愛より淡く
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2006年12月25日(月) |
記憶をたどって その7 |
夏休みをはさんで、2ヶ月ほど入院した。
夏休みをはさんだことが幸いだった。おかげで私は留年を免れた。
いくつか単位を落としたものあったけど、充分挽回できた。
新学期。
ビクビクしながら登校した。知った人に会わないように、会わないように、それだけを祈りながら登校した。
特にある人に会ってしまうことを極端に恐れていた。
もちろん、会わす顔もなかった。あるわけがない。
壊れてしまった時に数々の意味不明な迷惑をかけてしまっていることもおぼろげながら覚えていた。
ごめんなさいね。あの時の私は、病魔に襲われていて、正常な判断力を失ってしまっていたの。許してください。軽蔑されて当然です。あきれられて当然です。
と、勇気を出して、正直におわびをすべきだったのだと今でも悔やまれる。
理解してもらえようがもらえまいが、きちんとおわびすべきだったのだと悔やまれる。
でも、まだあの時は、そこまで回復していなかった。
登校するのがやっとの状態だった。
きちんとお詫びするべきだったと気づいたのは、もっとずっと後になってからだった。
それほど精神的に未成熟だった私。幼い私。許されるべきではないのだろう。
人格が未形成だったから、壊れてしまったのだと、担当医師は言う。
あの頃は、人格がまだ充分に統合されておらず、様々な人格が主人格の地位を獲得しようとして争いをはじめ、制御しきれずに壊れた。と。
「まあ、今回のことは、それまで一番に抑圧されてきた人格が謀反を起こしたのだ。くらいにと考えればいい。いずれ歳をとっていくうちに自然に落ち着くから」
と
あの日、担当医師は、気楽に言った。
思えば担当医師の気楽さにはずいぶんと救われた。
「記憶をたどってその6」までは
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