛模様を描いた話だとか
戦争で両親を失った女性が、自分の身ひとつで必死に育ててきた16歳下の弟が、こともあろうに自分と同い年の子持ちの人妻を家に連れ込んできたことによって、いろいろとすったもんだする話だとか、
「THEドキュメント女ののど自慢」的、逆境に耐え抜く女たちを、実にきめ細やかで格調高い、素晴らしい文章で綴っている、その小説世界の凄まじいまでの吸引力にぐいぐいと引き込まれてしまったのだった。
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