愛より淡く
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昨夜は、哀しくてなかなか寝付けなかった。おまけに外は吹雪いていて、風が不気味に吹き荒れていた。
朝、またちょっとしたトラブルがあった。
長男が、ぶん殴られそうになっていたので、今度は必死で私が守った。
「なかよくしたらええやん、なんでケンカばっかりするん」
夫の前頭葉はどうにかなってしまったのか、と一瞬哀しくなって
涙がポロポロこぼれた。
二男は、石油ファンヒーターの前にすわって、ずっとうつむいていた。
大雪だったので、子供たちを学校まで送ってやろうと、夫は
外で車の雪かきをしていたのだ。
その間、長男は炬燵で眠っていた。雪だらけになって、部屋に戻って
まだなんの支度もせずに、こたつで寝ている長男の姿を見て、頭に来たらしい。
「おまえは、この寒い中、お父さんが雪かきしているときに、平気でこたつで寝てられるのか、いっしょに手伝おうとは思わないのか」
と、長男に向かって声を荒立てた。
寝起きの悪い長男が、口答えをしたらしい。
中略
ったく
もめてばかりで、嫌になる。
それにしても、昨夜は、今まで生きてきて
五本の指に入るほど、哀しい夜だったかもしれない。
あさがた。ようやくうとうとしかかった頃 誰かと手をつないで階段を上っている夢を見た。
誰かとは、知らない女の人
私は人目を気にしながら、なだらかな階段を、彼女と一緒に上っていた。
その手は、温かかった。
手を離さないでほしいと思った。全然知らない人なのに、その手は
本当に温かかった。
雪は今止んで、晴れ間がのぞいている。
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